見出し画像

燃えよ!ボルシャックドラゴン!

僕が小学生の時にデュエルマスターズ通称デュエマというカードゲームが流行っていた。

僕自身もかなり入り込んでいてスーパーに行っては母に買って買ってと、その時だけ5歳児くらいに戻って懇願したものだ。
そんなデュエマとの出会いは小学3年生だったと思う。近くの川で大量のカードが捨ててあるのを拾ったのが始まり。
今思えばあれはどこかの先輩がやらなくなって捨てたかどうかしたものだろう。

僕はそれを見つけた時ワンピースを見つけたと思った。当時ワンピなどなかったと思うが、ひとつなぎの大秘宝は確かに近所の河原に散乱していた。
それを必死にかき集めて家までダッシュで帰宅。それが僕のデュエマ人生のスタートだった。

デュエマブームは小学6年生の終わり頃まで続いた。
カードは持ち主同士の了承が得られれば交換できるというなんとなくなルールがあった。例えばそのレアのカードと僕のレアといったように。
それが段々と進歩して、カードとポケモン、カードとお菓子と言ったようにカード以外のものと交換できるようになっていった。

そう、通貨の誕生である。

ずる賢さだけ一級品のダーク一休こと僕はポケモンの裏技で伝説のポケモンをバグで増やしそれをカードと交換するということを生業としていた。
当時ポケモンを増やす技を知っているのは数人だけで(僕がwebサイトを調べて伝授した)、コーラの製造方法くらい内密だった。

僕はカードが増えたところで自分の学校で使う計画帳(明日の授業の内容などを書くもの)をカードを渡す代わりに書いてもらおうという発想に至った。

今思うとそんな小学生は気に食わないし、いたらゲンコツものだが当時の僕はというと本人同士が了承してるのなら給料もらって働いている親や先生と一緒では?くらいに思っていた。

それから字が綺麗なT君に毎日依頼して書いてもらっていた。
数週間が経った頃、先生のお呼び出しを食らった。なんと僕の字が綺麗すぎるというのだ。あぁ、もっと汚く書いてもらえればよかったと変な方向に反省していると先生がそのまま親を呼んで公開説教してくれたのである。

母親が到着し、こっぴどく叱られたあとの帰り道にシステム的には給料とかと同じじゃない?的なことを聞いてしまいげんこつをもらったのが懐かしい。

そんなデュエマのブームはある出来事で終わる。
デュエマには各カードに属性(文明)というものが付与されている。火文明、水文明、光文明…etcといった具合に。
僕の大変気に入っていた火属性のレアカードを、それはそれは僕は本当にバカな小学生だったのでストーブで温めるとパワーアップすると思っていた。

ストーブにゆっくりと近づけてみる。。。
カードを伝って熱が指先にもジーンと伝わり、僕はやっぱりこのレアカードも熱によって喜んでらぁ!くらいに思っていた。

ゆっくりとカードを抜くとなんとカードの上半分くらいがないのだ。
あれ、どっか置いてきたっけ?と思いカードをじっとみると焦げ臭い…
あぁやってしまった。
火文明と言いながらも結局は紙だもんなとその時気づいた。

なぜかそれで急に冷めてしまい、カードを全部売ってしまった。
近くのカードショップに持って行くと会計時に帰ってきたのは200円…
なんと僕の思い出は200円の価値だったのだ。その時夢から覚めたかのようにデュエマとは距離を置くことになった。

それから数週間ほどが経ちそのカードショップに行くと僕の売ったカードたちがすごい高値で売られていた。あぁ、大人ってこうなんだと思わされたものだ。
今もなおそのショップのことは許していない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?