見出し画像

♯031 「早期退院」が前提の今、入院継続の交渉のために何ができるか

精神科医療の仕組みが急速に変わる中で、「やっとの思いで本人を精神科医療につないだ(入院できた)のに、短期間で退院となってしまった……」というご家族からの相談が続いています。

家族は、「本人が退院を強く希望したから」「主治医から退院を促されたから」などとおっしゃいます。入院形態が「任意入院」(退院も本人の意思でできる)の場合は別として、「医療保護入院」や「措置入院」で、家族からみて退院は早いと感じるのであれば、入院継続に向けて交渉の余地があるはずです。しかしその交渉は放棄し、ただ「病院はまともに治療してくれなかった」とこぼされることがあります。

主治医や病院職員から「退院」を促されると、「そういうものか」と素直に従う家族が多いですが、重篤な患者ほど、厚労省の進める「地域移行」のレールに乗ることは難しく、退院後、短期間で通院・服薬が中断してしまいがちです。本来であれば、ある程度の期間の入院治療を余儀なくされる方もいらっしゃいます。しかし今は、【地域移行の名目の元、症状の軽重にかかわらず早期退院を促される】ことを念頭においてください。

このノートでは、重篤な患者を抱え、入院継続を望む家族が、病院(主治医や病院職員)とどう人間関係をつくり、折り合いをつけていくかについて、述べたいと思います。※医療保護入院であることを前提とします。

入院治療を受ける前にやっておくこと

初めに、家族の中には「入院するなら名のある大学病院がよいだろう」と考える方もいますが、大学附属病院は研究機関のため、頻繁に主治医が代わってしまうことがほとんどです。よほどの縁故がある以外は、継続した治療という観点からはお勧めできません。

この続きをみるには

この続き:5,003文字/画像2枚

♯031 「早期退院」が前提の今、入院継続の交渉のために何ができるか

(株)トキワ精神保健事務所

980円

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

3
トキワ精神保健事務所は、創業者・押川剛が1992年に起業し、1996年より病識のない精神障害者を説得により医療につなげる「精神障害者移送サービス」を創始。社会復帰のサポートも行っています。一覧 →http://www.tokiwahoken.com/tokiwanote.html
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。