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お花の「水揚げ」のお話。



こぶた~♫


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タヌキ~♫

(フクロウ?)


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キツネ~♫


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ネ~コ ♫


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・・・・・・・・


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タヌまるくん・・・

だからね。

こうすれば「バラ」が
元気になるっていったの。

タヌまるくん
だからね。


どーするの!

わざわざ、
ブタまんゴーゴーイチさんと、
キツネうどんべえくんと、
ヤマートクロネコさんに
きてもらったのに。


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フクまるくんがタヌキの
登場シーンで
わりこんでくるから
おかしくなったんだよ💨


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せっかくみんなで、
「こぶたぬきつねこ」
歌ったのに。



さて、

お部屋に飾っておいた
生け花が、
くったりさんに
なってしまいました。


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もう一度、
シャキッと元気にして
あげなくてはいけません。

ムリ?

いえいえいえ

あきらめるのは、
まだ早いです。

お花は、再び
元気になることもあります。

そして、
すぐに枯れてしまわないように
しておく大切なこともあります。

お花は、生き物です。

お花がしおれてしまう原因の
ほとんどが「水不足」

なので、
豚まんとか、きつねうどんとか、
宅急便でどうにかなる問題では
ないのよ。


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今回は、お部屋に飾る生け花を
少しでも長く持たせるための、

基本中のお世話

「水揚げ(みずあげ)」

についてお話をしましょう。


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(水をあげる??)

あ。

タヌキさんも、
フクロウさんも、

お庭に水をあげるときは、
「じょうろ」とかの水やりしか
しらないのよね。

「水あげ」というのは、
水をあげる(水を与える)
という意味とは
ちょっとちがうのよ。



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近いものがあるけど、

水を、さし上げるわけではないの(笑)



では、まだお花の
水揚げ(みずあげ)について
まだご存じないかたは、
ここで一緒にやってみましょうか!


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今回は、
お部屋に飾る生け花を
少しでも長く持たせるための、

基本中のお世話「水揚げ」についての
お話をさせていただく前に、

お花の「茎(くき)」について
お話を聞いてください。

茎(くき)の断面図を
ごらんください。


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植物の茎には、

土の中の水をお花に運ぶ
「道管(どうかん)」と、

土の中の栄養をお花に運ぶ
「師管(しかん)」があります。

私たち人間の「血管(けっかん)」
のようなもの思ってもらえれば
いいでしょう。

人間みたいに植物は
茎を切っても「血(ち)」は
でませんが、
もしかすると、

「イタイ!イタイ!」

って言ってるのかも
しれませんね。

血は出ませんが、
茎をちぎると少し
ネバっとした液(えき)が
でますよね。

たとえば、
ヘチマの液。

ヘチマの茎から出る液を
「ヘチマ水」といって、
お肌の化粧水として使えます。

ヘチマ水は「美人水」
ともいわれ、
江戸城の大奥女中の化粧水として
使われていたとか。


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さて、
余談はさておき、
お話を戻しましょう。

花などの植物は、
これらの道管師管によって、
栄養や水分を運んで
鮮度を保っています。

水を運ぶのが「道管」
栄養を運ぶのが「師管」
です。

中学1年生の理科のテストに
出るので、
お子さんにもここで覚えておいて
もらってください。(笑)

ちなみに、
「水」「道管」をつなげて
「水道管」と覚える人も多いですね。


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そして、これよりご紹介する
「水揚げ」とは、

道管(どうかん)が水を
吸収しやすくなるように
手助けをする作業です。

いいですか、

お花が水を吸い上げやすく
してあげるために

手助けをする作業が
「水揚げ」です。

手助けが必要ということは、
ただ単にお花を水にいれたままに
しておくと、
何かトラブルが発生すると
いうことです。

そのトラブルとは、

お水が濁(にご)ってくる
というトラブルです。

お花を花瓶に生けると、翌日、
花瓶の中の水が濁(にご)って
いますよね。

この濁(にご)ったままに
しておくのが、
よくないのであります。

なにせ、
バイキンの濁(にご)り
ですから。


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植物を水にさすと、
切り口からどんどん
「樹液(じゅえき)」が水に
とけだします。


植物の樹液は、水だけでなく、
栄養もふくんでいます。

すると、
花瓶の水の中にいる
バクテリアというバイキンが、
樹液の中の栄養をエサとして
食べるので、
どんどん増えてきます。

花瓶の中の水が
バイキンだらけになると
どうなるかというと、

お花の茎の道管(どうかん)が
目詰まりしてしまいます。

目詰まりするだけでなく、
茎の部分が傷んできちゃいます。


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さぁ、
こまった
こまった。

これでは、お花は
水を吸い上げにくくなって
しまします。

だからこそ、
濁ったお水をきれいな水に
かえてあげること。

そして、
目詰まりしていたり、
傷んでしまった茎の部分を
「チョキンッ!」
とカットしてあげる
必要があるのです。


目詰まりしたり、
傷んだりした茎をカットする。

濁ってしまった水を
きれいな水に変えてあげる。


基本的な「水揚げ」のやり方は、
これだけのことです。

そうすることで、
再びお花は茎の下から、
元気に水を吸い上げてくれます。


といいたいことろですが、
お花の茎を目詰まりさせてしまうのは、
バイキンだけではないのです。

じつは、
「空気」も詰まらせてしまいます。

お店にあるお花は、
仕入れた花を店内で
水揚げをしてから販売して
おられますが、

買った後はいったん水から出た
状態になるため、どうしても、
空気にさらしてしまうことになります。

なので、
買ってからそのまま
花瓶にいれるのではなく、

最低でも、
これからご紹介する
水揚げ作業の中の
「水切り(みずきり)」
してから、
花瓶に生けてあげてください。

すると花が長持ちします。

さて、

前置きが長ーくなりましたが、
いよいよ「水揚げ」のやり方を
説明しましょう。


水揚げの方法には
いろいろとあります。
お花の種類によって細かいところで
違いがあるのですが、

ここでは、
最も簡単で共通した
基本的な方法を
ご紹介させていただきます。


【用意するもの】

切り花
生け花用ハサミ(よく切れる)
新聞紙1枚(半分でもいい)
セロテープ(新聞をとめるため)
調理用ボール(水切り用に)
バケツなど深さのある器(浸水用に)
清潔な水(水道水)

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水揚げのポイントを先に
お伝えしておきましょうか。

その方が理解しやすいでしょう。

新聞紙などで形を整えておく

よく切れるハサミを使う
(花用のはさみがおすすめ)

水の中でカットする

とにかく手早く!!


どうしてこれがポイントなのか
まだ、わからないでしょうが、
頭の片隅に入れておいてください。

最後まで読んでいただくと、
お分かりいただけるはずです。

水揚げは、

お花の茎をカットして、
水を変えるだけの単純な作業

ですが、

なぜ、先ほどのポイントが大切なのか
という「理由」を知ることもすごく大切

何をするにも、
その理由がわかれば、
取り組む意識が違って
きますよね。

外からお家に帰宅したら、
どうしてすぐに、
「手洗い」と「うがい」をしなくちゃ
いけないのでしょうか?

手と、のどに付いたウイルスを
取り除くためですよね。

その理由を知っていれば、
手洗い・うがいをするときに、
「よし、ウイルスを洗い流そう!」
っていう気持ちでするはずです。

水揚げ作業も同じで、
なぜ、ここが大切なポイントなのか
を知っていれば、
そのことを意識しながら
作業をおこなうことができます。

ここに、
お花を枯らしてしまう人と、
そうでない人の「差(さ)」が
あるのだと思っています。


まず、
水に浸かる部分の
葉っぱやトゲはキレイに
取り除いてください。


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なぜなら、
下から水を吸い上げて
いくのですが、
途中に葉っぱがあると、
その葉っぱが先に
水を吸ってしまうので、
てっぺんのお花まで水が
行き渡らない可能性が
あるからです。


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トゲや余分な葉っぱを
取り除いた後は、
茎を洗います。

ゴシゴシ洗う必要は
ありませんが、
ヌメリがとれるまで
水洗いしましょう。


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初めて花瓶に活ける時はもちろん、
水替えの時にこの作業を
するかしないかで、
花の持ちに大きな影響があります。


続いて、
お花を新聞紙または、
包装紙で巻きます。

白い花などは、
色移りする場合があるので
白い紙で巻く方がいいですね。

新聞紙で巻いておくのは、
形を整えてまっすぐに
水を吸い上げるため
ですが、
買ってきたばかりのお花は
シャキッと元気です。

なので、
新聞紙で巻くという作業を
しない方もいますが、
いちいち新聞紙をまくのは、
葉っぱからの余分な蒸発を
おさえるためでもあります。

お花が水不足になるのは、
葉や花から水分が蒸発し、
水分の供給が追いついていない
ことから生じています。

飾るときは当然新聞紙
は外しますが、
水揚げするときは、
いちいち巻いておくことを
おすすめします。


新聞紙は1枚では
大きすぎるので、
片面サイズにちぎって
使います。


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テーブルなど平らなところに置き、
その上に、新聞の左上スミに
花の頭が来るように、
写真のように置きます。


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(左利きの人は、逆に右上に合わせます。)

茎は、新聞から10cmくらい
出るようあわせます。

完全な対角線ではなく、
写真のように置くのがポイントです。

そして、最も大切なのは、

葉っぱは必ず上向きになるように
整えることです。

次のような置き方では
ダメです。


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新聞紙は、矯正させる
役目でもあるので、
水を上げやすくするために、
花も葉っぱもまっすく上向きに
整えましょう。

じゃないと、下を向いたまま包むと、
下向きに矯正してしまいます

「なってほしい形」に
しておくのがポイントです。


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巻き方は、
手巻き寿司と一緒。


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途中で折り返すと、
茎をだしたまま
キレイに巻けます。


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しっかりめに花をくるみ込んだら
あとは、くるくると回しながら巻きます。


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巻き終わったら、
セロテープで3か所ほどとめます。

巻き方がゆるくならなければ
大丈夫です。


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また、
花と葉っぱを上向きに整えるのが
しにくい場合は、
立って花を下向きに持つ方法も
あります。


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重力で葉っぱがキレイに
上向きになってくれます。

そのかわり、
新聞紙の扱いが慣れないと
ちょっと難しいかもしれません。


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なので、巻き始めを
しっかり目に巻いて、
途中からは、
置いて巻くのがいいですね。

巻き終わってセロテープを
はり終わった後、
巻き方が緩すぎたり、
茎の出方が短すぎたとき、
茎と新聞紙の先端を持って
平行に「ゆっくり」と
引っ張ってみましょう。


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かならず、
「ゆっくり」ですよ。

そうすれば、しっかりと
包み込んだ巻きあがりに
なります。

さて、
ここまでが水揚げの
下処理です。

もう一度
確認しておきましょう。


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ここまでするの?

って思ってしまいますが、
これらはすべて、
お花が水を吸い上げやすく
してあげるために必要なことです。

水揚げ作業が
上手くいくかどうかは

下処理を丁寧にできるか
どうかです。


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ハーイ!



では、
次に「水切り」をしましょう。

水切り用と、
水揚げの時の浸水用の
2つの水を用意しておきます。

ここでは、水切り用に
バケツを使い、
水揚げの浸水用に、
深めの容器をつかいます。
どちらも多めに
水をいれておきます。


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「水切り」とは、
読んで字のごとく、
お花の茎の最下部を
「水の中」で切ることです。


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水の中で切るのは、
空気が入らないようにするのと、
乾燥を防ぐためです。

流水でのカットは
効果がありません。


「水切り」する上で
押さえないければならない
要点は、2つあります。


よく切れるハサミで
「スパッ!」と斜めに切る。

切った後は
すぐに深い容器に入れる


つまり、水切りは、
もたもたしてはいけません。

手早くするのが
鉄則です。


必ずよく切れるハサミを
使うこと。

切れ味の悪いハサミを使ったり、
もたもた切ったりすると、
茎の道管(どうかん)をつぶしてしまい、
水をすいあげにくくしてしまいます。

なので、よく切れる
「切り花専用のハサミ」を使って、
スパッとカットしましょう。

また、花屋さんが使う
「フローリストナイフ」でも
キレイにカットできます。
ただし、
慣れないうちは、
指を切ってしまうことも
あるので、
ハサミが無難だと思います。


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フローリストナイフ 使い方


切るときは、断面を
斜めに切ります。


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茎を斜めに切ることで
切り口の断面が広くなり、
水の吸い上げ率が高まるからです。

私たちが使うストローも、
先がとがっていますが、
これは、
吸い上げやすくするためでも
あるのですね。


最低1cmは切りましょう。

ひどい状態のときは10cmくらい、
ざくっと切ってしまいましょう。

茎が短いほうが、
水の上がり(吸い込み)が
良くなります。

ポイントは、水中で、
「スパッ」と、斜めに切る
です。

そして、
茎を切ったら
空気にさらさないで、
すぐに、
浸水用の容器に入れます。
 


とにかく早く!早く!


余計な空気を吸い込んでしまうと、
せっかくカットした茎に
空気が入ってしまいます。

水揚げ用の深めの容器に
倒れないように刺しておきましょう。

新聞紙は浸かっても大丈夫です。


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涼しいところに置き、
1時間ほどそのままに
しておきます。

深めのお水につけておく理由は、
水圧の力でグングン水を
押し上げるためです。

1時間程度経ったら、
一度、新聞紙をはずします。

新聞紙をはずすときは、
少しほどいてみて、
シャキっとしているか見てみます。

まだ茎がフラフラするようなら、
新聞を巻きなおしてさらに
1時間ほど浸水しましょう。

これで水揚げ完了です!

おつかれさま!


といいたいことろですが、

見落としなのが、

花瓶の清掃です。


花瓶の水を捨ててすぐに
新しいお水をいれてしまっては
いませんか?


きれいな花瓶を使用することは
基本中の基本なのですが、
前回花を生けた後、
水を捨てただけで乾かした花瓶だと、
内側に汚れが付着しています。

その汚れが、きれいなはずの水に
溶け込んでしまうと
水の劣化が早くなるので当然
花の持ちが悪くなります。

活け替える前に、
専用のスポンジで内側を
きれいに洗ったり、
塩素系漂白剤を入れて
汚れを分解しておくなど、
清潔にした花瓶を使って
活けるようにしましょう。


花瓶をきれいにしましたら、
水をいれます。

ところで、
花瓶に入れる水は、
きれいで清潔な水ですが、

水道水?
浄水器にかけた水?
ミネラルウォーター?

どれが一番いいのでしょうか?

正解は、

水道水の水です。

なぜなら、水道の水は、
「塩素」を含んでいるからです。

塩素は、水の中のバクテリアが
増えるのを防ぐ消毒の役目を
果たしてくれます。

日本の水道水は世界的に見ても
非常に安全性が高いことで
知られていますが、
その理由の一つは塩素による消毒が
きちんと行われているからなのです。

塩素が入っている水道水の水は、
塩素によって「カルキ臭」が発生するので、
あまりおいしくないのです。

一方で、
浄水器の水やミネラルウォーターは
おいしいのですよね。

それは、
塩素が含まれていないからです。
おいしいけど、消毒効果がないので、
安全面では水道水に軍配が上がる
ということです。

水道の蛇口に直接つけるタイプの浄水器
を使ってはいませんか?


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浄水器は塩素を取り除いて、
水をおいしくする装置です。

お花が求めているのは、
おいしい水ではなく、
バイキンが繁殖しにくい
塩素を含んだ水です。

なので、必ず、花瓶に入れる水は、
浄水器を取り付けていない
水道水を入れてくださいね。

浄水器の水やミネラルウォーターでは、
かえって水を早く腐らせてしまうので
花の持ちを良くする効果は
あまりありません。


では、
花瓶にお花を
活けてあげましょう。


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お花を1日でも長く
楽しむために、

毎日水替えをすることを
おすすめします。

毎日は大変という方は、
最低でも水が濁っていたら
必ず替えるようにしてください。
3日に1回は必ず行うように
してください。

なお、
水切りは毎日しなくても
いいかもですが、

茎が腐っていたり、
お花がヘナヘナしていたら、
必ず行ってあげてくださいね。



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今回は基本的な
「水揚げ」について
お話させていただきました。

お花に関する知識がある方は、
ご存じかと思いますが、

水揚げ、水切り、
バクテリアの繁殖を防ぐ方法など、
じつにさまざまです。

お花の種類によって、
正しいやり方が異なります。

何が正しいのかわからない
かもしれません。

ですが、今回、
基本的な水揚げの説明を
させていただきました。

何を知ることが
できたでしょうか?

ザックリいいますと、

切り花の茎の腐敗を
取り除く

道管から水を吸い上げやすく
するためにふさがない

清潔な水を吸わせる

この3つのポイントを
ご理解いただけたのでは
ないでしょうか。

つまり、
いろんな水揚げのやり方が
あったとしても、
上記のポイントさえクリア
すればいいわけです。

理想のゴールに辿り着くための
外してはいけない基本的なこと
を知っていれば、
おのずと、「手段」を
どうすればいいかが
わかるはずです。

すれば、次回お話する、
他の水揚げの方法(手段)も
スーッっと入ってくるでしょう。


今回も最後まで読んでくださり

本当にありがとうございました。

次回、また
お会いできることを
楽しみにしております。



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