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他社の特許の権利範囲と、自社で製造販売できる製品との関係

●特許で「範囲」とは?

特許では「範囲」という表現が多用されます。特許の出願時には、「特許請求の範囲」と言います。特許になった後は、「特許の権利範囲」「特許権の範囲」などという言い方をします。この「範囲」とはなんでしょうか。

厳密性よりもわかりやすさを優先して説明してみます。
ある特許の範囲を考えます。世の中にはたくさんの製品がありますが、どんな製品がその特許に抵触するか?抵触しないか?を考えます。そして、「特許に抵触する製品を集めた集合」を考えます。集合のベン図をイメージするといいでしょう。その集合が、その特許の「範囲」をイメージしたものです。

●他社特許の権利範囲と、あなたが製造販売できる製品との関係

他社の特許の権利範囲(A)を考えます。その特許の権利範囲よりちょっと広い範囲(B)を考えます。この範囲(B)には、範囲(A)に含まれる発明から「容易に発明できるもの」も含みます(ここでは製品と発明は区別しないことにします。)。

①範囲(A)に含まれる製品
自社ではその製品を製造販売できません。
ただし、正当な権原があれば製造販売できる場合があります。ロイヤリティーを支払うライセンス契約した場合はもちろん、その他一定の場合もあります。

②範囲(A)に含まれないが範囲(B)に含まれる製品
自社ではその製品を製造販売できます。
この範囲は「自由技術」と呼ばれることがあります。

③範囲(B)に含まれない製品
自社ではその製品を製造販売できます。
さらに、この製品に関する特許を取ることができる可能性があります。

●勘違いしやすい点

上記のうち、特に勘違いしやすい点を再確認します。

①:特許になっている発明であっても、事業ではない家庭内だけとか、個人的な趣味の範囲であれば、物を作ることはできます。

②:範囲(A)に含まれていなければ、アイデアとしてほとんど同じような製品であっても、その製品を製造販売できることがあります。

③:特許を取れる可能性があるのは、あくまでこの特許との関係においてです。すべての特許との間でこの関係が成り立たないと、特許は取れません。特許を出す前に特許調査(★)を十分に行うことをお勧めいたします。

●いかがでしたでしょうか

特許の権利範囲は本来明確なものです。明確でないものは、特許が拒絶されます(いわゆる36条)。弁理士は、いかに他社に模倣されないかを意識して、適切な特許取得を目指しています。

また弁理士は、特許調査(★)を行うことができます。弊所:東雲特許事務所(しののめ特許事務所)は特許調査に特に力を入れています。お気軽にご連絡ください。

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●元ブログ(+αの情報あり)

https://www.tokkyoblog.com/archives/73603158.html

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東雲特許事務所(しののめ特許事務所)
弁理士 田村誠治(元特許庁審査官)
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営

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