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書評

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ショートストーリー作家として文学本を、Webマーケッターとしてビジネス本を。「作家+クリエイター+マーケッター」目線でお届けする書評です。
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#読書

お金のこと、暮らしのこと、身近なところには疑問がいっぱい。実は会計がその答えを教えてくれる。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?身近な疑問からはじめる会計学 - 山田真哉』【書評】

『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』タイトルだけ見ると、まるで雑学やマメ知識を紹介した本のようにも感じますが、その実、本著は会計について書かれた本。でありながら、まるで会計を意識しなくとも読み進められる本なのです。 「本当の会計入門書を作るために、会計の常識からいったん離れよう」と考え、筆者が書いたこの一冊。 本著の見出しを眺めてみれば、その意味が理解できます。 さおだけ屋はなぜ潰れないのか?―利益の出し方 ベッドタウンに高級フランス料理店の謎―連結経営 完売したのに怒ら

本の魅力を要約し、読者の共感を生む書評家。プロの仕事とはいったいどんなものなのだろうか?『書評の仕事 - 印南敦史』【書評】

あまりにも多くの情報が溢れかえり、自分にとって有益なものを選択することにさえ、その手がかりとなる情報が重宝される時代。書評というものは、本を選ぶときの重要なナビゲーターになってくれる。 書評家に必要なことを「伝える」ことと「共感をつかむ」ことだと語る本著の著者は、作家・書評家として広く知られる印南敦史氏。 著者はこう語ります。 「なるほど、これはおもしろそうな本だな。読んでみよう」と思わせることが、書評の役割なのですから。 だとすれば、書評は簡潔かつ平易な表現で書かれて

時代を知るためのひとつの方法。それはサブカルチャーの歴史をひも解くことなのかもしれない。『若い読者のためのサブカルチャー論講義録 - 宇野常寛』【書評】

その時代を知る方法のひとつとして、その時代の文化や流行を学ぶ。サブカルチャーも同様に、ひとつの歴史として、数々の時代、歴史を作り上げてきたわけです。 2016年4月から7月に京都精華大学で開講された講義「サブカルチャー論」を再構成した本著。評論家であり批評誌「PLANETS」の編集長を務める宇野常寛さんは、本著の中でこう語る。 (本著を)読み通すと、この国の若者たちがある種のサブカルチャーを通じて世の中をどう捉えてきたかがわかるようになっています。 それは政権の移り変わ

ショートショートの魔法に、書き手の目線で触れられる一冊。『たった40分で誰でも必ず小説が書ける 超ショートショート講座 - 田丸雅智』【書評】

田丸雅智 著『たった40分で誰でも必ず小説が書ける 超ショートショート講座 増補新装版』 本著をひとコトで表現するならば、「ショートショートの魔法に、書き手の目線で触れられる」一冊。ショートショートの魅力に触れながら、実践を通してその書き方が学べる。 既にショートショートを書いている人はもちろんのこと、新しい趣味を探している人にもおすすめ。読む楽しみと書く楽しみの、両方が味わえる一冊です。 「たった40分」で本当にオリジナル作品が書ける!現代ショートショートの旗手が全国

言葉というものが、いかに人の人生を変え、支え、つき動かしてくれるかが学べる一冊。『言語化力 - 三浦崇宏』【書評】

三浦 崇宏 著『言語化力 言葉にできれば人生は変わる』 本著をひとコトで表現するならば、「言葉というものが、いかに人の人生を変え、支え、つき動かしてくれるかが学べる」一冊。普段、何気なく使っている言葉という存在が、いかに可能性を秘めたものなのかを教えてくれる。 行動の先に結果があり、結果はやがて歴史になる。じゃあ、行動の前には何がある? そう。指針となる言葉があるはずだ。自分を変える、誰かを動かす、そんな言葉の大切さと破壊力を教えてくれる一冊です。 こんな時代に、自分の

お金があれば幸せ、なければ不幸せ!?もはやそんな単純な時代じゃない。著名人からお金の価値観を学べる一冊。『マネ凸 お金を増やす最強の思考法 - 渡辺将基』【書評】

渡辺 将基 著『マネ凸 お金を増やす最強の思考法』 本著をひとコトで表現するならば、「ビジネスシーンで活躍する著名人たち、それぞれが持つお金の価値観を学べる」一冊。成功を手にした著名人たちは、お金についてどのように考えているのか? 「お金があれば幸せ、なければ不幸せ」と、ついつい短絡的に考えてしまいがち。しかし、そんな単純な捉え方をしていると、この先どうやら危なそうだ……。今を生きるために、知っておきたいお金のこと。マネーの金言に触れられる一冊です。 SNSで話題の記事

日本にもこんな裏側があったのか。昭和の夜の風俗史を知ることで、新しい日本に出会える一冊。『裏昭和史探検 - 小泉 信一』【書評】

小泉 信一 著『「裏昭和史探検」風俗、未確認生物、UFO・・・』 本著をひとコトで表現するならば、「愛と物語多き昭和の裏の姿に触れられる」一冊。欲望渦巻く風俗という世界で、アイデアとクリエイティブを駆使し自由を掴もうとする昭和の勇姿。 その反面、便利で暮らしやすい現代は、ルールに縛られ身動きが取れなくなってしまった。その過渡期において、人間の欲望が爆発していた昭和の風俗カルチャーが学べる興味深い一冊です。 歴史の主役は指導者や英雄でなく、大衆であるはずだ――。 日本で

知らず知らずのうちに法を犯してしまわないように……。誰しもが発信者になった昨今、身につけておくべき法律のコトが書かれた一冊。『ユーチューバーはじめての法律相談所: 今すぐ役立つ法律・税金のすべて - ユーチューバーNEXT株式会社』【書評】

本著をひとコトで表現するならば、「誰しもが発信者になった昨今、身につけておくべき法律のコト」が書かれた一冊。 さまざまな技術やプラットフォームが登場するなか、多岐に渡る表現が可能になった。けれども、「やっちゃいけないこと」って誰も教えてくれない。知らず知らずのうちに法を犯してしまわないよう、押さえておきたい知識が身につく一冊です。 ユーチューバーとして活動していて、以下のようなお悩みはありませんか? ・どんなコンテンツが著作権侵害になってしまうの? ・収益化できたけど、

丸暗記の学習ではなく「イメージを掴む」という点に配慮した学習に触れることのできる一冊。『一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法 - 東進ブックス』【書評】

本著をひとコトで表現するならば、「英語の感覚を掴む手がかり」になる一冊。英文法の向こう側にある、ネイティブのフィーリングに近づけます。 コミュニケーションは感情を表現してナンボ。感情が触手を伸ばす言葉を選ぶべき。じゃあ、「こんな気持ちのときはどの言葉を選べばいい?」の手がかりが手に入る一冊です。 すべての日本人が「話せる英語」を「最速」で達成するための英文法大全。英語のシステムやネイティブスピーカーの意識が,豊富なイラストとコラムで最もカンタン且つ詳細に解説されています。

現代に蔓延する成功という名の甘い夢から目を覚まさせてくれる。幸せになれる方法ではなく、幸せという定義を見直させてくれる一冊。『凡人道 - ひろゆき』【書評】

ひろゆき 著『凡人道 役満狙いしないほうが人生うまくいく』 本著をひとコトで表現するならば、「現代に蔓延する成功という名の甘い夢から目を覚まさせてくれる」一冊であり、「幸せになれる方法」ではなく「幸せという定義を見直させてくれる」一冊です。 あなたは「再現可能な成功の法則」に則って生きているのでしょうか? きっとそんなものはこの世にはなく、もしかすると知らず知らずのうちに、取り返しのつかない道へと突き進んで行ってしまっているかも? 忘れかけていた「堅実に生きる」という名

とにかく動き、先行者になることがいかに重要か。情報収集力。行動力。スピード感。分析力。圧巻のラファエル流「成り上がり術」を知ることのできる一冊。『無一文からのドリーム - ラファエル』【書評】

ラファエル 著『無一文からのドリーム』 本著をひとコトで表現するならば、「ラファエルというYouTuberの成り上がり人生を追体験できる」一冊であり、「とにかく動き、先行者になることがいかに重要か」を学べる一冊です。 ラファエルの華やかなタレント像の底にある、異常なまでの人間力を知り、成り上がるためには何が必要なのかを学べる。サクセスドリームにYouTubeドリームがプラスされた一冊です。 YouTubeチャンネル登録者数130万人超え! (2019年9月現在) 時給日

意識せず使っている日本語、意識せず触れている日本語に、これほどまでの技法が詰め込まれていたなんて。『日本語のレトリック - 瀬戸賢一』【書評】

瀬戸 賢一 著『日本語のレトリック―文章表現の技法』 本著をひとコトで表現するならば、「意識せず使っている日本語、意識せず触れている日本語に、これほどまでの技法が詰め込まれていたなんて」ということに気づかせてくれる一冊。 技法を用いて表現を豊かにするもよし。技法を感じて日本語表現の妙味をより深く味わうもよし。ともかく、言葉というものが持つ可能性の大きさを示してくれる教科書のような一冊です。 「人生は旅だ」「筆をとる」「負けるが勝ち」「一日千秋の思い」…。ちょっとした言い

動画に懸ける明石ガクト氏の情熱・熱狂・覚悟、そして狂乱がビシビシと伝わってくる一冊。『動画2.0 - 明石ガクト』【書評】

明石ガクト 著『動画2.0 VISUAL STORYTELLING』 本著をひとコトで表現するならば、「動画というものを通じて、これから先の未来はワクワクできそうだぞ」を実感できる一冊。新しい文化の幕開けに感じたあの震えるような興奮が、動画によって再びもたらされる。 動画に懸ける明石ガクト氏の情熱・熱狂・覚悟、そして狂乱がビシビシと伝わってくる。読書体験って、こんなにも体温上がるんだっけ? と思わせてくれる、とにかくエモい一冊です。 今後5年で世界のあらゆるものが動画化

和食以外のショートショートで、お腹をいっぱいにできる。アメリカン・ショート・ストーリーがたっぷり味わえる豪華な一冊。『超短編小説70 Sudden Fiction』【書評】

『超短編小説70 Sudden Fiction』 ロバート シャパード (編集)、 ジェームズ トーマス (編集)、村上 春樹 (翻訳)、 小川 高義 (翻訳) 本著をひとコトで表現するならば、「和食以外のショートショートで、お腹をいっぱいにさせる本」。日本の作家が綴るショートショートとは異なる空気感をたっぷり堪能することができる。 日本のショートショートがすなわちショートショートだと定番化している方は、アメリカン・ショート・ストーリーの味わいに、その概念を少し変えるきっ