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癒しの空間

テーマ: 私の一押しニューヨーク
by On the move 2.0

ニューヨーク、ときどきDIARYさんに記事投稿のお誘いを頂き、冒頭のお題、「一押しニューヨーク」について考えてみた。貴重な機会を頂きありがたく思う。


人それぞれに多様な「一押し」の思い入れがある。興味深いテーマだと思った。

ニューヨークには学生、そして社会人として計14年間住んだ。ニューヨークを離れて早10年以上経つ。最後にニューヨークを再訪したのは2012年の春だ。

私の場合まず思い浮かぶのは、ニューヨーク生活で見つけた癒しの空間。良く通った居心地のいい場所を思い出す。特に癒しパワーを貰っていた場所をリストアップしてみた。


The Met 美術館 (The Metropolitan Museum of Art)
エジプト館の神殿「The Temple of Dendhur」

壁一面の窓から自然光が差し込み、野外にいる様な感覚になる。神殿の周囲を水が流れている(photo : The Met )

・日本美術展示セクションに設計された、イサム・ノグチ作の水を用いた彫刻「Water Stone」
黒光りする石と水面の輝きに癒される。

・同じく隣接する一室(The Metのウエブサイトで情報が見つけられず、現存するか未確認)。展示作品ではなく、椅子に座れる一室で、木調の机と椅子と生け花が美しい空間。美術館内を歩き疲れた時よくそこで休憩した。

・美術館屋上。屋上からの眺めは開放感があり、マンハッタン特有のスカイラインを一望できる。

セントラルパーク(Central Park)
The Metのエジプト館のすぐ裏手に広がる芝生エリア。私もよくそこでピクニックや読書をしていた。

ザ・クロイスターズ(The Cloisters)
The Metの分館。マンハッタン島北部、ハドソン川沿いのFort Tryon Park内に位置する。欧州の修道院を移築し修復したもので、ヨーロッパ中世の回廊(croister)が美しい。欧州を訪れたかの様な感覚になり、敷地内に咲く四季折々の草花に心癒される。

ロング・ビーチ(Long Beach)
市内から地下鉄と近郊列車を乗り継いでアクセスできる海岸の1つ。1時間30分ほどのプチ旅行気分を味わえる。駅からは徒歩数分でビーチに到着。白い砂浜が広がり、最高にリラックスできる。


美術館。日本関連の場所。陽当たりのいい場所。広々した空間。自然空間。海辺。

こうして並べてみると、これらの場所には故郷・日本に共通する懐かしさと安心感があることに気がついた。

ニューヨークに暮らしていたころは、これらの場の雰囲気、リラックス出来る場のエネルギーを無意識に感じ取っていたのだろう。また、今振り返ってみると、これらの場所を訪れることで長年のニューヨーク生活の緊張や様々なストレス、無意識に日本や故郷を恋しく思う感情を癒し、リセットしていたのかも知れないと改めて思う。今暮らしているベルギーでも、似たような癒しの空間、自然、海辺を求め、度々訪れている。世界中どこに住んでも、故郷の原風景や日本に通じる癒しを無意識に探しているのかもしれない。

上記に挙げた場所が今なお私が知る当時のままなのかは不明だ。けれども、どんなに遠く離れても、これらは私の心の中でいつもニューヨークの一押しの空間なのだ。

On the move 2.0
[プロフィール]

大学留学を期に日本からニューヨークへ移住し、卒業後に美術館勤務。その後ニューヨークからベルギーへ移住。フリーランスを経て美術館に再就職し現在に至る。家庭で日仏語、仕事で英仏語を使用。多言語、多文化環境で子育て中。
Noteリンク: https://note.com/greentree_7


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