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ホームスクーラー娘の運動会

9月に入ると、学校では運動会の練習が始まる。

ホームスクーリングを続けている2人の子供たちに、運動会への思いを確認したところ、
それぞれが自分の意志に沿う選択を伝えてきた。

息子の運動会については前記事で書いたとおり↓

https://note.mu/tokk/n/nd65105befd0b


今回は、娘の運動会について記そうと思う。

はじめての小学校運動会

小1の娘にとっては、初めての小学校の運動会だが、
兄の運動会を見に来ていた記憶が鮮明にあるようだった。


「運動会、どうしたい?」
と聞くと、
〇「見に来てほしい人(妹分のいとこ)が来てくれるなら、ダンスだけ出たい。」
〇「お弁当は食べたい。」
の2点。

「かけっこや競技など、勝ち負けをつけるものには出ない。」
とのこと。

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これは、娘が日々徹底して嫌がることで、おにごっこやトランプなども拒否する。
本人いわく、「勝っても負ける人がかわいそうだし、負けたらくやしい。」
HSCの特性として、相手の気持ちを自分のこととして受け取るところとも関係するのだろうと思う。成長とともに考え方や感じ方も変化することは息子を見ていて感じたので、今のところ娘の意志を尊重し見守っている。

学校と話し合い、本人の意志通りに本番を迎えるために必要なことを整理した。
・まず、いとこが運動会に来てくれるのか確認する。→私の役割
・ダンスの振り付け動画を用意してもらう。→学校の役割 
・ダンスを家で練習する。→本人

結局、いとこは見に来れないとのことだったが、
「パパが見に来るなら、ダンスを見てほしい」と変更され、

ダンスに出る方向で固まった。

学校の授業には出ない娘に担任の先生が放課後教えてくれたり、振り付け動画を用意してくれた。

ありがたい。


娘はじっと観て、先生の動きや動画と一緒に動きを確認し、踊る。
覚えるのが、はやい。

そうはいっても、動画で新しい振り付けを見ていると、確認しづらい動きがある。
どうするのかな~と思っていたら、
「もう1回、放課後、先生に教えてもらいに行く。」とのこと。

自分で達成したいことがあれば、課題が出てきても自分なりに解決法を出してくる。

私の役割は、場を作ること。
先生にお願いすると、協力していただけた。これもありがたい。

無事、すべての振り付けをほぼマスターできた。

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ところが、新たな課題が。

フォーメーション移動だ。

隊形を何度か変えて踊るため、他の子どもたちの動きと合わせてみないとイメージしづらい。

どうするかな?

「最終リハとして、運動会前のダンスの最終練習には我慢して授業に参加する!」と娘。

そ、そうか。

私は、「どんな顔して出るんだよぉ。」と内心めっちゃびびる。

でも、その場を作るのは、私の役割。
先生に伝えて、最終リハの日時を確認する。

「あっ、でもダンス以外の練習は出ないよ。」と娘がつけ足した。

「どんな顔して授業から抜けるんだよぉ。」と私はもっとびびる。

そして、リハ当日。

時間を合わせて登校し、そのまま運動場での練習に入っていく娘。

大丈夫かな。。。

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数か月前は「みんなの視線が怖い」と私から離れられなかった。
付き添いありで授業に参加したものの、ふとしたことから恐怖と不安が襲ってきて、泣き出し、途中で学校から引き揚げたこともあった。

まだ夜が来るのは怖くて、私と離れて眠ることはできない状態。

私の心配をよそに、場所を確認しながらも、娘は、淡々と踊り終えた。
そして、運動場のはずれで見ていた私の方へ戻ってきた。

「帰ろうか?」と聞くと
「せっかくだし、この授業を見学してから帰る~」と言う。

「どんな顔して見るんだよぉ。」と思ったが、
きっと淡々と飄々と見るんだろうと思い直した。

すべて、フラットな目線。

妬み、卑下、策略、算段、腹黒、そういった言葉とは無縁な感じ。

きれいで、尊敬する。

運動会本番

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翌日の本番の日、私は娘のダンスを見れなかった。(息子に付き添い、家で待機中だったため(´;ω;`)

最終リハでは、「場所の確認に必死で、笑う余裕なかった~」と言っていた娘。

出かける前にもう一度ダンスの動画を確認していた娘。

大丈夫かなぁ。


娘の付き添い係だった夫が撮ったビデオを後で見た。

笑ってた。いい笑顔。

この子は、私の想像以上のものをすでにたくさん持っている。

そう確信した。

出番後の過ごし方

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ちなみに、ダンスの出番を終えた娘は、真っ先に夫のところへ帰ってきて、体操服から私服に着替え、

観客席から見学したり、知り合いの小さい子供たちと一緒に遊んだりしていたようだ。

自由人だ。

その自由奔放な様子を息子は家でLINEのやりとりで聞いていた。

そして、「行かない」と一度言っていた運動会を「やっぱり見学しに行く」と言い出した。
我が家の兄妹はいい意味でも悪い意味でもすごく影響を受け合う。


兄妹で感性も選択もほんっとうに違いすぎて、私は正直おおわらわな毎日だ。

でも、娘の生き方はそんな必死な私でも笑えてくるくらい不思議で独特で、

愛おしい。

「理由なんていらない。」と思えてしまう。

これまで理屈を探し過ぎてきた私に、根拠ない愛おしさを教えてくれてありがとう。



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