爪の癖
爪をむしる癖があった。
いつ始めたか覚えてないくらい小さい頃から、かれこれ20年以上の癖だった。
爪を噛んだりむしるのは自傷行為らしいが、もはやなんの意味もないただの癖で手持ち無沙汰になると無意識にしていた。
爪はボロボロで普通ではありえないくらい短くなっていた。
指や手の形は恵まれている方で「手綺麗だね」とよく言ってもらえていたが、爪は人に見せられないコンプレックスだった。
約20年の間に何度も治そうとしてきたが、結局治せずにいた。
噛む人ならマニキュアを塗って治す、という方法もあるらしい。しかしむしる人は塗っててもそんなこと関係なくむしれる…。
もう治すとか無理なんだろうな〜と諦めていた。このまま一生ちっさいボロボロの爪なんだろうな〜消滅するんじゃないかな〜と思っていた。
それがなんと今は治っている。
去年身内の結婚式があった。
着物を着るからどうせなら綺麗にしたい、せめて結婚式まで爪をむしるのやめてみよう。と決心して3ヶ月くらい頑張った。
いつもなら途中で挫折してもうええわとなるところが、なんとなく続いていつの間にか癖がなくなっていた。
白い爪を見ると歯が浮くような衝動もなくなった。
すごく不思議だ。
なにか良いタイミングだったのか。
小さくなっていた爪は今はほぼ普通になった。
人に見せるのも全然恥ずかしくない。
たまにマニキュアを塗ってみてる。
ただ、爪がある人生がほぼ初めてなもので、肌を引っ掻いてしまいよく怪我をしてる。
伸びるスピードにも慣れなくてこんなに頻繁に切るの?めんどくさと思いながら切ってる。
しかし普通に戻れたのは嬉しく、爪を見ると少し誇らしい気持ちになる。
よかったよかった。
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