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パテントトロールの対策が本格化されるといいな

ネットサーフィンをしていたら、こんな記事を見ました。
『国がパテントトロールの対策を本格化する』

このことは、このnoteの読者である小規模事業者や個人発明家にとっても、本当に好ましいことです。ぜひ本記事を最後までお読み頂ければと思います。「パテントトロール」の知識も身に付きます。

ただ、ネットの情報なので、正確性には疑問があります。いずれにしろわたしは、パテントトロールへの対策に賛成派です。そこで、ネットの情報とは別に、パテントトロールについて私見を述べてみたいと思います。

●パテントトロールとは?

パテントトロール(Troll:厄介者)は、ざっくり言えば、「投資目的で特許を売買する者」です。特に、小規模のパテントトロールが、大手の企業に対して、特許権を行使することが、問題視される傾向にあります。

このパテントトロールの行為そのものについては、賛否両論です。ここでそれらの意見をとり上げるのは控えます。ただ、国が対策に乗り出すということで、パテントトロールには少なからず弊害があるというのは、共通の認識です。その弊害の部分について、対策が施されていくことが期待されます。

●パテントトロール対策の効果3つ

(1)パテントトロールの議論が活性化する

パテントトロールの議論は、まれに、「小さな企業が特許を取ることは良くない」というような、十把一絡げの議論に、歪曲されることがあります。これはさすがにとんでもない意見です。

実際、国(特許庁)も、個人発明家・小規模事業者の特許取得を推進し、特許取得のための料金の軽減措置を講じているくらいです。また、正当な権利(特許権)の主張に、なんでもかんでもパテントトロールとレッテル張りしてよいはずがありません。

パテントトロールの議論が活性化することで、これらの点が、明らかになっていけばと思います。

そして、十把一絡げにされた「小さな企業」から、「パテントトロール」が排除されることによって、「特許制度を適正に利用しようとする小さな企業」が、これまで以上に適切に特許で保護されることが期待されます。

✓「小さな企業」-「パテントトロール」=「特許制度を適正に利用しようとする小さな企業」

(2)特許制度の議論が活性化する

もっと言えば、パテントトロールの議論は、特許制度そのものの議論に発展することにつながります。

これだけ時代が変わったのですから、特許制度も、制度疲労を起こしている部分があるかと思います。特許制度の理解が深まること、そして、特許制度の原点を振り返りつつ、時代とともに特許制度の細かい部分が改良されていくことは、産業界全般にとってのメリットです。

このことは、本来、特許で保護されるべき小さな事業者にとって、追い風になろうかと思います。

(3)弁理士にとっても好ましい

最後に余談で、わたしたち弁理士のことです。

パテントトロールの有効な対策の一つは、「十分な特許調査を行い、トロールよりも先に特許を押さえること」です。

特許とは、トロールに、秘密裏に取られてしまうような性質のものではありません。特許調査の環境も、そのスキルを持った者も、時代の流れとともに充実してきました。

これまで以上に特許調査の重要性が高まることは、特許のプロであるわたしたち弁理士にとっても、好ましいことと言えるでしょう。

●いかがでしたでしょうか

今後、パテントトロールの対策がどうなっていくのか、気になります。

例えば、
✔日本で製造・販売を行わない、在外者の特許などはどう扱われるのでしょうか?(弊所は、日本企業の応援のため、在外者の特許は原則として扱っておりません。)

✔個人発明家や小規模事業者が、すぐには自分では製造販売せず、他者へのライセンス契約や権利譲渡をする場合はどう扱われるでしょうか?(弊所では、このようなご依頼も多数扱っております。)

パテントトロールの対策の今後を見守りたいと思います。

●YouTubeで音声でもご覧いただけます。

●元ブログ(+αの情報あり)

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東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営

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