見出し画像

松田陣平を通した友人の死に対する自問自答/問い

最近、名探偵コナンにハマった。もともと映画は好きだったし、小学生〜高校生くらいは頻繁にリアタイをしていた。漫画も時々読んでいた。なのでどちらかというと今更ハマってしまったか、という呆れに近い感情のほうが多いのだが、好きになってしまったものは仕方がないのでサブスク時代への感謝を向けつつ改めてアニメ1話から履修しているところである。そして本当に今更なのだが、コナンのオタクである友人に借りた警察学校編を読んで、ハロウィンの花嫁を数度見て、また読み返して、見返して。おや、と思った。松田陣平。そもそも顔が、キャラデザが好きなタイプ。それでいて、爆処組という運命共同体。

あの2人はやばいぞ、とその漫画を貸してくれた友人に言われた。正直なところ他の方々にすでに心を奪われていたぼくはそうなの?見てみるね?と軽い気持ちで答えてしまった。なんなら、言ったものの検索しなくてもまあいいか、くらいのきもち。でも、軽い気持ちというものはふわふわと浮いて行ったり来たりできるので、軽い気持ちで検索した。もうだめだった。

あれは心中と変わりないと言った友人の言葉が脳裏に過ぎる。遺された松田の4年間は萩原のためにあった。死に直面した時相手のことを考えていたり、してだったらこうする、という思考のもと本当に命が救われていたり。幼馴染で、親友で。「萩」って呼んで「陣平ちゃん」って呼んで。

とかくぼくは、ハマってしまった。

そんなビギナーがすぐに直面してしまったもの。11/7。命日。誕生日も知らないのに命日を知らされているキャラクター。ぼくは喪に伏すように、ずっと目の奥がつんとする気持ちで過ごした。

7年前、萩原が殉職
3年前、松田が殉職

ここから、自分語り。2次元のキャラに聞くことじゃないけれど、どうしても聞きたくなってしまった。二次創作をする意義のひとつとして、実はキャラの皮を一枚被って自分の思想を探るためというのがあるんじゃないかなという自論がある。もちろん押し付けはだめ。解釈違いはNG。でも、例えばキャラを通して自分の思考を執筆するって悪いことじゃない…というか、基本的に1人で書いたらそうなるんじゃないかな。こう、根底には作者の思う、例えば死生観なんかがあるわけで。そう、ここで問いたかったのはね松田さん。僕があなたのことを考えたかったのはね、7年前、あなたがどうしてたのってこと。実体験ばかりが先行して、どうしてもあなたみたいな人が親友を亡くした時にどういうふうになるのかがうまく考えられません。ぼくは、弱いから、慣れてもないし、理解も及ばなくて、子どもみたいにずっと泣いていた。松田さんは、泣くんですか。忘れない姿勢も、日常に萩原さんの姿が常にあることも見てとれるけど、そうなるまでにあなたはどう生きていたんですか。

ぼくは、ひどいから、手紙を書く頻度がどんどん少なくなって、あなたみたいに届かぬメールを送ることもせずに、生活が忙しくなったら途端に目の前のことにいっぱいいっぱいであの子のことなんて頭から消え去ってしまったりします。

ぼくは、幼稚だから、大丈夫?って優しくしてくれる周りの人に反発したりしました。痛かったのは、つらかったのはあの子だったんだよ。僕を心配したってぼくは痛くも何もない。今ここにある感情はあの子とぼくの問題だ。心配なんかで邪魔しないでって本気で思ってた。社会を知らない自分本位な子どもだったんです。でも、今やもうすぐぼくも、萩原さんの殉職した年齢になるわけで、松田さんが萩原さんを亡くした年齢になるわけで。

松田さん、22歳で止まった彼のこと、時を進める自分のこと、悔しかったり、苦しかったり、しましたか。ぼくは、20歳で止まったあの子と、もうすぐ22歳になってしまう自分の、もう縮まらない差が大嫌いです。生きれば生きるほど、広がってしまう差。本当なら一緒に歩んでいくはずだった時間。

萩原さんと、小学生の時に夢物語を描いたりしましたか。ぼくはあの子と考えていました。もう、実現しないねと笑うことも、実現させようかと頑張ることもできない約束。小さい頃の約束、していましたか。

松田さん、天国は信じていますか。3年前の昨日、会えたんでしょうか。それよりも、4年間ずっと、会えると信じていましたよね。届かないメールを送って。見守ってもらっている気持ちでいられたのはなんでですか。信じられないぼくが弱いんでしょうか。亡くなった人の意識が、あるように思えなくて。思いたいのに、魂なんて言われても、眠りについて夢を見ない、あのただ暗闇しかないと思って、あの瞬間、生きているぼくにも魂ってないから、だから。松田さん、これは、あなたたちのような関係性を築いていなかったからですか。もっと毎日一緒にいたら、また何か違ったのかな。

あの子だったらこう考えるかなって思うことが、できなくなりました。そんなの、自分の中で作り上げたあの子だって。松田さんは萩原さんだったらこうするって思えたのは、本当にそうするだろうなって考えたのですか。それとも経験則からの思考の発展ですか。

もうすぐ、2年が経ちます。しばらく書いていなかった手紙を書こうと思います。アニメなんかで、漫画なんかで、そう誰かが思うかもしれないけれど、きっかけがなければ人は何もしないから。ありがとう松田さん。萩原さん。誰かを想って過ごす1日のことを感じさせてくれて。来年もあなたたちのこと考えて過ごしたい日です。そして、3ヶ月後のぼくの大事な日を、抱きしめられるように


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?