特許が切れている発明から見て進歩性があれば特許が取れるか？
本記事では、特許に関する質問にお答えします。
ネットなどで、特許に関するさまざまな質問を見かけます。
質問自体はあいまいなものがありますが、こんな発想もあるんだと勉強になります。
本記事では、ややあいまいな質問について、質問の意図を推測しながら回答してみます。
（Ｑ）ある特許Ａは出願が20年以上前ということで、特許が切れています。特許Ａからみて進歩性があれば特許を取れるものなのでしょうか？
（Ａ）この特許Ａとの関係だけで言えば、この特許（特許発明）からみて進歩性がある発明については、特許は取れます。
＜解説＞
一般に、公知発明からみて、進歩性がない発明については、特許は取れません。
進歩性とは、公知発明との違いが大きいこと、つまり、オリジナル性があることを言います。
特許Ａも、この公知発明に該当します。
特許の期限が切れたものについても、公知発明であることに変わりません。その内容ずばりなら新規性はないですし、違いが少ないと進歩性なしとなります。
したがって、この特許Ａとの関係だけで言えば、この特許（特許発明）から見て進歩性がある発明については、特許は取れます。
ただし、当然ですが、「公知発明」は、特許Ａのほかにも無数にあります。★この点が本質問であいまいな点
原則として、「すべての」公知発明から見て進歩性がある発明でなければ、特許は取れません。この点はご注意ください。
以下、関連事項を２つほど。
✔（１）すべての公知発明を調査します！
✔（２）特許が切れたものについては、作ることはできます！
■（１）すべての「公知の発明」を調査します！
上述したように、「すべての」公知発明から見て進歩性がある発明でなければ、特許は取れません。
どうすればいいでしょうか？
特許調査の専門家に、特許調査を依頼することができます。
特許を出したい発明について、特許調査を行うことで、以下のような判断をすることができます。
①その発明で、特許が取れそうだと判断できる。
②発明を改良しないと、特許を取ることができない。
③特許の取得を保留にする。別の発明にパワーを注ぐ。
■（２）特許が切れたものについては、作ることはできます！
特許Ａは、出願が20年以上前ということで、特許が切れています。
特許が切れたものについては、そのものを作ることはできます（例：ジェネリック医薬品）
特許が切れた発明や、その発明から進歩性のない発明は「自由技術」となります。
自由技術については、あとから別の特許で抑えられることもありません。
■あいまいな質問でもお気軽にお寄せください
本記事では、ややあいまいな質問について、質問の意図を推測しながら回答してみました。
質問自体はあいまいなものでも、こんな発想もあるんだと勉強になります。
✔特許は難しいので、質問しにくい
✔何を質問したらいいのかがわからない
そんな方も、不安にならずに、ふわっとした内容でもお気軽にご質問ください。
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東雲特許事務所（しののめ特許事務所）
弁理士 田村誠治（元特許庁審査官）
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営
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