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ラグビーワールドカップ2019の思い出(Match47)

「まさかオールブラックスをこの日この会場で見ることになるとは思っても見なかった。」チケットを購入した来場者の多くはそう思ったに違いない。3連覇は難しいまでも、決勝戦には当然のように進むだろうと誰もが思っていたはず。でも、準決勝でのエディー率いるイングランドはさらに強かった。まさかの敗戦にプライドを傷つけられた黒い軍団はどこまで立て直してくるのか? 一方のウェールズは準決勝の南アフリカ戦が超激闘。最後のペナルティゴールまでどちらが勝つか分からないまさにラグビーワールドカップの準決勝にふさわしいゲームだった一方で、ケガ人と中5日の日程がどれぐらい影響してくるのか? 試合前の注目ポイントはその2点だった。

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実は3位決定戦のチケットは最後まで購入をためらったカード。というのも、過去のラグビーワールドカップでは、準決勝の2試合が毎回激闘の一方で、決勝は勝ちにこだわった固い試合展開。3位決定戦は準決勝で出し切って負けたチーム同士の消化試合的意味合いが強くて凡試合が多いという印象だったから。ノックアウトステージに入って、組み合わせを眺めたら、南半球同士の決勝、北半球同士の3位決定戦と予想。その予想は現実には見事に外れたわけだが、試合の行方はどうなるのか?

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金曜日の夕方、東京スタジアムでキックオフということもあり、午前中は仕事。実はオフィスの脇にあるANAインターコンチネンタルホテルがウェールズの宿。折しも、仕事を終えてスタジアムに向かおうとしたら、ホテルからウェールズのバスが選手を乗せて出発するところだった。新宿経由で飛田給へ。今大会何度も通った東京スタジアムに向かう道は黒と赤が拮抗していた。それ以外にも白と緑が驚くほど多い。ま、緑はどの試合でも多かったのだけれど。赤と黒の両チームサポーターの足取りは、望んでいた結果と異なるものだからなのか、ラグビーワールドカップの終わりが近いからなのか、なんとなく重いように感じる。

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ニュージーランドのHAKAはリードが先頭でKA MATE。試合はやはりケガ人が多くてベストメンバーが組めないウェールズに対して、ニュージーランドは高まらないモチベーションを鼓舞するかのように最初から猛攻を仕掛けて早々にペナルティゴールのチャンス。しかし、ポールにあたり失敗。嫌な雰囲気になりかけたが、直後にプロップのムーディーがトライを決め、その嫌な雰囲気を払拭。そこからはまさに猛攻。ウェールズも必死のディフェンスで防ぐものの、1トライ1ゴール1ペナルティのみ。逆に、ハーフタイム直前にニュージーランドが1本とって、ほぼ試合を決めてしまった。後半も攻めるニュージーランドに対する守るウェールズ。緊迫した展開が続く。プレー以上のハイライトは、ウェールズのジョーンズキャプテン、ニュージーランドのクロッティ、ソニービルなどこの試合で代表引退する選手の交代。寂しさが募る。終盤、ニュージーランドのモウンガが自身の大会初トライで試合を締めくくった。

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思いのほか点差がついた試合結果だったが、試合後の両チームを見ていて暖かい気分になった人も多いと思う。試合後はウェールズのジョーンズやニュージーランドのベン・スミスが子供をピッチに下してワールドカップの最後を楽しんでいた。両チームのHCはこの試合での退任が決まっているばかりか、両チームの何人かも代表引退を事前に発表していた。ウェールズのアラン・ウェイン・ジョーンズキャプテン、ニュージーランドのキアラン・リードキャプテン、ベン・スミス、ソニービル・ウイリアムス、ライアン・クロッティ。観客もそのことを知ってか、なかなか席を立たず、彼らを見守っていたのが印象に残る。また、ハーフタイムには上皇陛下と上皇后陛下も訪れた。トライシーンは圧倒的に前半だったのですが楽しんだことでしょう。

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そして、東京スタジアムのスペクテータープラザもこの日が最後。ボランティアの皆さんも最後。大会期間中本当にありがとうございました。名残惜しさが残る中、人が少なくなったスペクテータープラザを後にしました。

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2019/11/1 18:00
ニュージーランド対ウェールズ
東京スタジアム
観客48,842人

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