『ざつ』 お気楽TRPG日記34。D&DからTRPGの歴史とか、仙台でザ・ループTRPGとかシャドウランとかクトゥルフ神話の話をしたよ。
概要:還暦間際のTRPGデザイナー、朱鷺田祐介(ときた・ゆうすけ)が適当なことを『ざつ』に書くエッセイ。だいたい、TRPG関連の思い出とか雑談とか、シナリオ作成やGMの裏話。今回は、TRPGの歴史と仙台でのイベントを中心に色々。
ダンジョンズ&ドラゴンズとか、TRPGの歴史とか
先週からゲーム学校の「ゲーム研究」の授業がTRPGに突入。
最初のRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」が誕生したのが1974年。もう47年前! 後3年で半世紀かよ!
ゲイリー・ガイギャックスらが、騎士同士が戦うゲームを作っていたところに、1970年代のファンタジー・リバイバルが起こり、『指輪物語』のペーパーバックが出てブームになり、たぶん、こんな会話があったんじゃないかと愚行するところ。
「『指輪』みたいに、迷宮探検に騎士を放り込んだら、面白くねえ?」
「でもさ、シミュレーション・ゲームみたいに地形見えてたら、迷宮探索のワクワクがないだろう?」
「じゃあ、ダンジョン制作担当を分けようぜ。
俺たちは騎士作って挑戦する!」
「いやまて、『指輪』みたいに、盗賊とかエルフとかぶっこもうぜ!」
そうやって誕生したD&Dは大ブームになり、「おいら、D&Dを無限にやりたいぜ!」とか言って当時、誕生したばかりのAppleのPCで、ダンジョン攻略ゲームをプログラムしたのが当時、大学生のロバート・ウッドヘッド。
これが『ウィザードリィ』である。
なんかすげえ、『ざつ』な解説だ。
…という訳で、授業ではダイス振りだけ3版に修正したクラシックD&Dっぽい何かで、1レベルのキャラを作ってゴブリンの巣穴にダンジョンアタック。クラスは赤箱に従い、ファイター、クレリック、シーフ、マジック・ユーザー、エルフ、ドワーフ、ハーフリング。
なぜ、ホビットでないか、というと、ホビットはトールキン先生のオリジナル種族なので、勝手に使えない訳ですよ。勝手に商売に使うと、トールキン財団に怒られます。映画の登録商標でもあるので、ワーナーにも怒られます。割としゃれにならない。この辺、ビホルダー問題と合わせて、ゲームクリエーターに知っておいてほしい雑学。
少し多めにお金を渡して、頑張れば、フルプレート買えるようにしましたが、所詮、1レベル。死ぬ時は死ぬ。落とし穴に落ちて死んだシーフが2人。ゴブリンにモーニングスターで殴られて死んだファイターも何人か。
最初に言ったやろ?
「その装備で大丈夫か?」
今でも、役立つ「エル・シャダイ」。
そして、大半の説明が、「アニメの『ゴブリン・スレイヤー』は見たな?」で解決する2021年のありがたさ。ちょう『ざつ』。
マジックにD&Dがやってくる!?
そんな話をしていたら、ついに、TCG「マジック:ザ・ギャザリング」に、D&Dがやってくる日が来た。『ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ:フォーゴトン・レルム探訪』は初のD&Dコラボ・エキスパンションである。
タイトル通り、D&Dの有名なワールド設定「フォーゴトン・レルム」の世界をマジックで冒険していくのだ。
何とエキサイティングなことか。
90年代、MtG世界大会の際、当時のピーター・アドキソン社長のTSRを救済するという発表を聞いたあの日から20数年。ついにこの日が来たんだな。
ピーターも、もともとはTRPG好きが高じてガレージメーカーでTRPGを作っていた(最初はボーイングのエンジニアと兼業)。マジックで財をなし、恩返しのつもりで危機のTSRを買ってWotCに加え、それが3版以降の発展につながった。TSR買収の件をパーティで意気揚々と発表した後、ピーターはこう付け加えた。
「昔、僕もエルフの女戦士をプレイしていてね・・・」
おい、お前もか!と、会場の古参ゲーマーたちが爆笑した。
もちろん、商売抜きの判断じゃないことは、その後のD&Dの隆盛を見れば、よく分かる。TCG開発陣を加えたことで、第3版以降のD&Dはかなり美しいシステムになり、用語定義が洗練され、遊びやすくなった。
まあ、お互いのファンがイコールではないので、そこで心配する向きもあるだろうし、すでに公開されたカードの中には、ゲームブックの一パラグラフみたいな文章が名前になったカードがたくさん出ていますので、どうするんじゃろうとは思いますが、ビホルダーとか、D&Dのモンスターが使えるのはそれはそれでよいかと。
ビホルダーの殺人光線は-11/-11の修正だって!
何、その『ざつ』な、愛らしい修正値。
7/4 仙台TRPGシナリオ販売会
…という訳で、この前の日曜日、7/4は仙台のAERで開催された「第一回TRPGシナリオ販売会」というイベントにゲストとしてお呼ばれし、トークショーをしてきました。感染防止対策として、会期を3つに区切り、人員を入れ替えするので、入れ替え待機時間に、トークショーを聞いてもらうという段取り。おかげで30分の枠を4回。
1コマ目は「ザ・ループTRPG」。原作やドラマのPV、イラスト紹介サイトなどが存在するので、それを見ていただきながら、世界観を解説。Fria Liganのサイトも面白いですよ。
2コマ目は「シャドウラン」。お約束の第六世界ギャグを交えつつ、世界観を紹介し、「ラン&ガン」の宣伝をする。今後は、基本サプリの翻訳を中心に5thのサポートをしていきます。どこかで、Role & Roll掲載のワールド情報とかもまとめたいところ。
3コマ目は「クトゥルフ神話とラヴクラフト」。私はアーカム・メンバーズの一員ではないので、クトゥルフ神話TRPGのお話はできませんので、『クトゥルフ神話ガイドブック』の成り立ちとか、『比叡山炎上』のお話を。
実は、7/4はラヴクラフトにとって重要な日付です。
ちょうど100年前の1921年7月5日。ボストンで開かれたUAPAの大会で、ラヴクラフトは将来の妻となるソニア・H・グリーンと出会ったのです!
当時、マンハッタンの高級衣料品店の重役だったソニアは、ラヴクラフトのために豪華な同人誌「The Rainbow」を創刊。1922年の2号目には「セレファイス」が掲載されます!
4コマ目は「朱鷺田の部屋」。某番組のごとくゲストと対談ということで、当日来場されていた冒険企画局の河嶋陶一朗先生に急遽、登壇いただき、ぶっつけの対談を。30分前に出演依頼とか『ざつ』ですいません。快く引き受けてくれた河嶋陶一朗先生に感謝。
今回は、前日入りで、牛タンとか、莫久来(ばくらい、ほやとこのわたの酒盗)とか、せり鍋とか、ずんだシェイクとか、美味しいものを食べまくる「食い倒れモード」で仙台を満喫、主催者が教えてくれたお店は全部美味しかった! おかげで、すごい勢いで日本酒飲んでしまった。
仙台美味い。ちい、覚えた。
いつもながら、『ざつ』なオチですまぬ。
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