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フォクトレンダーカラースコパー21mm F4をSLで使ってみる

M型ライカのファインダーはモデルによっても異なるが、35mmか50mmレンズをつけた時に、最も見えやすいように設計されている。

28mmでファインダー全体を使うようなぎりぎりの見え方になり、21mmとなるとフレームは対応しておらず外付けのビューファインダーが必要になる。

SLはミラーレスカメラなので、レンズの画角がそのままファインダーに表示される。だから、せっかくなのでちょっと広角を使ってみたくなった。様々な候補が挙がるなか目に止まったのがフォクトレンダーのカラースコパー21mm F4だった。

中古で3万円ほどで美品を入手。今回はこのレンズとSL2Sの組み合わせで撮ってみて、写真と共に感想を書いていきます。SLで使う際の注意点も。

このレンズ、コストと品質とサイズのバランスが非常によく、広角の手始めにはすごく良いレンズだと思いました。

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SLボディにMマウントアダプターを介してつけてみたところ。

まず驚くのがコンパクトさとサイズ感。

重さ136g。ズミクロン50mmが240gなのでいかに軽いかがわかる。

以下コシナのオフィシャルより特徴を一部引用しておきます。
(参照:https://www.cosina.co.jp/seihin/voigtlander/vm-mount/vm-21mm4/index.html

画質を徹底的に追求

ミラーのないレンジファインダー方式の強みを生かした対称形設計を採用。画質を最優先した高性能の超広角レンズです。歪曲が極めて少なく、無限遠から近距離まで高性能を維持します。

超軽量コンパクト設計

全長25.4mm、最大径55mm。フィルターサイズはわずかφ39mmに収まりました。重量は136gと軽量で、機動性抜群です。

ボケ味にもこだわった描写性

対称型設計により、前後のボケも非常に素直でなだらかです。さらに10枚の絞り羽根を採用することで、美しいボケ味の写真が撮影できるよう配慮しました。

最短撮影距離は0.5m

当社マウントアダプターを介してミラーレス一眼デジタルカメラに装着すれば、距離計の連動最短撮影距離0.7mを超えて0.5mまでピント合わせが可能。距離計連動方式カメラの枠を超えてさまざまなプラットフォームで高性能をお楽しみ頂けます。

確実なピント操作が可能なマニュアルフォーカス

高い精度で加工・調整された総金属製ヘリコイドユニットと、適度なトルクを生み出す高品質グリースの採用により、滑らかな操作感覚のフォーカシングを実現。微妙なピント調整を可能にしています。

操作性に優れたフォーカシングレバー

バヨネット式VMマウント

レンズマウントにはライカMマウント互換のVMマウントを採用。距離計連動式カメラでの使用はもとより、マウントアダプターを介してミラーレスデジタルカメラに装着した際のデザイン的なバランスにも優れています。

フルサイズのイメージサークル

35ミリ判フルサイズに対応する、余裕のイメージサークルを確保しています。また、一眼レフ用の交換レンズと比較して非常にコンパクトなスタイルを実現しています。

このレンズのポイントはこれらにほぼ集約されている。

開放値F4であることが、コンパクトなサイズ設計を可能にしている。開放値がF4というのは単焦点レンズを常用している方からすると少し暗いかなという印象を受けるかもしれないが、屋外のスナップ用途と割り切れば何も問題はない。絞りの浅いレンズを使用していても、日中はF5.6以上絞ることになるからだ。

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iPhoneの標準画角が28mmなので、それよりも広い視野を手にすることができる。

目の前に見えてる風景がそのまま全て入ってしまう感じ。

35mm〜50mmくらいを常用している方には広すぎる印象を与えるかもしれない。僕自身そうなので、構えて、更に寄るという動きが発生する。慣れてくると、なぜかさくさくシャッターが切れる。おそらくそれは、どこか一点を凝視するということがなくなり、全体をすくい取るようなモードになるからだと思う。


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21mmなりの、周辺光量落ちと収差はあるものの、嫌な感じはしない。

色の傾向もライカレンズで撮ったものと比べても違和感はない。少し再度は低く、ビンテージ感が乗るような気もした。

最短撮影距離も50cmなので、結構寄れる。しかしソニー等の最近のレンズは20cmくらいまで寄れるものが多いので、欲が出てしまう。

ISO感度に頼って無理やり撮ってしまう方法もある。

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このテーブルショットは30cmくらいまで寄って、最短までピントを回し、絞りを16くらいまで絞ったもの。正確に”合って”はいないのだが、これくらいの画素数では見れなくはない。

やはり色のムラ感と周辺光量落ちを、特に画面に白が入ると顕著に確認できる。それを味と捉えるかどうかだと思う。ある意味クラシックなこの出方は僕は嫌いではない。

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SLで使用する際の注意点をいくつか書いておく。

まず、当たり前だが純正ではないのでカメラがレンズを認識しない。

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