沖縄ロス

初めて沖縄にいってきた。仕事の出張先だ。

沖縄にきて思ったことはとにかく空が広いなということだった。東京で空を見上げても高層ビルばかりが目についてしまうが、沖縄の建物の背が低い。だから街中から見える空の面積が多い。たかがそれだけ、かもしれないが人生のほとんどを東京で過ごしてきた自分には感動的だった。ああ、空はこんなにも広かったのかと思わされる。

それに海も近い。国際通りからでも片道20~30分程度も歩けばもうそこには海だ。普段から散歩が好きな自分にはそれくらいを歩くのはなんのコストでもなくて、歩くだけで海に触れられるなんて意味がわからなかった。俺が子供のころに20~30分歩いてもGEOしかなかったぞ。

ちょっと歩けばすぐに波の音が聞こえている。散歩をするときは大体自分の最近の悩み事だったり、好きなことを茫と考えていたりするのだが、沖縄だと気づけば波の音が側にいてくれる。沖縄育ちの人はきっと人生の考えているタイミングにいつも波の音があったのだろうか、なんてことを想像してしまう。たまに「海がない生活が耐えきれない」と沖縄に戻る人がいたりするが、きっとこういうことを思っていたのだろうかと今更ながら勝手に答え合わせをしている。滞在期間こそ短かったものの、夜にはずっとビーチまで散歩をしていた。ビーチで座りながらただただ海を眺めたり、普段やるソシャゲをなんとなくプレイしたりだ。1人で思いふけるのがすきな自分には最高の環境だった。

そんな沖縄から今東京に戻ってきたところだ。空が狭い。見える風景すべての彩度も低い。波なんてものは一切ない。いつもの景色に戻ってきてしまった。これまでの旅先の中で沖縄が1番のお気に入りだなと帰路につきながら考えていた。あまりの沖縄ロスに陥っている。また人生のどこかで絶対に行きたい。

余談だが、沖縄の友人と昔性癖談義をしたときに「いや、俺ホットパンツ大好きで..…」と語っていた記憶があった。実際に自分が沖縄に行ってみると気候も相まって通り過ぎる人の格好が東京に比べて当たり前だがちょっと薄めだった。特に女性なんかはホットパンツ姿が明らかに多く、そりゃこの環境に囲まれてたら価値観の根底にホットパンツがあるでしょうね、と1人で納得していた。


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