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公衆トイレはどこ??

今回のテーマ: トイレ
by  萩原久代

ニューヨークを歩いていてトイレに行きたくなったら、どこに行く?
日本のように、どの地下鉄駅にも公衆トイレがあると思ったら大間違い。ニューヨークの地下鉄にトイレがある駅は少なく、駅近くに都合よくトイレが使える駅ビルやショッピングセンターもない。

ニューヨーク市内の地下鉄駅の数は472にのぼるが、トイレがあるのは69駅だけという。利用できるのは朝7時から午後7時の間だけで、しかも、コロナ感染予防のために2000年春から全面閉鎖された。やっと今春あたりから徐々に使える駅が増え、最近は35駅程度のトイレが使えるようになったと報道された。

私が実際に見たことある地下鉄駅のトイレは、42丁目駅(タイムズスクエア)と14丁目(ユニオンスクエア)だが、かなり汚くて利用するには覚悟が必要だと思った。ただし、郊外への列車の発着駅であるグランドセントラル駅やペンステーション、長距離バス駅のポートオーソリティには比較的清潔感のあるトイレがある。

そういった状況であるから、地下鉄に乗っていて、または街を歩いていて、緊急事態で駆け込める公衆トイレはまず近くにないと思った方が良い。個人的には、過去に次のようにトイレの見つけた経験がある。

* 近くにホテルがあるかを探す。(無料)
マンハッタンにはホテルが多い。ミッドタウンであれば、シェラトンやヒルトンなど大型ホテルがあり、部外者でもアクセス可能なトイレがある。清掃されていてキレイである。中型ホテルやブティックホテルでも、カフェやレストランがあるとその付近のトイレを使える場合がある。

* 近くに市立公園があるかを探す(無料)
セントラルパーク、ハドソン川・イーストリバー沿いの公園近くを歩いていれば、公園内には必ず公衆トイレがある。清掃されて比較的清潔である。特に、5番街と42丁目の一角にあるブライアントパークには、2017年に古い建物をリノベした公衆トイレが設置された。季節の花が飾ってあり、清掃が行き届き、清潔感あふれる。公園によって利用時間帯は異なるが、朝8時くらいから夜10時くらいまで使える。
https://www.nycgovparks.org/facilities/restrooms

* 近くにデパートやショッピングモール、スーパーなどがあるかを探す。(無料)
マンハッタンにはメーシーズやブルーミングデールなどのデパートや、大型モールがいくつかある。トイレは清潔感があって利用しやすい。またはホールフーズやターゲット、ホームデポといった大型店舗にもトイレがある。しかし、こうした店舗が、歩いていてすぐ近くにある可能性は高くないかもしれない。

* 公立図書館が近くにあるかを探す。(無料)
ニューヨーク市内には公立図書館が88ヶ所あり、マンハッタンだけでも40ヶ所あり、トイレは誰でも利用できる。比較的清潔な状態である。ただし、図書館の開館時間は午前10~11時くらいから午後6~7時くらいまで。場所によって異なり、日曜は閉館されている。
https://www.nypl.org/locations

* スタバ、マクドナルドなどファーストフード店に駆け込む。(有料)
何もオーダーせずにトイレを使うことはむづかしい。スタバは誰でも無料でトイレ利用可能という方針があるのだが、店舗によって違いがある。ファーストフード店舗では、通常レジでトイレの鍵をもらうか、アクセスコードをもらう。またはレシートにトイレのアクセスコードが入っているところもある。が、必ずしも清潔なトイレではなく、場所によっては「故障中」(Out of order)のサインがあって利用できないこともしばしばあるので要注意だ。

* カフェ、レストラン、バーなどに駆け込む。(有料)
テラス席があって混んでいる店では、お客のふりをしてトイレに堂々と向かうという人もいるようだが、これはちょっと勇気がいる。勇気がなければ、席についてコーヒーかビール一杯でも注文してからトイレに行こう。

最後に一言。。。
ニューヨーク市の公共の場(学校、レストラン、カフェ、バーなどを含む施設)は、2016年に施行された法令によって、「オールジェンダー」(英語では Gender Neutral)の個室トイレを提供しなければならない。

                                              Photo by Shutterstock

これにより、例えば、以前は女性用と男性用それぞれ個室トイレがあったレストランでは、両方を「オールジェンダー」にすることになった。誰でもどちらでも使える。一方、大型のレストランや劇場などで女性用と男性用それぞれに複数の便器が並ぶ手洗所がある場合はそのまま継続されており、それに加えて「オールジェンダー」の個室トイレが用意されている。障害者用個室トイレと併用して「オールジェンダー」にしているケースもある。

さて、「オールジェンダー」は結構なことだが、個人的には女性用トイレを存続して欲しいと思う。男性が使うとトイレが汚くなるからだ。トイレ周りとシートまでに小用後の飛び散りがそのままになっていることがよくある。せっかく食事を楽しんだのに、最後にゲンナリだ。座ってやれよ!と心で叫ぶ。

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萩原久代
ニューヨーク市で1990年から2年間大学院に通い、1995年からマンハッタンに住む。長いサラリーマン生活を経て、調査や翻訳分野の仕事を中心にのんびりと自由業を続けている。2010年からニューヨークを本拠にしながらも、冬は暖かい香港、夏は涼しい欧州で過ごす渡り鳥の生活をしている。

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