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語彙を増やしたいあなたへ

◆ はじめに
こんにちは、とけつだいこんです。
私、周りの人から「語彙を増やしたいけどどうすればいいのか?」と質問されることがちらほらありまして、その度にかなりあやふやな回答をしていたのですがTwitterのフォロワーも増えてきて自分の考えをまとめるのにもいい機会だと感じましたので今回は「語彙を増やす」ということについて少し書こうと思います。
では、いきなり結論から言います。
「 意味はわかるけど自分が使わない言葉 をどんどん使え」
これが私からのアドバイスです。
ではここから、なぜ私がそう思うのか、ということを説明していきます。私の言葉を完全に鵜呑みにできちゃう人はここで読むのをやめてもらって構いません。

◆「本読め」はハードルが高い
まず、「語彙を増やしたい」と思っている(言っている)人にアドバイスをしている"ボキャブラリー自信ニキ"の意見の大半は「本を読んだ方がいいよ」「わからない言葉はどんどん調べた方がいいよ」等が占めているように思いますが、私の考えは少し違います。「語彙を増やしたい」と他人に相談する程にボキャブラリー不足を痛感している人はおそらく『意味の分からない言葉が 文中/会話中 に出てくるような 作品/人 』と接していい水準に達していないと考えられます。(もちろん誰と関わろうが、どんな作品に触れようが個人の自由ですが、真にそれを享受できる段階にまだいないと私は思います)
かなりきついことを言うと、他人とのコミュニケーションで語彙不足を感じている人たちは今まで「調べる」ということを怠ってきた人たちである可能性が高いので、そんなアドバイスは少しハードルが高いんです。

◆「語彙を増やす」目的
そもそも、「語彙を増やしたい」と言う人たちが”真に求めているもの”はなんでしょう?「純文学小説を執筆したい」といった理由で他人に「語彙をどう増やせばいいか?」なんて質問する人はなかなかいないような気がします。
私が思うに、「劣等感を感じないような発言をしたい」「幼稚だと思われたくない」といった自分の体面を保ちたいという願望が主の目的なのではないでしょうか。それを軸に考えると、自ずと「知らない言葉を調べる、本をたくさん読む」といったアドバイスが少し不親切であるということに気づきます。

◆ 赤ん坊はググらない
さて、一見飛躍した話題に思えるかもしれませんが、みなさんはどうやって言葉を話せるようになりましたか?
私たち人間が赤ん坊のころ、自分から分からない言葉を調べるなんてことはしなかったはずです。じゃあどうやって言葉を覚えたのかというともちろん親をはじめとする周りの人が使う言葉を真似て真似て真似まくったんですよね。
大人になるにつれ、私たち人間は「ボキャブラリーの不足による会話の不成立」というシチュエーションに出くわすことはほとんどなくなります。その結果として、他人を真似てまで新しい言葉を使おうとせず、自分がよく使う言葉だけでコミュニケーションが形成され、ボキャブラリーに偏りが生じます。
私の感覚だと、大学1年生や社会人1年目の『新しい環境に足を踏み入れた人』がこれに頭を抱えている印象です。おそらく誰かに指摘されたり周りの人のボキャブラリーが環境とともにガラッと変わったりすることで問題に気づくんでしょうね。

◆ 知らない言葉なんてほとんどない
皆さんの周りに自分の知らない言葉を使う人はどのくらいいますか?
おそらく仕事や授業での専門用語を除くと自分のわからないような難しい言葉を使ってくる人はほとんどいないのではないでしょうか。もちろん、ごく稀に会話中でわからない言葉が出てきたりすることもあるでしょうが九分九厘自分が理解できる言葉でコミュニケーションが成り立っているはずです。
つまり、「周りから幼稚に思われない、劣等感を感じない」ために語彙を増やしたいのであれば、新しく本を読んで知らない言葉を調べて..という行為は必要ないのです。

◆ 語彙が豊富な人の秘密
そこで本題です。では、なぜ相手も自分が”知っている”言葉を使っているのに「語彙力がすごい」「なんか賢そう」「私はボキャブラリーが少ない」と思ってしまうのでしょうか?
それはきっと、自分が使ったことない言葉を相手が使っているからです。『意味はわかるけど使いはしない言葉』がめちゃくちゃあることを意識したことがない人は多いと思います。例えばこのnoteの中で私が使った”あやふや”、”鵜呑み”、”享受”、”ハードルが高い”、”九分九厘”などなど、意味は完全に理解できるけどあんまり使わないなという言葉があるんじゃないでしょうか。このように、誰かが使っていて「かっこいいな」「賢そうだな」と思った言葉があれば積極的に使っていきましょう。(私が賢くてかっこいい言葉を使っていると言う意味ではありませんので、悪しからず)

◆ 覚える必要なんてない 
つまり何が言いたいのかと言うと、「インプットよりアウトプットで語彙増やせ」ってことなんですよ。インプット(「覚える」といった自分の中に取り込む作業)って非常に大変で面倒臭がりには骨が折れるんですよね、だけどもう既に自分が知っている言葉をアウトプット(「喋る」などといった外に向けて発信する作業)するってだけならかなり楽に感じませんか?近年の研究でも、アウトプットをすることで記憶が定着するという結果が得られています。面倒臭いのでソースは貼りませんが気になった方、信じられない方は自分で調べてみてください。
私は結局のところ、ボキャブラリーに優れている人というのは、知っている言葉をより上手くアウトプットできる人だと思っています。だから語彙が不足していると悩んでいる人でも自分の知っている言葉を発信していくだけで大きく改善が望めると確信しています。

◆ まとめると
・面倒臭がりが本を読んで言葉を調べるのはハードルが高い
・自分の知ってる言葉だけで会話が成立するから知らない言葉を覚えようとしない
・赤ん坊は誰かが喋る言葉を真似て言葉を覚える
・自分の周りの会話等はほとんどが自分の知っている言葉だけで成立している
・自分の使ったことない言葉を使う人は賢く見える
・新たに覚える必要はない
・既に知ってる言葉を発信する
・”語彙力”がある人は知っている言葉を上手くアウトプットできる

以上のことより、私から「語彙を増やしたい人」へアドバイスします。

「 意味はわかるけど自分は使わない言葉 をどんどん使え」


ここまで読んでくださったくださった方々、ありがとうございます。


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