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エッセイ『デタラメだもの』

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デタラメに生きる。デタラメに暮らす。薄暗い世の中をデタラメに生きるための処世術、バイブル。妄想まみれで日常を綴るエッセイです。
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#生活

スマートフォンで簡単決済。調子に乗って便利なものを利用すれば、背中に冷や汗をかくような場面にも遭遇するわな。『デタラメだもの』

便利なものを利用すれば、やはりそれなりのメリットは享受できる。特に昨今では、次から次へと新しいサービスが登場したりもするので、生活を便利にしてくれるものは、率先して取り入れていきたい。 そんな中でも、スマートフォンひとつで決済できるようになったのは、なんとも画期的だ。なんせ、財布を持ち歩く必要がなくなったんですもの。小銭やお札に触れて、手が汚れることもない。加えて、ポイントが加算されるカードを登録しておけば、買い物ごとにポイントも増える。むふふ。あまりにも便利過ぎて、これは

いちいち髪型を気にする必要がなくなる、画期的なアイデアを思いついたのだが。『デタラメだもの』

公衆トイレで用を足し、洗面台で手を洗っていると、たまにこういう場面に出くわす。洗面台の隣に立つ年頃の男子が、鏡に向かい、一心不乱に髪型をセットしているという状況。 年齢とともに、髪型の決まり具合を綿密に確認するようなことはなくなった。ただ、あまりにも鏡を見ずに過ごしていると、顔面に何か付着していないだろうかとか、余計な毛が余計な部分から生えてやしないだろうかとか、少しはチェックしたくもなる。 しかし、洗面台の前に二人の男が立ち並び、己の状態をチェックしている様子は何だかこ

消防車のサイレンがきっかけで始まるご近所付き合い。近隣住民がご近所さんに昇華する瞬間を想う。『デタラメだもの』

救急車や消防車のサイレンが聞こえる。遠くのほうから聞こえはじめたサイレンの音は徐々に大きくなり、すぐ近所まで近づいたかと思うと、ピタッと止まる。 サイレン音は音楽でもエンターテインメントでもないから、リスナーの気持ちを害さぬよう、フェードアウトなどして終幕を迎えてはくれない。いつだってピタッと止まる。音が止んだ瞬間、近隣住民たちは一様に思う。「近くで何かが起こってる!」と。 外ではガヤガヤと近隣住民たちの声が聞こえる。家着のまま、サンダルまがいの履物で玄関先に飛び出す者。

怒りやイラつきを鎮める方法として、こんなやり方はどうだろうか、という妄想じみた提案。『デタラメだもの』

例えば、遅刻しそうになって焦っている朝。猛ダッシュで道をゆく。しかし、目の前にゆったりまったりと歩く人がいるとしよう。その御方が半ば道を塞ぐような状況となり、どうにもこうにも抜くことができない。ただ、その御方のペースに付き合っていては遅刻してしまう。そこで人は、チッ、舌打ちをする。要するに、イラついてしまうわけだ。 しかし、人生、怒るよりも平穏なほうがいいに決まってる。物事はそっちのほうがスムーズに進む。平和的に行こうじゃあないの。なので、ここで思い留まるようにしてみた。否

歯ぎしりとの戦いにおける考察。全ての悩みを解決してくれる圧巻のアイテムは、果たして敵か味方か。『デタラメだもの』

生きていれば解せぬことは多いもので、あまりにも長いこと使用し続けてきたため、そろそろ買い替えようとエアコン。できればそう高くないものを。とは言え、安物買いの銭失いにならぬよう、9万円やら10万円程度のものを買おうとエアコン。無事に商品が見つかり購入し、いざ、エアコンを設置してもらうことに。 「これは設置、無理ですわ」と設置業者さん。どうにも室外機を設置することが容易でないスペースらしく、その日の設置は見送られ、商品もキャンセル扱いとなった。それどころかその業者さんでは設置を

日々の生活にオプションを加えることで、ルーティーン化した毎日が劇的に豊かになる。『デタラメだもの』

自然の中で食事をする。例えば、バーベキュー。そういった際に人はたいてい、「やっぱり外で食べるご飯は美味しいわぁ」と言ってのける。やっていることはと言えば、ご飯を食べているに過ぎないが、外で食べるご飯は美味しいわけだ。 いやいや。バーベキューは、火を起こしたりみんなで協力したりしながら食事を拵える醍醐味があるからこそ、「やっぱり外で食べるご飯は格別だわぁ」と言いたくなるんだよ。と主張したくもなるが、仮に自宅でお弁当を拵え、それを持参した上で自然に赴き、レジャシートで寛ぎながら

疑うべきは生活水準。見つめ直すべきは可処分所得。ハードモードに突入するこれからの日本では、こんな風な考え方になってみよう。『デタラメだもの』

生活水準という言葉がある。可処分所得という言葉がある。前者は、平均的に己がどれくらいのお金を使って生活しているかの程度のこと。後者は、家計の収入から支払いを義務づけられている税金や社会保険料などのお金を差っ引いた残りのお金。例えば、うまい棒を買ったりチロルチョコを買ったりに使えるお金だ。これら2つの存在は大いに関係があると思うわけだ。 どうやら我が国は、世界的にも例を見ないほどの高齢化社会に突入しているらしい。それも要因のひとつとして、これから先の日本経済は悪化の一途を辿っ

ふとした瞬間に昔を思い出してしまう。あの頃はよかったなぁと昔を懐かしんでしまう。あの追憶装置の正体とは?『デタラメだもの』

ふとした瞬間の街の空気が漂わせる香りに、つい昔のことを思い出してしまい、急に立ち止まり、「嗚呼、あの頃はなぜにあんなにも自由だったんだろうか」などと回顧するも、急に立ち止まったがために後ろを歩く人にぶつかられた。「いきなり立ち止まるなよ、クソがッ」と吐き捨てられ、はっ、そうか、ここは現実か、などと我に返る日々。 そういった類の、昔の記憶を呼び戻す装置的なものは一体なんだ? 一瞬にして感情があの頃に遡れたり、まるで映画のワンシーンを眺めているように、ウットリと自分の人生に酔い