ノリ弁当で学ぶ発明の進歩性【リライト版】

本記事は特許の世界で最も重要な「発明の進歩性」についてです。
もちろん一記事では説明できるような内容ではありません。

本記事は「あなたの発明に最も近い従来の発明」についてです。
あなたの発明で特許が取れるか？について考えるヒントになります。

■ノリ弁当で学ぶ発明の進歩性

ノリ弁当を食べたときに、この記事を書きました。

最近はノリ弁当も豪華になりました。
フライにから揚げに焼肉までのっています（以下、豪華ノリ弁当）。

この豪華ノリ弁当で、発明の進歩性の考え方を学んでみましょう！
発明の進歩性＝容易に発明できるかどうか？

まず、豪華ノリ弁当に「最も近いお弁当」を考えます。

そして、
✔豪華ノリ弁当は、その「最も近いお弁当」から容易に発明できるか？
を議論します。

●豪華ノリ弁当に「最も近いお弁当」とは？

次の２つのお弁当を考えてみます。

①ごはんにフライ・から揚げ・焼肉がのっているお弁当(ミックス弁当)
②ごはんの上にノリだけがのっているお弁当（ノリだけ弁当）

さて、どちらが豪華ノリ弁当に「最も近いお弁当」でしょうか？

（１）①ミックス弁当

まず、豪華ノリ弁当と、①ミックス弁当とを比較します。

豪華ノリ弁当と、①ミックス弁当は、見た目がほとんど同じです。

ところで、こう言えませんか？
✔①ミックス弁当は、それだけでお弁当として十分に完成されている

それにさらにノリをのせようとするでしょうか？（動機づけなし）

また、①ミックス弁当に、ノリをのせるとしたら、
フライ等をどかしてからでないとノリをのせられません（阻害要因）。

そうすると、
✔豪華ノリ弁当は①ミックス弁当から容易に発明できたとは言えない
そう思いませんか？

（２）②ノリだけ弁当

次に、豪華ノリ弁当と、②ノリだけ弁当とを比較します。

豪華ノリ弁当と、②ノリだけ弁当は、見た目が全く異なります。

ただ、②ノリだけ弁当は、それだけでは少し寂しいですね。
おかずがほしくなるのが自然ですね（動機づけあり）。

おかずとして、フライ・から揚げ・焼肉は定番中の定番（周知技術）。
ノリだけ弁当にこれらをのせると考えるのは容易じゃないでしょうか。

豪華ノリ弁当の完成です！容易に完成しました。

●②ノリだけ弁当に軍配

以上のように考えると、
✔豪華ノリ弁当に最も近いお弁当は②ノリだけ弁当！
そういうことになりそうです。

豪華ノリ弁当が進歩性があるかどうかは
✔②ノリだけ弁当を基準に判断されるということです。

いかがでしたでしょうか？
一般的な発明についても、同じように考えることができます。

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（補説）
✔上記の（動機づけなし）、（阻害要因）、（周知技術）
これらは、わかりやすくするための参考です。
本来の意味と厳密に同じではありません。

✔見た目からは、
✔ノリだけ弁当よりも、ミックス弁当のほうが、豪華ノリ弁当に近い
そう見えるかも知れません。
ただ、構成要素が同じものが多い＝発明として近いとは言えません。

✔審査では「ベースが同じ」という考え方をよく用います。
上記例では、
豪華ノリ弁当は、ノリだけ弁当とベースが同じ
→だから、こちらが引用文献１（引用発明）になる。
このような言い方をします。

✔「最も近い発明を探す」という考え方は、特許調査の基本中の基本。
構成要素がいくら似ていても、発明として近いとは言えません。
単にキーワード検索すると特許調査の本質からずれることがあります。
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＜元記事＞
ノリ弁当で学ぶ発明の進歩性【動機づけ】【阻害要因】【周知技術】（2017年06月01日執筆）

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特許の過去記事をリライトします＆YouTubeも【１文１行ブログ】

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