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書評

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ショートストーリー作家として文学本を、Webマーケッターとしてビジネス本を。「作家+クリエイター+マーケッター」目線でお届けする書評です。
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#本

本の魅力を要約し、読者の共感を生む書評家。プロの仕事とはいったいどんなものなのだろうか?『書評の仕事 - 印南敦史』【書評】

あまりにも多くの情報が溢れかえり、自分にとって有益なものを選択することにさえ、その手がかりとなる情報が重宝される時代。書評というものは、本を選ぶときの重要なナビゲーターになってくれる。 書評家に必要なことを「伝える」ことと「共感をつかむ」ことだと語る本著の著者は、作家・書評家として広く知られる印南敦史氏。 著者はこう語ります。 「なるほど、これはおもしろそうな本だな。読んでみよう」と思わせることが、書評の役割なのですから。 だとすれば、書評は簡潔かつ平易な表現で書かれて

時代を知るためのひとつの方法。それはサブカルチャーの歴史をひも解くことなのかもしれない。『若い読者のためのサブカルチャー論講義録 - 宇野常寛』【書評】

その時代を知る方法のひとつとして、その時代の文化や流行を学ぶ。サブカルチャーも同様に、ひとつの歴史として、数々の時代、歴史を作り上げてきたわけです。 2016年4月から7月に京都精華大学で開講された講義「サブカルチャー論」を再構成した本著。評論家であり批評誌「PLANETS」の編集長を務める宇野常寛さんは、本著の中でこう語る。 (本著を)読み通すと、この国の若者たちがある種のサブカルチャーを通じて世の中をどう捉えてきたかがわかるようになっています。 それは政権の移り変わ

言葉というものが、いかに人の人生を変え、支え、つき動かしてくれるかが学べる一冊。『言語化力 - 三浦崇宏』【書評】

三浦 崇宏 著『言語化力 言葉にできれば人生は変わる』 本著をひとコトで表現するならば、「言葉というものが、いかに人の人生を変え、支え、つき動かしてくれるかが学べる」一冊。普段、何気なく使っている言葉という存在が、いかに可能性を秘めたものなのかを教えてくれる。 行動の先に結果があり、結果はやがて歴史になる。じゃあ、行動の前には何がある? そう。指針となる言葉があるはずだ。自分を変える、誰かを動かす、そんな言葉の大切さと破壊力を教えてくれる一冊です。 こんな時代に、自分の

お金があれば幸せ、なければ不幸せ!?もはやそんな単純な時代じゃない。著名人からお金の価値観を学べる一冊。『マネ凸 お金を増やす最強の思考法 - 渡辺将基』【書評】

渡辺 将基 著『マネ凸 お金を増やす最強の思考法』 本著をひとコトで表現するならば、「ビジネスシーンで活躍する著名人たち、それぞれが持つお金の価値観を学べる」一冊。成功を手にした著名人たちは、お金についてどのように考えているのか? 「お金があれば幸せ、なければ不幸せ」と、ついつい短絡的に考えてしまいがち。しかし、そんな単純な捉え方をしていると、この先どうやら危なそうだ……。今を生きるために、知っておきたいお金のこと。マネーの金言に触れられる一冊です。 SNSで話題の記事

日本にもこんな裏側があったのか。昭和の夜の風俗史を知ることで、新しい日本に出会える一冊。『裏昭和史探検 - 小泉 信一』【書評】

小泉 信一 著『「裏昭和史探検」風俗、未確認生物、UFO・・・』 本著をひとコトで表現するならば、「愛と物語多き昭和の裏の姿に触れられる」一冊。欲望渦巻く風俗という世界で、アイデアとクリエイティブを駆使し自由を掴もうとする昭和の勇姿。 その反面、便利で暮らしやすい現代は、ルールに縛られ身動きが取れなくなってしまった。その過渡期において、人間の欲望が爆発していた昭和の風俗カルチャーが学べる興味深い一冊です。 歴史の主役は指導者や英雄でなく、大衆であるはずだ――。 日本で

知らず知らずのうちに法を犯してしまわないように……。誰しもが発信者になった昨今、身につけておくべき法律のコトが書かれた一冊。『ユーチューバーはじめての法律相談所: 今すぐ役立つ法律・税金のすべて - ユーチューバーNEXT株式会社』【書評】

本著をひとコトで表現するならば、「誰しもが発信者になった昨今、身につけておくべき法律のコト」が書かれた一冊。 さまざまな技術やプラットフォームが登場するなか、多岐に渡る表現が可能になった。けれども、「やっちゃいけないこと」って誰も教えてくれない。知らず知らずのうちに法を犯してしまわないよう、押さえておきたい知識が身につく一冊です。 ユーチューバーとして活動していて、以下のようなお悩みはありませんか? ・どんなコンテンツが著作権侵害になってしまうの? ・収益化できたけど、

丸暗記の学習ではなく「イメージを掴む」という点に配慮した学習に触れることのできる一冊。『一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法 - 東進ブックス』【書評】

本著をひとコトで表現するならば、「英語の感覚を掴む手がかり」になる一冊。英文法の向こう側にある、ネイティブのフィーリングに近づけます。 コミュニケーションは感情を表現してナンボ。感情が触手を伸ばす言葉を選ぶべき。じゃあ、「こんな気持ちのときはどの言葉を選べばいい?」の手がかりが手に入る一冊です。 すべての日本人が「話せる英語」を「最速」で達成するための英文法大全。英語のシステムやネイティブスピーカーの意識が,豊富なイラストとコラムで最もカンタン且つ詳細に解説されています。

動画に懸ける明石ガクト氏の情熱・熱狂・覚悟、そして狂乱がビシビシと伝わってくる一冊。『動画2.0 - 明石ガクト』【書評】

明石ガクト 著『動画2.0 VISUAL STORYTELLING』 本著をひとコトで表現するならば、「動画というものを通じて、これから先の未来はワクワクできそうだぞ」を実感できる一冊。新しい文化の幕開けに感じたあの震えるような興奮が、動画によって再びもたらされる。 動画に懸ける明石ガクト氏の情熱・熱狂・覚悟、そして狂乱がビシビシと伝わってくる。読書体験って、こんなにも体温上がるんだっけ? と思わせてくれる、とにかくエモい一冊です。 今後5年で世界のあらゆるものが動画化

圧倒的な結果にこだわり、熱狂と呼べるほどに「好き」が昇華したとき、人はもはや「好き」に取り憑かれることになる。『たった一人の熱狂 - 見城徹』【書評】

見城徹 著『たった一人の熱狂』 本著をひとコトで表現するならば、「自分のやるべきことに信念を持ち、情熱を注げる本」。狂おしいほどの「好き」と「使命感」が合わされば、人はこれほどまでに熱狂できるのか。 読み進めるうちにどんどん見城徹のファンになっていく自分に気づいた。完全に言い訳を撤廃し、「好き」に突き進む男の姿に嫉妬すらも覚える1冊です。 すべての新しい達成には初めに熱狂が、それも人知れない孤独な熱狂が必ずある。「癒着に染まれ」「野心なんか豚に食われろ」「一撃必殺のキラ

和食以外のショートショートで、お腹をいっぱいにできる。アメリカン・ショート・ストーリーがたっぷり味わえる豪華な一冊。『超短編小説70 Sudden Fiction』【書評】

『超短編小説70 Sudden Fiction』 ロバート シャパード (編集)、 ジェームズ トーマス (編集)、村上 春樹 (翻訳)、 小川 高義 (翻訳) 本著をひとコトで表現するならば、「和食以外のショートショートで、お腹をいっぱいにさせる本」。日本の作家が綴るショートショートとは異なる空気感をたっぷり堪能することができる。 日本のショートショートがすなわちショートショートだと定番化している方は、アメリカン・ショート・ストーリーの味わいに、その概念を少し変えるきっ

未来の日本社会の姿を、圧倒的な説得力で説いてくれる1冊。変わりゆく未来に、自分はどう変わればいいのだろうか。『仕事2.0 人生100年時代の変身力 - 佐藤留美』【書評】

佐藤留美 著『仕事2.0 人生100年時代の変身力』 本著をひとコトで表現するならば、「未来の日本社会の姿を、圧倒的な説得力で説いてくれる本」。人々がまるで他人事のようにぼんやりと捉えている日本の未来像を、数値や事例をもとに明確化してくれる。 これまで何とかやってこれた日本人が、その延長で生き長らえようとするも、それを阻む数多の事実。変わりゆく未来に、自分がどう変わればいいのか。考えるきっかけをくれる1冊です。 一つの会社で一生を終えることはもはや不可能。 究極の個人戦

貯蓄の洗脳・呪縛からの解放。人生は一度きり。貯めることでスケールを萎めてしまうのではなく、楽しむことに投資し、大きなリターンを得よう。『あり金は全部使え - 堀江貴文』【書評】

堀江貴文 著『あり金は全部使え 貯めるバカほど貧しくなる』 本著をひとコトで表現するならば、貯蓄の洗脳・呪縛からの解放。万が一のことが起きたときのための貯蓄と言うが、じゃあ万が一のことが起きた後は? 貯める思考で生きてきた人間は、その後、どうやって生きながらえて行くのか? 人生は一度きり。貯めることでスケールを萎めてしまうのではなく、楽しむことに投資し、大きなリターンを得る。『使うこと=失うこと』ではなく、『使うこと=得ること』という思考にシフトするための、学びとなる1冊

エッセイをも文学作品化させる町田康の恐ろしいほどのエンタメ性。簡単に言うなら、めっちゃおもろいエッセイ。『テースト・オブ・苦虫3-町田康』【書評】

町田康 著『テースト・オブ・苦虫3』 本著シリーズほどリラックスして読めるエッセイは他にないだろう。そしてクスッ、いやニマッと笑いながら読み進められるエッセイは他にない。 町田康の生き方がそうさせるのか、生き様がそうさせるのか、それともこれこそが文学なのか。自虐の中にも自愛あり。彼の眼には、確かに我々とは違う何かが映っている。 本当のことに、少しばかりの嘘をまぜ、黒中にさらに広がる苦虫の味。「僕は心配性」「極悪なメール」「ミックススタイルで不況をのりきりなはれ!」「真面

これからのビジネスでの勝ち方、ゲリラ戦。本著は戦い方の指南書。インターネットやSNSを駆使したゲリラ戦の心得なしで戦場に出るにはあまりに危険なので、船出の前にぜひこの一冊。『ビジネスで勝つネットゲリラ戦術【詳説】- えらいてんちょう』【書評】

えらいてんちょう著『ビジネスで勝つネットゲリラ戦術【詳説】』 本著をひとコトで表現するならば、これからの時代における個人での戦い方、少数での戦い方、インターネットやSNSを駆使して戦うゲリラ戦の心得が学べる一冊。金がない? コネがない? 能力がない? だとしても今の時代、戦う方法も武器もある。 ひとりで戦うなんて、しょぼくて無理だろう? とハナから諦めを感じたり、正規軍相手に戦い方が思いつかない人にオススメの一冊です。 「金なし・コネなし・能力なし」それでも問題なし!