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40代から変わる人生「記憶の道具」21

AI翻訳時代になぜ英語を習得すべきなのか?

  AI翻訳は、飛躍的によくなっています。これからもますますよくなっていくでしょう。そういう時代に、なぜ英語の勉強する必要があるのでしょうか? 私も、これだけAI翻訳が進んできたので、もはや他の外国語の勉強をしようとは思わなくなりました。でも、英語だけは別です。

 なぜ英語は別なのか? その理由は2つあります。
 1つは、ほぼすべての分野で英語がグローバル言語になっているからです。つまり、世界の多くの人が英語で高等教育を受け、あるいはビジネスをしているので、AI翻訳に頼らず直接英語でコミュニケーションできないと、高等教育を受けていないようにみえてしまう。もちろん高等教育を受け、しっかりとした知性を持っているのですが、そう見えない可能性があるということです。逆に、英語で直接コミュニケーションができると、みなさんを必要とする人は、10倍は広がります。世界は広いですからね。
 IT分野のことですが、一時クラウドのおかげで、ローカル(エッジといいます)の計算能力はいらない、データもぜんぶクラウドにあげてしまえばいいという考え方がありました。でも今は違います。ある程度、エッジ側にも処理能力とデータを残しておかないとまずいという考え方になってきました。なぜか? システムに異常が発生したときに、クラウドに頼り切っていると困るからです。セキュリティ上の問題、応答性にも問題があります。自動運転車がすべてクラウド頼みだと怖いですよね。
 これと似ていて、AI翻訳がさらに発達しても、一定程度の英語力を持っておくと、みなさんのキャリアの安定性がよくなり、人生のオポチューニティを拡げることになります。ジョブ・セキュリティが高まるだけでなく、多分価値も高まります。つまり収入も楽しみも増えるということです。

 2つめの理由は、日本語とは異なる思考方法を身につけることができるからです。つまり思考力、そしてコミュニケーション力がアップするということです。
 アジア圏、特に日本語では、背景説明から入って、ぐるぐるいろいろな話をして、「ということで、わかりますよね」と、最後に結論がくるスタイルが多い。これをハイ・コンテクストなコミュニケーションと呼びます。これに対して、ロー・コンテクストなコミュニケーションもあることを知っておくことは重要です。二刀流です。

ハイ・コンテクスト、ロー・コンテクストの二刀流コミュニケーションを身につけよう

 ロー・コンテクストなコミュニケーションというのは、まず結論があり、その理由が次にくるという「結論→なぜならば」パターンです。コンテクストは必要があれば説明します、という、サブ的な位置づけなんですね。これ、効率的です。新聞の見出しと同じで、結論を聞けば、そのあとを聞く必要があるか判断できますからね。
 英語圏の教育では、この「結論→なぜならば」パターンを小さいときから叩き込まれます。その結果、常に、「自分は何を言いたいのか?」「それをひとことで言うと?」と反射的に自分に問いかける思考習慣が身につきます。言語化の訓練といってもいいでしょう。知的な人ほど、それがしっかりしているので、ハイ・コンテクストな話し方しかできないと、知的訓練ができていない人とみなされる恐れがあるのですね。

 しかしです。英語で話すときは常に結論から、と▢▢の一つ覚えにしていると失敗することもありますから要注意です。英語でも、ハイ・コンテクストで話した方がいいことが少なからずあるのです。たとえば、相手が敵対的なときです。結論を言った瞬間に、即反対の大声を上げられ、あるいは席を立たれてしまいますからね。


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