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仮面舞踏会


宣言解除の6月から
外に出てはいるものの、
職場と自宅の往復のみで
気分は一向に上がらない。


正直なところ、
マスクの着用が
こんなにきついとは
思わなかった。

頭のてっぺんからつま先へ至るまで
風が抜けていく感覚がなく、
顔面に関しては
さながら”水素爆発”寸前である。


今月は知人から
ちょっと会わないか
というお誘いを受けたが、
体調も気分もすぐれず
とりあえず延期にしてもらった。

会話による飛沫の防止ということで
職場でも極めてワンマンに振る舞い、
”ぼっち街道” まっしぐらである。


子供の頃、
両親にとりわけ
かわいがってもらったわけでもなく、
友達がたくさんいたわけでもないが、
思えばあまり
”さびしい” という感情をもったことがないな
とふと思ったのだ。
(恵まれた環境で育っていたのならば、
暴言この上ないが)

それよりも
他の人たちと一緒にいて
こちらの思いが伝わらない方が
よほどさびしいし、
(これは”人混みの中の孤独” というもの)
いつぐらいから
そう思い出したのかは
わからないが、
人に合わせるのを
やめてしまっているところがある。

協調性がある人を見ると
内心ですごいな、えらいな
とは思いつつも、
年齢的に難しくなりつつある。
(正直どちらの方がいいのかは
よくわからない)


ひとり外を歩き、
駅のホームに到着した電車に
今日も乗る。

「オンラインが普及し
片手にスマートフォン」の
時代になってはいるものの、
目には見えない
電磁波がバンバン飛び交っていることに
だいぶ不自然な感が募りつつ、
マスク着用の熱が体内に籠る。


いったいいつになったら
風通しはよくなるのだろうか。

急激に涼しい気候になったものの、
何もクリアな考えが頭に浮かばない。



愚痴っぽい男は嫌いだが、、

自分がそれであることが
認識せざるを得ない、
沈黙の9月が終わろうとしている。








以上

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