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第一話「適温100℃」


最近、生気(しょうき)がすごい
生命の源だかなんだか知らないが、胸の内から込み上げる
熱湯くらいの熱気を帯びて何かがグツグツとしている

溢れ出そうだが、正気がある為なのかまだ耐えている。
本当はマグマぐらいグツグツしてほしいのだが
ある程度そこらへんは秩序を守った位置で煮え立っている

今年に入ってから、やっと引っ越した家にも落ち着き
そこそこやりたいと思っていた事をやっているわけだが
やりたいことが多すぎる故
何もかもがサラッと進んでいっている

止まってないだけマシかと思うが
いい加減どれかに絞ったらどうだと自分の中の自分が言う

「絞ると鈍るだろ」

人格異常を起こすんじゃないかと思うくらい自分と仲があまり良くない
別にいいだろ、と言う自分もいるし
そんなこと言ってるからあーだこーだ、とうるさい自分もいるし
まあでもそんな事も死んだら何もないか、みたいな妙に落ち着いて虚無へ引きずり込もうとする変な奴もいる

いい加減、絞ったらどうだ

お前らにそう言いたいよ僕は。
あんまり色んなこと言うと何もしなくなるぞ
抗ってやる、お前らに抗ってやる。

そんなことできないくせに、

うん。できない。

そんなループをし続けた末に僕らが引き起こす摩擦がとてつもないパワーを持ち始め「生気」がグツグツと煮えたぎったワケらしい。
いい加減、落ち着いてほしい気持ちもありつつ。

多分誰もいなくなったら閑散と寂しい空気が流れる部屋のように
静まり返ってしまうだろうなとも思い
そんなのは逆に寂しいから居てほしい気もする
別に!構ってほしいワケじゃないんだから!!

不安定が一番安定してるってか
ゆらゆら揺れながらグツグツさせながら
ゆっくりやっていきますよ。

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