【 税務職員時代のエピソード-その1 】
ハーイ、マックんです。
今回は、税務職員新人時代のエピソードを書いてみます。
時は、昭和から平成になったころ、研修を終えて、第3希望であった「徴収部門」に配属が決まり、税務署に赴任します。
「徴収部門」とは、滞納者から滞納国税を回収するのが仕事という、分かりやすく言えば、「債権取立屋」です。
用語を見ている限り、イメージはあまりよくありません。花形ではなく、税務署の中でも疎まれている存在です。
ある日、ある団地(公営住宅)に居住する滞納者のお宅へ集金(滞納国税回収)のため、出張しました。十数件を1日で回ることとし、事前に近隣の滞納者をピックアップしました。なぜか、最上階の4階にお住まいの方が多い。住所の棟番号と部屋番号を確認すると、中には同じ棟の同じフロアで3件もあるぞ。横移動すれば、時間節約できるな。スーパーカブで出張!
さて、団地に到着して、集合ポストで、名前を確認し、いざ4階の滞納者宅を戸別訪問する訳ですが、エレベーターが付いておりません。階段で4階(最上階)まで上がります。
1件目を済ませ、2件目は何とお隣だったのですが、横移動ができません。振り分けの階段なので(階段一つにつき、両サイドに玄関があるタイプ)、一度1階まで下りて、隣の階段で4階まで上がることとなりました。
エレベーター付きのマンションでは、高層階でも、横移動できますが、団地では横移動できません。公営住宅なので、賃貸ですが、エレベーターの有無等が、不動産の価値に影響を与えているというのも納得できます。
そんな中、1人世帯のおばあちゃん宅を訪問しました。来訪の趣旨を伝えたところ、家の中へ通していただきました。
お役所からの文書が多すぎて、よく分からないとの相談を受け、束になった封書を持ってこられました。
確かに迷ってしまうのも納得できる量でした。まずは、当税務署からの督促状を取り出し、確定申告分が未納であることを説明し、その場で集金し、領収証書を交付しました。
次に、県税事務所、市役所、社会保険事務所や公共料金等の各通知が一斉に届いていたようでしたので、各封筒全てについて、支払の必要があるもの、単なるお知らせ、連絡が必要か否か等全て説明しました。
私は、元市役所職員だったこともあり、問合せ先なども容易に説明することができました。
おばあちゃんが、非常に喜んで、帰り際に「助かったので、お礼に」と(菓子)箱が入った紙袋を手渡そうとされました。
「ごめんなさい。公務員は、そういう物をもらうことができないんです。」と丁重にお断り申し上げました。
「お役に立てて良かった」とその日は、気分よく帰ることができました。
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