視覚ってなんだろう?
3つの基礎感覚に加えて、より多様な刺激を取り込む感覚のひとつである視覚について紹介します。
わたしたちは日常生活のほとんどの場面で視覚の情報を使っています。目から自動的に情報が入ってくるのではなく、情報の取捨選択と他の感覚の助けがあって初めて、視覚の情報が正しく使えるようになります。
視覚の働き
視覚は大きく分けて2つのシステム(何システム / どこシステム)によって、空間の中での見た目や動きの情報を処理しています。
何システム(物体視)
色、大きさ、かたちなど、どんな物体か見極めるときにはたらきます。
どこシステム(空間視)
自分と物、物同士の位置関係や方向を認知するためにはたらきます。
それぞれのシステムが視覚情報と他の感覚情報と協働することで、わたしたちはうまく動いたり、動くものをとらえたりしているのです。
例えば、頭を動かして目標を見るときは前庭感覚の情報を使って、視野のずれを補正しています。また、目の周りの筋肉の固有感覚の情報を使って眼球の動きをコントロールすることで、動く対象を目で追うことができるのです。
知っておきたい視覚のコトバ
視覚とこどもの発達に関する言葉について紹介します。
視覚過敏
光をまぶしがる、苦手な色の組み合わせがあるなど、視覚が過敏で生活に不便があることを言います。
対応の工夫として、サングラスの使用や照明を暗めに設定する、刺激の強い掲示物を見えないようにするなどがあります。
視覚的共同注意
他人が見ている視線を追って、ものを見ることを視覚的共同注意といいます。こどもが言葉を覚える前に身に着ける力です。コミュニケーションの基礎になり、人の意図を理解する、言葉を話すといった発達につながっていきます。
視覚優位
見て理解することが得意で、言葉だけの説明は理解しにくい認知の性質です。ルールや手順などを絵や図、表などの視覚的な情報に変換してあげると、情報が理解しやすくなります。
視覚は他の感覚(固有感覚、前庭感覚、触覚)と連携させることで、距離感や感触の認識ができるようになります。ブロック遊びなどで必要な位置関係の理解や、文字を読む力につながっていくのです。
参考:
土田玲子(2013)『感覚統合 Q&A 改訂第2版-子どもの理解と援助のために』協同医書出版社.
”共同注意とは?アイコンタクト・指さしと子どもの発達の関係、自閉症との関連、発達を促す工夫をご紹介!”.LITALICO発達ナビ. https://woman.excite.co.jp/article/child/rid_Hnavi_35026611/, (参照 2020-05-27)
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