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最近の美術展いろいろ…

更新頻度がめっきり減ったのは、ゾンビ道場を書いているからです!
私はある時気づいたのです。ここに漫画を書き続けていると、ゾンビ道場の作業が進まなくなるということに──。

というわけで、ここしばらくで見た展示の感想を書きます。ちなみに全て会期は終わっています。いつも行くのが、ギリギリなんだぜ…。


もじイメージgraphic展 (21_21Design sight)

会場入り口

60〜80年代ころのグラフィックを扱った展示はよく見てきたけど、ほぼコンピューター台頭以降のデザインに絞られていたのが新鮮でした。
歴史を踏まえつつ、デザインの“これから”を見るような感じ。
とはいえ、昭和時代の書き文字やアナログ的な文字が好きなので、今はまたそういうのが増えていて楽しい。

そういう流れを懐古趣味のように思っていたけど、懐古というよりは、「生き返った」という方が、現状に合っているんだろうな。

あと、デモやアピールのためのグラフィックが紹介されてたのもとっても良かった。身近なデザインやイラストと、社会への意識が並列になってるのはすごく今っぽい感じがします。
というか、これを展示のラインナップに入れたという心意気がすごく良いと感じました。

展示作品。選挙投票を促すポスター

ムットーニ・ワールド からくりシアターⅤ (八王子夢美術館)

展示入り口の看板

毛色は違いますが、これもめちゃくちゃ良かったです。
箱の中で展開していくストーリーは、賑やかな作品ほど怪しく、静かな作品は、静かながら光り輝き…。小さな空間で刹那に開催されては止んでいく小さなショウ達に心が震えました。

会場でインタビュー映像が出ていたのだけど、ムットーニ氏が思いの外普通に明るい方だったのがちょっと意外で、勝手に親近感を覚えたり…。ご本人が語り手を務める上演会などもしばしばやっているそうなので、どこかで機会があればぜひ見てみたいです。


私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために (森美術館)


さらに毛色が変わりますが、これもとても良かった!(同じことばかり言う)
環境問題や気候変動に、美術がどのように立ち向かってきたか?と言うことをテーマに作品を集めた展示。作品とその時代における出来事が1950年代からの流れで紹介されていて、とても興味深かったし勉強になりました。
環境と自分のつながりを、視覚、聴覚、触覚で体感する。知識や文字ではわからないことを“感じさせる”のはアートならではの力だと感じます。

谷口雅邦《発芽する?プリーズ!》

また、圧倒的に、環境を壊す側/消費する側である人間として、これらの制作に向かうのはどんな気持ちなんだろうとも思いました。それを作品として結実させようとする気持ち自体に切迫したものを感じます。

しかし展示の最後が、六本木ヒルズ周辺の草木を集めた作品というのは、いささか都合が良すぎでは?という気も!
そこも含めて批評なんだとしたら面白いけど、そういうことではないと思いますね…。

とはいえ、作家の環境に対する願いや切実さ、怒りが感じられる作品が多く、見応えはずっしり。見られてとても良かったです。

それぞれ傾向は違うけど刺激になる展示を続けて見られて嬉しいな。
新しい視点がひらけると、それだけ世界を広く見られる。今起きていることも、過去に起きてきたものも見て、感じて、これからを見ていきたいです。


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