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勤めていた喫茶店がなくなったので1から再スタートしてみた件

 8/12(土)開催のコミックマーケット102で、バーチャルYouTuberの周防パトラさんをテーマにした二次創作小説の予告編的なペーパーを頒布しました。

 イベント前日の夜(8/11の22:00くらい?)から書き始めてそのまま印刷までして、会場でカッター裁断して頒布というエクストリーム無配ペーパーでしたが、ありがたいことに持ち込んだ枚数はすべてお持ち帰りいただけたので、短い内容ですがテキストだけこちらで再掲を。


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 かつて、ある小さな島国の、小さな街のどこかに、この世ならざる者——悪魔たちが営む「夜の喫茶店」と呼ばれる場所があった。
 悪魔かのじょたちは、その美貌と魅力で人間たちを虜にし、刹那の夢と悦楽を与え、その対価として彼・彼女らの「愛」を求めた。悪魔と人間、一見して一方的な支配・搾取とも思えたその関係性は、不思議と奇妙な均衡を保ち、人間たちもまた自らの意志で「愛」を捧げることを望むようになっていた。
 しかし——時が経ち、あるきっかけのもと、その「店」は失われた。
 変わりゆく世界の中で、人も悪魔も、それぞれに新たな時間を刻み始めた。そんな中で、彼女 ・・は——。

 古びた雑居ビルが立ち並ぶ大通りを中心に、風景とは対照的に色とりどりなキャラクターたちが至る所に立ち並ぶ。飲食店や電気店の客寄せメロディが、電子音の洪水となって溢れかえる街、秋葉原——。日本でも随一のポップカルチャーの集うその街の片隅、大通りから外れ、雑然とした裏路地にあるビルに、その小さな店はあった。
 ビルの小さな入り口をくぐり、暗く狭い階段を登った先には、かすかに音楽が漏れ聞こえてくるドアがひとつ。

 『カフェ&バー with レトロゲーム わんだふるらいふ』

 ポップなデザインで描かれた看板のかけられたそのドアを押し開けると、中からどこか懐かしさを感じさせる電子音が、一気に溢れてくる。同時に、客の来店を告げる8bitのチャイムが店内に響いた。

「あ! いらっしゃいませ〜!」

 店の奥からパタパタと足音を立てながら、一人の少女が出迎える。
 毛先が鮮やかなピンクに染まった、艶やかな淡いグレーのショートヘアが揺れている。訪れた客の姿を認めて、その双眸が、嬉しさを隠しきれないように、にっこりと弧を描く。

「こんばんわんわん! 来てくれてありがとう! 今日も——」

 きらきらと輝きを放つ琥珀色の瞳と、一点の曇りもないその笑顔を向けて、彼女は言った。

「今日も一緒に、たーっくさん遊ぼうね!」

 人の愛を求め、同時に人に多くの愛を与えた彼女の、新しい物語 セカンドステージ

      周防パトラ 二次創作小説
     『わんだふるらいふ‼︎ -forever with you-(仮)』

          2023.12 コミックマーケット103にて頒布予定(?)

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 今年春に実施された上野パセラでのコラボカフェ内企画で、少しだけご本人とお話しさせていただいた際に交わした約束への、個人的なアンサーとしてプロットを組んでいたお話です。

 赤羽にある「Honey Strap」という夜の喫茶店がなくなった後、彼女が秋葉原で自分の好きなゲームを客と一緒に遊べる店を始めたら……という感じのストーリーですが、古き良き(?)ライトノベル感覚で楽しく読んでもらえるものを書いてみたいというコンセプトでもあるので、もしご興味ある方は頒布の際にはお手に取っていただけたら幸いです。


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