見出し画像

6月の化石 ザ・ループTRPGリプレイ

解説:グラフィック社刊行「ザ・ループTRPG」のリプレイ記事、実際のゲームの様子を元にした読み物です。(無料)

text :朱鷺田祐介 Illust:桐部ゆき

ザ・ループTRPG(グラフィック社)


第一回:キッドの誕生


OP:6月の花嫁(ジューン・ブライド)

 
 6月のメーラレン湖は短い夏を祝うように、多くの花が咲く。蜜蜂は蜜を求めて飛び交い、小鳥が鳴き交わす。
 短い夏は恋の季節だ。
 大人たちは蜂の巣から集めた蜜で、蜂蜜酒(ミード)を醸す。そのまま秋まで熟成させて、10月末のサマン祭(ハロウィーン)に飲み尽くすのだが、それにはひとつの例外がある。結婚式だ。若者が結婚するとなれば、蜂蜜酒を贈るのがお約束だ。そう、蜜月(ハニームーン)だ。
 これは、結婚式から始まる、恋と夢と冒険の物語だ。

■リプレイ開始!


 某月某日都内某所。私、朱鷺田祐介の呼びかけに答えて4人のプレイヤーが三々五々やってくる。

 まず、最初に現れたのは、蝸牛くも。TRPG大好きなライトノベル作家。代表作「ゴブリンスレイヤー」で、ゴブリンを殺したり、ゴブリンと戦ったりする小説を書いている。朱鷺田が翻訳監修している『シャドウラン』が大好きとのことで、ありがたいことです。

蝸牛:『ザ・ループTRPG』はやってみたかったので、いい機会です。ルールブックも買っちゃいました!
朱鷺田:まいどあり!

 次にやってきたのは、BakaFire。ボードゲームデザイナーで、代表作「惨劇RoopeR」は、この度、10周年を迎えたところ。

BakaFire:TRPGやりたかったんですよ! ちょうど手も空いたし。
蝸牛:いいなあ(締切に追われるライトノベル作家)
BakaFire:蝸牛さん、やる夫スレ読んでました!
蝸牛:うわあ(笑)

 業界狭い。超狭い。

 次は、インコグ・ラボ所属の女性デザイナー桐部(とうべ)ゆき。ページもデザインするし、TRPGのシナリオも書く。今回は唯一の経験者である。

桐部:「マッドサイエンティストの四季」に参加しました!
朱鷺田:あの時はありがとうございました。
BakaFire:後は?
朱鷺田:柴田勝家さん。
桐部:戦国武将?
朱鷺田:SF作家ですよ。「アメリカン・ブッダ」は面白いですよ!
BakaFire:どんな人?
蝸牛:見れば分かります(面識あり)。

 そして、最後に現れたのは柴田勝家。
 歩いてくる姿を見て皆納得した。
 スーツなのに、戦国武将に、いや、柴田勝家にしか見えない。

朱鷺田:どうも今日はありがとうございます。

柴田:いえいえ、こちらこそ。TRPG仲間から感謝のメッセージを預かっています。「『比叡山炎上』を遊び尽くしています、ありがとうございます!」

 デレマスPとしても知られる柴田勝家さんは、TRPGも大好きで、拙作「クトゥルフ神話TRPG 比叡山炎上」を遊んでくれている。
 キャラは当然、柴田勝家。
 いや、どこまでサービス満点なのか!

 かくして、全員揃ったので、某ゲーム・スペースへ。

■まずは、ゲーム説明。

 「ザ・ループTRPG」は、原作物である。

「ザ・ループTRPG」の原作も、グラフィック社から刊行中!

 スウェーデンのアーティスト、シモン・ストーレンハーグのグラフィック・ストーリーが原作で、1980年代のスウェーデンが舞台。首都ストックホルムから50キロほど離れたメーラレン湖の中に浮かぶ三つの島、スワットショーランデット、ムンセー、アーデルセーが舞台。この田舎の島に、1960年代に、円形粒子加速器を中心とした最先端研究所、通称「ザ・ループ」が出来た。直径25キロもの円形粒子加速器は当時、世界最大であり、ザ・ループで研究するために世界中から、トップランクの科学者が集められ、この島にやってきた。島に住んでいたのは1万人ほどで、ザ・ループは新たな雇用や仕事を生み、島の人々と研究者たちは親しんでいった。

 それから20年、ザ・ループでの何を実験しているかは、よく分からない(時間と空間の性質を調べている、と言われてもねえ)が、研究所の周辺にはザ・ループが生み出し、失敗したために放棄した様々な残骸が転がるようになった。ザ・ループが出来たおかげで、地磁気で飛ぶマグネトリン船が飛来するようになったし、日本人が作った二足歩行型ロボットも珍しいものではなくなった。ザ・ループの周囲では色々不思議なことが起こり、それらはザ・ループのしわざだという者もいたが、島の住人たちにとって、それも日常の一部だった。

蝸牛:SFだなあ。
柴田:だいたい、何かあったら、「ザ・ループ」のせいに出来るのはいいな。
桐部:マグネトリン船が空中を飛んでいるのは燃えますよぉ。
BakaFire:ロボットは日本製なんだ!


ザ・ループTRPGの舞台となるスウェーデン、メーラレン湖地方


朱鷺田:今回の舞台になるのは、メーラレン湖地方の中でも比較的大きな村、ステンハムラ。住人が数千人。何しろ、学校があって、警察署や図書館があって、ピザ屋がある!
柴田:ピザ屋! 都会だ!
朱鷺田:もともとは、農業と漁業で暮らしていた。ここ20年は「ザ・ループ」およびその関連のハイテク企業が重要な就職口になっている。住人の1割弱が、「ザ・ループ」で働く。その中にはスウェーデン各地からスカウトされてきた科学者や専門技術者が含まれている。
蝸牛:依存している。
朱鷺田:このステンハムラという村の名前は英語で言えば、ストーンハンマー。近くに古い石切場があって、20世紀初頭まで稼働していましたが、今は閉鎖されています。
柴田:子供が探検に行きそうな場所ですね。
朱鷺田:という訳で、今回のテーマは、「化石と石切場」です。
蝸牛:化石探し、いいなあ。

朱鷺田:そんな世界で、皆さんが演じるキャラクターはキッド。10-15歳の少年少女です。スウェーデンの場合でもほぼ小学校と中学校に当たる基礎学校の後半になります。

■ザ・ループTRPGの原則

 まず、「ザ・ループTRPG」には6つの原則があります。

1.みんなの住む街は、奇妙で不思議なことに満ちている

2.日々の生活は味気なく容赦がない

3.大人たちは役に立たない

4.ループの地は危険だが、子供たちが死ぬことはない

5.このゲームはシーンごとに区切ってプレイされる

6.世界はみんなの協力により描き出される

柴田:大人は役に立たない(笑)
蝸牛:ジュヴナイルだなあ。
朱鷺田:そして、キッドは死にません。
BakaFire:面白いですね。
朱鷺田:それなので、いわゆるHPもないし、戦闘ルールもありません。
蝸牛:コンディションがそれの代わりですか?
朱鷺田:ええ。何かペナルティを受けることになったら、いずれかのコンディションにチェックを入れてください。「くじける」は最後になります。ここにチェックが入ったら、もう行動不能。
BakaFire:回復は?
朱鷺田:「拠り所」のところに行って、エブリデイ・ライフのシーンをプレイすると全快します。
蝸牛:ママに電話するとか?
朱鷺田:ええ。

■キャラ作成開始

 キャラクター作成は簡単。まず、個人で決めることが以下だが、ここはみなでわいわいやりながら、話し合いつつ、決めるのがよい。

■キッド作成の手順

1:タイプを選ぶ。できるだけかぶらないようにする。
2:10-15歳までの範囲で年齢を選ぶ。年齢が能力値に割り振れる数字となるので、タイプに合わせて、1-5の範囲で割り振る。
3:15-年齢が幸運点となる。これは振り直しに使える。15歳なら0。

 なお、このゲームでは16歳になるともうキッドではなくなり、引退することになるので、注意。

4:10点を技能に割り振る。タイプの主要技能は最大3点まで、その他は1点だけ。
5:名前、動機、拠り所、悩みごと、プライド、外見描写、好きな曲、アイコン・アイテム、NPCを決める。それぞれ、タイプに参考例があるので、そこから選ぶとよい。

 そのあと、自己紹介をしてから決めること。

6:他のキッドとの関係
7:秘密基地
8:全体に質問をしてグループの雰囲気をまとめていく。

 5で決める項目の多くはタイプごとにそれらしい選択肢が用意されているので、それを選ぶだけでよい。

タイプの実例(グラフィック社サイトより)

名前:タイプごとに典型的な名前が男女別に、スウェーデン人名とアメリカ人名で例示されている。
動機:行動原理。これもサンプルあり。
拠り所:大事に思っているキャラクター。大好きなおばあちゃんとか。サンプルあり。コンディションの回復には、この拠り所とのエブリデイ・ライフのシーンをプレイする。
悩みごと:キャラクターが悩んでいること。これもサンプルあり。
プライド:キャラクター自身が自分の強みと思っていること。1回のゲームで1回、自動成功1個を購入できる。これもサンプルあり。
アイコン・アイテム:キッドのトレードマークになるアイテム。これを使って行動すると、ダイスが2つ増える。サンプルあり。
NPC:メーラレン湖地方にいる人々との関係性をタイプごとに列挙したサンプルあり。自由に創作もできるが、選んだ方が被って面白い。

 以下は自由に決めるところだが、困ったら、参考に出来るものは多い。

外見描写:これは自由に決めてよい。困ったら、タイプのイラストを描写しよう。
好きな曲:これは自由に決めてよい。困ったら、ルールブックP.20の「80年代の名曲10選」やP.16の「80年代の名画10選」を参考にするとよい。日本版もP.195-197にあるので、コンピュータ・ギークはこれを使ってもいい。エブリデイ・ライフのシーンのBGMとか考えると面白い。

 その後、自分たちで、「秘密基地」を決めて、いくつかの質問に答えると完成。

■タイプを選ぼう!

 「ザ・ループTRPG」には、8種類のキッドのタイプがあり、これを選ぶことで、キャラの基本方針が決まる。

蝸牛:タイプに有利不利はあまりないんですね。
朱鷺田:得意なジャンルはありますが、個性の方が大きいので、自分のロールプレイしやすいものを選べばいいと思います。タイプはかぶらないようにしてください。「ザ・ループTRPG」はSFジュヴナイルなので、よく、科学ネタが出てきます。全員脳筋だとこれが解決できない。

▲注意!▲

『ザ・ループTRPG』は、1980年代の架空のスウェーデンを舞台にしているため、現在とはかなり文化が異なります。そのため、一部には、現代だとちょっと差別的、あるいはハラスメントに当たる表現もあります。世界観を再現するために、そのまま、使用していますが、差別を助長したり、特定個人を攻撃したりするものではありません。

▲囲み終わり▲

朱鷺田:困ったら、自分の子供時代を思い出してみるのもいいでしょう。
蝸牛:自分の子供時代は「本の虫」でしたね。
朱鷺田:「ザ・ループTRPG」では、シナリオの本筋を「ミステリー」、その前後にはさまる日常を「エブリデイ・ライフ」と呼び、各シーンを交互にやりますので、シーンが思いつきやすいのがいいですね。「本の虫」なら、図書館に行くとか。
蝸牛:もう少し考えてみます。他の人は?
桐部:変人、やろうかな。
朱鷺田:前回は何やっていたっけ?
桐部:田舎者でした。トラクター乗ってぶいぶい言わせていた。
蝸牛:それ、プレイしやすそうですね。今回は脳筋系で行くかな。じゃあ、運動部員で行きましょう。
柴田:このロッカーに惚れましたね。これがいい! なんかあったら、エレキギターを弾く!
BakaFire:パワー系はいるから、じゃあ、私が科学系ということで、コンピュータ・ギークをやりましょう。ちょっとこじらせた設定を思いついた。

■年齢、能力値、技能


 次に決めるのは年齢。

BakaFire:年齢は少し高めで、でも、15歳まで行くのはなあ。13歳。
蝸牛:私も13歳にしましょう。同じクラスな感じで。

 そもそも、総人口が1万人を割るようなメーラレン湖地方には学校が少ない。学年1クラスぐらいの感じでキッドたちはだいたい知り合いになる。

桐部:前回、年上組だったから、今回は少し若い感じにしたいな。11歳。運動部員さんの妹分みたいな感じで。
柴田:孤高のロッカーは中二病ということで、14歳にしよう。

 年齢が決まったら、これを4つの能力値に割り振る。最低1、最大5。

【ボディ】肉体系
【テック】技術系
【ハート】対人関係
【マインド】知力系

朱鷺田:実際に判定する場合は、【能力値】+《技能》個のD6(6面サイコロ)を振り、6が1個でも出れば、成功。もっと多いと、よりよい成功になったり、他の人を手助けできたりします。出なかった場合も、その行動は取れたけれども、何かトラブルが起きた、という感じに処理する。
桐部:得意な技能と合わせたいね。
朱鷺田:技能に割り振れるポイントは年齢に関係なく10点。タイプごとに主要技能が3つあって、これには技能値が3点まで割り振れる。そうでないと、1点だけだ。
BakaFire:私はコンピュータ・ギークだから、主要技能は《分析》《プログラム》《理解》。対応する能力値は【テック】と【マインド】か。
 じゃあ、【テック】5、【マインド】4、【ボディ】3、【ハート】1。
 技能は、《プログラム》3、《理解》3、《分析》2、《隠身》1、《機械いじり》1。
朱鷺田:【ハート】1がこじらせた感じだ。
BakaFire:ところで、この世界のコンピュータって、どの位、進んでいますか?
朱鷺田:現実より少し進んでいますが、家にある民生用は、まあ、Windowsまでは行ってない感じで。家に置いておいて使うデスクトップタイプで、もう少しでラップトップという言葉が出てくるかも。外に持ち出すなら、プログラム電卓ですね。インターネットの原型はありますが、一般人はまだ使えないし、遅い。携帯電話も業務用の通信機みたいな奴しか存在していません。

 その後、名前、動機、拠り所、悩みごと、プライド、外見描写、好きな曲、アイコン・アイテム、NPCを決める。それぞれ、タイプに参考例があるので、そこから選ぶとよい。また、互いに話し合って、調整してもいい。キッドが兄弟姉妹でもよい。

桐部:名前を選ぶだけなのは楽だわ。いつも検索するのよね。

 名前は以下の通り。

蝸牛:運動部員 →ルイ・アームストロング 13歳
柴田:ロッカー →ジェスティン・ウェーバー 14歳
BakaFire:コンピュータ・ギーク →フレデリック・レンノ 13歳
桐部:変人 →セイラ 11歳

柴田:私はジャスティン・ウェーバー。ジャスティン・ビーバーから取りました。あ、でも、奴、ロックじゃねえなあ。

 ロッカーはだいたい、判断基準がロックか、ロックじゃないか、なので、非常に雰囲気が出しやすい。

柴田:動機は「友達のために立ち上がる」。こいつがロックだ!
蝸牛:何がロックなんだよ!
BakaFire:動機はここ(サンプル)から選んだ方がいいですか?
朱鷺田:自分で作ってもかまいませんが、選んだ方がしっくり来やすいですねえ。
BakaFire:ちょっと友達関係をこじらせたネタにしたいので、作ります。
 最近、昔からの友達から距離を置かれてしまって、本物のトモダチとは何だろうって悩んでいる感じに。

 こじらせている。こじらせている。

蝸牛:動機は「冒険家になりたい」。最近、インディ・ジョーンズを見てしまった。私の拠り所はネコのマカンで……
桐部:アイコン・アイテムがペットのネズミなんで、食べないでーーー。
BakaFire:この4人はどの位の関係?
桐部:秘密基地を共有するぐらい。
蝸牛:春日部防衛隊ぐらいですね。

 「クレヨンしんちゃん」の劇場版は、「ザ・ループTRPG」にとって、よいシナリオソースです。

朱鷺田:この島は小さくて、全員が顔見知りなぐらいですが、中でもあなたがたは、放課後を一緒に過ごすような関係です。
桐部:この娘は、悩み事が「クラスでいじめられている」なので、この仲間ぐらいしか一緒にいられない。そういう関係。
BakaFire:僕のキャラも、いじめられている設定にしなくてよかった。
蝸牛:悩み事、「運動部員」は「勉強ができない」にしよう。
 私の【テック】1、【マインド】2なので、勉強は分かりません。
桐部:勉強は、お兄ちゃんには期待してない。

朱鷺田:運動部員がやっているスポーツの種目は?
 イラストはアイスホッケーですが、それ以外でもかまいません。
蝸牛:野球にしましょう。
朱鷺田:アイコン・アイテムはバット?
蝸牛:そこは、試合で活躍したので買ってもらったMBX自転車で。

BakaFire:13歳って中学1年?
朱鷺田:スウェーデンの基礎教育は7歳になる年に入学して9年間なので、日本で言えば、小中一環学校ですね。13歳は7年生、14歳は8年生、11歳は5年生。みんな同じステンハムラの基礎学校に通っています。
 そもそも、島が小さくて人口も少ないんで、みんな知り合い。
桐部:誰が誰かはだいたい分かっている。田舎の閉塞感だねえ。
柴田:●●さんと●●さんが結婚するんですって! という話を全員が知っている。
朱鷺田:はい、その通り。今回も、季節は6月。結婚式から始まります。
 あなたがたの学校の先生がループの若手研究員と結婚しますので、みんな参列することになります。教会での式の後、そのまま、教会の庭でお披露目パーティ、生徒たちはお祝いの歌を歌います。

柴田:オレの出番か!
一同:いや、待て。
柴田:オレは、拠り所が音楽の先生なので、彼女が止めてくれたら、諦めます。

 ここで、音楽の先生が結婚しちゃうと、ジャスティンが失恋の歌を歌いそうですが、結婚するのは数学の先生ということで。

朱鷺田:プライドはキャラクター自身が自分の強みと思っていること。1回のゲームで1回、自動成功1個を購入できる。これもサンプルがあるので、選ぶとそれっぽくなります。

蝸牛:「オレはやれば出来る子なんだ!」
桐部:うんうん、ルイはやれば出来る子。

 キャラ作成の段階から、少しずつロールプレイが始まります。

蝸牛:NPCの関係、運動部員の事例がどれも悩ましいですねえ。
 最後のオリヴィアさんは明らかに、人体実験じゃないですか?
朱鷺田:でも、それを引き受ければ、学校の成績はなんとかしてくれるようですよ?
蝸牛:悩み事が「学校の成績が悪い」だからなあ。
朱鷺田:NPCは、キャンペーン・シナリオ「マッドサイエンティストの四季」の関係者だったり、シナリオフックであるミステリー・ランドスケープに紐付いていたりします。好きなものを選んでくれれば、セッションのネタに加えます。

BakaFire:アイコン・アイテムって?
朱鷺田:そのキャラクターを表すようなアイテムで、それを使うと、判定のダイスが2個増えます。例えば、コンピュータ・ギークの場合は、コンピュータ、ポケット電卓、おもちゃのライトセーバーが例に挙がっていますねえ。
柴田:おもちゃのライトセーバーは、なかなかロックだな。

 ちなみに、「ザ・ループTRPG」日本語版の版元、グラフィック社さんからは『STAR WARS スター・ウォーズ ライトセーバー大図鑑』が出ております。宣伝でした!

BakaFire:その路線で行こう。日本製のロボットの名前から取りましょう。イワサカ・スパイダーのフィギュアで! 名前が可愛いな。

 イワサカ・スパイダーは、日本企業が自衛隊のために開発した多脚型偵察ロボットで、民生用にも生産され、ザ・ループ周辺では、環境への影響を監視しています。水中での活動も可能。

イワサカ・スパイダー 探査ロボット

蝸牛:明らかに「攻殻機動隊」の世界ですね。
BakaFire:蜘蛛型多脚ロボットって、それ以前よりありますよね。
朱鷺田:「太陽の牙ダグラム」のクラブガンナーとかありますが、一般的になったのは、「攻殻」の影響だと思いますね。
BakaFire:スパイダー、かっこいいですね。これは上がる。

 原作の画集には、これを農業用に転換しようとして、ザ・ループから13機買った地元農家がいるんですが、運用コストが高すぎて、そのまま、畑に放置してした、という話もありますが、それはそれで、いい風景なのですがねえ。

 外見描写は好きにしてもらい、後は好きな曲。

桐部:好きな歌、いつもここで悩む。
蝸牛:1980年代の歌かあ。
BakaFire:さすがに知らないですね。
朱鷺田:そんな場合のために、P.20に1980年代の名曲10選が!
柴田:これ、生まれた年ですね。

 ここで、参加者全員が80年代後半生まれと分かり、「時の涙」を見た。

朱鷺田:困ったら、マイケル・ジャクソンか、ヴァン・ヘイレンにしておくといいですね。日本だと、ナウシカ、魔女の宅急便、ボトムズ、キャプテン翼あたりです。
蝸牛:(日本の方の年表を見ながら)ファミコン発売! 時代ですねえ。

■キッドたちの自己紹介:

■コンピュータ・ギーク:フレデリック・レンノ


 かくして、出来上がったキャラクターたちの自己紹介。

 キャラシートは、Excelファイルで御覧ください。

BakaFire:フレデリック・レンノ。13歳の少年。コンピュータ・ギーク。今年になってなんだか、友達だと思っていた仲間と疎遠になってしまい、トモダチの定義を見失い、悩んでいます。割とこじらせていて、イワサカ・スパイダーのフィギュアを常に持っていて、話しかけたりしている。心の拠り所は、コンピュータの中にいます。
桐部:こじらせている。
BakaFire→以下、フレデリック:プライドは「本当のトモダチのためには立ち上がる」!
 でも、トモダチの定義は見失っている。【ハート】は1です。

 色々オチがついている。

朱鷺田:NPCとの関係は?
フレデリック:あ、忘れた。
朱鷺田:サンプルの中から二つ選ぶといいですよ。それだけで、この世界とつながりが出来る。
フレデリック:トモダチはいない設定にしたいけれど、じゃあ、下二つで。
朱鷺田:ざつだが、まあ、それでいい。これらは、後で使えるシナリオフックとなる。

・「かの最悪のティーンエイジャー、ペーテルの悪夢をみんなが見ているようだ」

朱鷺田:嫌われ者のペーテルは、ドリームキャッチャーとかを売っているニューエイジ・ショップの息子だが、最近、みんなの夢になぜかペーテルが出てくるという怪現象が起こっている。
フレデリック:ホラーですな。

・「友人のエリザベスが暗号解読プログラムを作成した(以下略)」

朱鷺田:これは、1980年代スウェーデンが、冷戦下にある中立の社会主義国家ということを考えると色々変わってくる。どっちかと言えば、ソ連嫌いなところがあるが、自由主義でもなく、NATOにもワルシャワ条約機構にも属していない。
 そして、ゲーム的には、あなたにとって、数少ない「友人」だ。
フレデリック:彼女は信じられるが、他の仲間は、いつどうなるかわからない。
朱鷺田:こじらせているなあ。

■運動部員:ルイ・アームストロング


蝸牛:ルイ・アームストロング。運動部員で13歳。男子。野球部員。
「オレは勉強が出来ない。冒険家になりたい。インディ・ジョーンズが好きだから。でも、勉強が出来ない」
朱鷺田:悩み事は「勉強が出来ない」。プライドは?
蝸牛→以下ルイ:「オレはやれば出来る」
 両親からは野球で活躍したお祝いに、MBXを買ってもらったりしているのですが、勉強やれと言われるのが嫌なので、拠り所はネコのマカンです。
桐部:私、ネズミ、飼っている。
ルイ:NPC関係ですが、まず、野球部のチームメイトが全員変な夢を見ていて、ペーテルが出てくる。
フレデリック:お? ペーテル、大人気。
ルイ:でも、オレは頭が悪いから、自分は見てない。
 後、最近、イングマリーという婦警さんがやってきて、ボートを貸しました。「あ、きれいな人だなあ」と。

 イングマリー・ブランケンはステンハムラ警察署の捜査部門にいる若い女性警官。結構、有能な人なのですが、色々抱え込んでいます。

■変人 セイラ


桐部:名前がセイラです。変人。11歳の少女。
 動機は「変わったものが好き」。悩み事は「学校でいじめられている」。たぶん、外見が奇抜というのもあるんですが、挙動不審で、目がきょろきょろ落ち着かない。そこはプライドにもつながっていて、「私は異性愛者ではない」がプライドなので、女の子を見るとドキドキしちゃう。時期的にももう女の子は成長が早いですからね。
朱鷺田:女の子と男の子の意識の成長具合はかなり違いますねえ。
桐部→以下セイラ:このメンバーは年上の男の子ばかりなので、居心地がいい。外見描写は、変な髪型で、ツーブロック。口紅を塗っているが、似合っていない。
フレデリック:自己パーソナリティとしては、男性に近いのかな。
セイラ:周りの女の子からは「何、あの、こびこび」とか言われる。でも、本人は男の子には興味はなくて、女の子を見ると、どきどきしちゃって目を合わせられない。
朱鷺田:こじらせているなあ。
セイラ:好きな曲はマイケル・ジャクソンの「Beat It」。アイコン・アイテムはペットのネズミで、名前がマイケル。

 こんな感じで、好きな曲でイメージ統一するのもあり。

セイラ:あと、NPCですね。

・ビヨーンによると、ドリームショップで働く友人ペーテルが何か良からぬことを企てているらしい。

ルイ:ペーテル、何をやっているんだ?

・マイサンと名乗る変な女が、クンスベリヤの空き家に住んでいて、この世のすべてを嫌悪しているらしい。

柴田:変な女が出てきましたね。

 まあ、NPCはだいたい変な人です。

セイラ:「拠り所」だけど、ちょっと相談。誰かのパパかママが拠り所になってもらえないかな。この子、ちょっと変な子で、両親はまともなんで、家でもちょっと浮いていて、近所の家にいって、ママとかにかわいがってもらえるのが心の支えみたいな感じで。可愛がってくれる人募集!
ルイ:うちのパパでよければ。
セイラ:じゃあ、蝸牛さんの運動部員、ルイのパパにしていいですか? 
ルイ:いいよ、じゃあ、セイラを妹みたいに思う感じで。

■ロッカー:ジャスティン・ウェーバー


ルイ:今のところ、こじらせたコンピュータ・ギークと、脳筋と、こじらせた変人なので、最後のロッカーがまともに見えるな。
柴田:え、オレ、まとも枠なの?

 戦国武将でSF作家な柴田さん、オチ要員として待機していたのに、まともを要求され、ちょっと困るの図。

柴田:ロッカー。ジャスティン・ウェーバー。14歳の男の子。
 動機は「愛のため」。すべて愛のためにやっている。
 愛=ロック。人生=愛。すべて愛!

 何しろ、中二病が発症するお年頃なので。

フレデリック:うんうん、中二病最高。
柴田→以下、ジャスティン:悩み事は「片想い」。音楽の神への片想い。
 ミューズよ、いつかオレを見てくれ!
ルイ:完全に発症してますね。
ジャスティン:プライドは「友達のためなら立ち上がれる」。すべて愛。
 アイコン・アイテムは当然、エレキギター。ずっと持っている。

 完璧なロッカーである。

ジャスティン:NPCの関係はここから選びます。

・姉が野生生物クラブに入った。それ以来、姉は家族と話さなくなり、夜中にこっそり、家を抜け出している。

ジャスティン:姉貴、どうしたんだ!
朱鷺田:しかし、返事はない。
一同:あーーーー。

 この段階でホラー映画だ。

ジャスティン:二人目のNPCは叔母のレーナ・テリーン。風変わりな科学者。特に好きな訳ではない。
セイラ:あーーー。

 経験者の桐部は色々思い当たるところが……。

ジャスティン:「拠り所」は音楽の先生。
 この先生に音楽を教えてもらった。
 一生、音楽と生きていく。
 でも、【テック】は1。

 残念ながら、「ザ・ループTRPG」に演奏という技能はない。もっとざっくりした分類でしかない。おそらくは、《機械いじり》(【テック】)こそ楽器を扱う技能だろう。しかし、ジャスティンの【テック】は1。

ジャスティン:音楽(ロック)は【ハート】でダイスを振るんだ!
 【ハート】は5! ロックはハートだ!

 柴田さん、ノリノリである。

■人間関係を決めよう


朱鷺田:みんなの自己紹介が終わりました。4人中3人がペーテルに関わっているような気がしますが……
ルイ:チームメイトが夢を見ているようで。
セイラ:ビヨーンからの又聞きよ。

 キャラ作成時のNPCは、ルールブック掲載のキャンペーン・シナリオ「マッドサイエンティストの四季」および、箱庭型のシナリオフックであるミステリー・ランドスケープへの導線になっており、ゲームを盛り上げてくれる。今回は、リプレイ用のオリジナル・シナリオであるが、このメンバーでまた遊ぶなら、ペーテルの事件を解決にいくのもよいだろう。

朱鷺田:ペーテルはさておき、各自、他のキッドへの関係を決めましょう。タイプごとにパターンが用意されていますが、自分で作ってもかまいません。感情は一方通行です。

 皆さんは秘密基地を共有し、放課後を一緒に過ごす関係ですが、そこに感情的な問題があってもかまいません。

フレデリック:この面子が秘密基地でつるむようになったきっかけは何でしょうね?
ルイ:ルイとフレデリックは同い年なので、同じクラスにいて。
フレデリック:私は、進級したところで、トモダチの定義を見失って孤立しています。
ルイ:でも、頭はよいので、成績がよくないルイが「勉強を教えてくれよ」と押しかけてくる。「お前、コンピュータ、出来るんだって、すげえな」
フレデリック:離れていったトモダチのようになるのではないかと疑いながらも、いつの間にかつるむようになった、と。

ルイ:でも、ジャスティンとつながらないなあ。
セイラ:では、その辺は私が。
 私は変わったものが好きなので、ジャスティンがひとりで音楽を奏で続けているのが気に入って、ずっと聞いていたんですね。
ジャスティン:オレは家ではロックが出来なかったので、秘密基地でエレキギターを弾いていたんだよ。
フレデリック:そこで、秘密基地とジャスティンが紐づく訳ですね。
セイラ:で、私は、さっきも言ったように、ルイのパパを心の拠り所にするので、ルイの家の近所に住んでいて、よく遊びに行っていた。
ルイ:うちの両親は、教育熱心ということしか決めていなかったな。

 メーラレン湖地方は、もともと農業や漁業が中心の田舎ですが、そこに、1960年代(ゲーム内世界の20年ほど前)に、ザ・ループが出来て、ヨーロッパ各地から科学者がやってきた。住民の中でも、ザ・ループや関連企業で働く人が多くあり、科学者の家でも地元民の家でも教育に熱心な過程が増えている。

ルイ:両親はザ・ループの研究員ということにして、学者夫婦なのに、出来たのが、この脳筋。でも、【ボディ】5、【ハート】5だからいいでしょ!
セイラ:でも、パパは「女の子がほしかったんだよ」とか言いながら、近所の風変わりな私がやってくると、可愛がってくれる。「あいさつ出来て偉いねえ」とか言われるので、この時だけ、ネコかぶりします。
ルイ:まあ、妹みたいな存在で、学校でいじめられているので、放課後は仲良くしてあげようと。
セイラ:仲良くなったので、ルイを秘密基地に連れていく。そこには、エレキギターを抱えたジャスティンが。

ジャスティン:オレの歌を聞けーーーー。

フレデリック:そうやってつながったら、ルイのトモダチ扱いされているフレデリックも、秘密基地に引っ張っていかれて。
ルイ:家でコンピュータやっているなら、こっちへ来いよ。
フレデリック:いや、私はコンピュータの中のトモダチとはな……
ルイ:そんなところに誰かいるものか、バカなのか、お前は?
フレデリック:ルイにバカ扱いされた、釈然としねえ。

 ルイに引っ張られていくと、そこには、変な格好の女の子と、エレキギターを抱えたロッカーが。

ジャスティン:オレの歌を聞けーーーー!
ルイ:よくわかんないけれど、こいつ(フレデリック)、すごいんだぜ、コンピュータとか使えるんだ! 頭がいいね。
セイラ:コンピュータが出来るってことは、この時代には、まだ珍しいコンピュータ・ゲームとか持っているんじゃない? セイラはそこに興味を惹かれて、フレデリックにも興味を持つ。
フレデリック:へへん、凄いだろう!
 褒められると、悪い気はしないので、少しずつ仲良くなる。こいつらも、他の連中みたいに、とは内心思うのだが、秘密基地なら好きなコンピュータをいじっていても怒られない。

■秘密基地は?


ルイ:ところで、エレキギターって、ことは電気が来ている?
 そもそも、秘密基地って、具体的には何?
朱鷺田:秘密基地は、キッドたちの拠点になる場所として、絶対安全な場所です。これは誰かの家の納屋でも、地下室でもいいです。誰も住んでいない廃屋でもいいし、墜落したまま、廃棄されたマグネトリン船でもかまいません。
ジャスティン:最後のがロックだな。

 これで決まった。

朱鷺田:電気の件は、〈機械いじり〉の技能があれば、マグネトリン船のバッテリーを直してコンセントにつなぐことも出来るでしょう。あと、メーラレン湖地方は、ザ・ループの関連施設やロボットの充電用スタンドが色々な場所にあって、送電線が島中に走っています。そこから盗電することも可能でしょうね。
ジャスティン:電気を盗むって、のもロックだ。
ルイ:ジャスティンのロックの定義が分からないなあ。
ジャスティン:ロッカーの悩み事の一例に、「金を盗んでいて悩んでいる」というのがあり、それと通じるなあと。
フレデリック:私は〈機械いじり〉技能を持っていますので、私がなんとかしたことにしましょう。

ジャスティン:フレデリックは電気をくれた。ロックだ! 

ルイ:冒険家になりたいので、墜落したマグネトリン船を探検するのはやってみたかったんですよ。おい、フレデリック、いくぞ。
フレデリック:あ、もうしょうがないなあ。
 で、行ってみると、変な女の子とロッカーがいる。
「もう、なんだよ、これは?」

ジャスティン:ロックだ!

セイラ:でも、電気事情がよくないので、なんとかしてーーと頼むと。
フレデリック:しかたないなあ、と〈機械いじり〉で直しちゃう。
 この技能は、これで得たことにしよう。
ジャスティン:盗電で培われた技能か。ロックを感じるぜ!

フレデリック:だからロックってなんなんだよ!

ルイ:コンピュータ使えるんだから、電源直せるんだ、すげえ。
フレデリック:違うんだよ。もう勝手なことばかり言いやがって。

■人間関係

 そんな感じで、一同仲良くなり、次は互いの人間関係を決めることに。これは、そのキッドが他のキッドについて、思っていることをそのまま書いておけばいい。関係が変わったら、書き直してもいい。

フレデリック:ルイはバカ、強引なヤツ、どうせコイツも--、でももしかしたら。と期待している。セイラは、パソコンに興味を示してくる。アイツらは無視してきたのに………というトラウマを思い出している。ジャスティンは、ワケわかんないバカ。でも外れているからもしかしたら……と逆に期待しています。全部こじらせているなあ。

ルイ:フレデリックは、スゲエ頭良い奴。セイラは妹分。ジャスティンはよくわかんねえ奴。

ジャスティン:シンプルだけど、ルイっぽい。

セイラ:フレデリックはマニアックなゲームを持っている、ルイの友達。ルイにぃは近所のお兄ちゃんで、ルイにぃのパパがセイラの拠り所。ジャスティンはイケてるロッカー。

ジャスティン:当然だな、ロック!

セイラ:つきつめている人が好き。

ジャスティン:フレデリックは、電気をくれた ロック!
 ルイは、力強い ロック!
 セイラは、孤独なオレの才能を見出してくれた ロック!

朱鷺田:とりあえず、ロックかどうかで判断できるロッカーは最高だ。
フレデリック:だからロックってなんなんだよ!

■仕上げの質問


朱鷺田:では、キャラクター作成の仕上げに、各自に質問をします。
 まずは、これらの質問に一人一人答えてください。

■個人への質問
1:両親は何をしている?
2:きょうだいはいる? どう思う?
3:結婚や恋愛に関して、何か思うことはあるのか?
4:大きくなったら、どんな仕事をしたい?

■ルイ
1:両親は何をしている?
ルイ:ザ・ループでなんかよくわかんねえ難しいことやってる。
あとは、もしかすると子供に「勉強しろ」っていうのが仕事なのかも。
いっつも勉強しろって言う。それ以外興味無いみたいだ。

2:きょうだいはいる? どう思う?
一人っ子。あ、でも猫のマカンは弟みたいなもんかな。
それとセイラ。妹分。

3:結婚や恋愛に関して、何か思うことはあるのか?
よくわかんねえ。運動部はモテるらしいけど、俺はあんま女の子にキャーキャーいわれないし。進学したらなんかかわんのかな? そのために勉強するわけじゃねえけど。

4:大きくなったら、どんな仕事をしたい?
冒険家! 遺跡を探して、冒険するんだ。インディ・ジョーンズみたいに!

※『最後の聖戦』が公開されて「考古学はその七割が図書館内部での調査だ」って言われたらガックリする事でしょう。そして「じゃああとの三割を俺が頑張ればいいんだな!」と復活すると思われます。

■ジャスティン

1:両親は何をしている?
 多分、父親は海外から移住してきた技術者。

2:きょうだいはいる? どう思う?
 姉がいる。嫌ってはいないけど最近は距離感がある。

3:結婚や恋愛に関して、何か思うことはあるのか?
 ロック一筋なので興味ない。でも音楽の先生が結婚するとショック。

4:大きくなったら、どんな仕事をしたい?
 もちろんロッカー。

■フレデリック
1:両親は何をしている?
 普通に仕事をしている。仕事熱心で、世間の平均よりは子供と上手く接せない親なのかも。孤立していそうなのを心配していたが、ルイが引っ張ってくれて安心しているっぽい。

2:きょうだいはいる? どう思う?
 いない。兄弟を通して人間関係を見る機会がなかったのでトモダチの定義に悩む。

3:結婚や恋愛に関して、何か思うことはあるのか?
 まだそれを考える段階にない。恋愛を友情の延長線上にあると思っていそう。友情を過信して裏切られたため、恋愛への憧れは芽生えている気がする。

4:大きくなったら、どんな仕事をしたい?
コンピュータは好きなので、これを活かしたい。それ以上はまだ考えていなそう。

■セイラ
1:両親は何をしている?
真面目に働いています。場所は特に決めていません。ループ関連施設の事務員でもいいですし(ただし技術者ではない)、街のお店の店員とかでも。

2:きょうだいはいる? どう思う?
いません。一人っ子です。

3:結婚や恋愛に関して、何か思うことはあるのか?
セイラは、女の子はかわいいと感じてドキドキしていますが、結婚まではまだイメージがついていないようです。自分のありようを理解してくれる同性を探してるのかもしれないですね。今のところセイラに好意的な女の子はいません。(同級生は良くて、変な子か、無関心です)

4:大きくなったら、どんな仕事をしたい?
服屋の店員さんとか。

■グループへの質問

朱鷺田:みんななかなかいい感じですね。

 もう少し、質問をしますが、これはグループへの質問です。みんな答えてください。答えないのもあり。

1:誰がリーダーなの?

ジャスティン:フレデリック。頭が良いから。
ルイ:俺じゃねえの? いやフレデリックはすげえけどモヤシだし、セイラは女の子だし。ジャスティンは…………ロックだもんな。
セイラ:ジャスティンかなあ。フレデリックは参謀。ルイにいがアタッカー。私はサポート。そんな感じ。
フレデリック:ジャスティン。あいつがワケわかんない勢いで突っ走るから結果としてみんなが集まった、とフレデリックは思っている。

2:グループの中で一番言いたいことを言うのは誰?

セイラ:自分を表現という意味ではジャスティン。感情に素直なのはルイにい。フレデリックはいつもなんかブツブツ言ってる。(大体強引な他3メンバーへの愚痴と自分への言い聞かせだが、よく聞いてない)
 私は黙ってた方がよさそう……って時は静かにしてるつもり。
ルイ:フレデリックかな? いつでもすげえ事いうんだ。
 あとジャスティン。あいつにかかると、なんでもロックになっちまう。
フレデリック:だから、ロックってなんなんだよ!
ジャスティン:ロックこそ愛! 質問の答えはルイだな。あいつは自由に言ってる。

3:君たちが笑う場合、その題材は?

セイラ:フツウじゃないことをしてるとき? 親の言いつけを守らない、いたずらをする(not悪質)、クラスのみんながまだやってない新作のコンピュータ・ゲームをやる、とか。
ルイ:なんか面白いことや、すげえことやったときかな。他のやつがしないような冒険とか。あと、友達が笑ってりゃなんか良いことあったんだろうし、俺も笑うな。
ジャスティン:近隣の人々の事件かな。それがロックなら!
フレデリック:だから、ロックってなんなんだよ!

 かくして、4人のキッドが誕生しました。

 さて、彼らの住むメーラレン湖の島々で起こる事件とは?


(続く)


 次回掲載は1月中盤を予定しております。
 連載は5-6回の不定期掲載の予定。なんとか月2回更新したいところなので、応援よろしくお願いします。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?