【拙訳】スゥルタイ混成体デッキガイド・サイドボードガイド by Andrea Mengucci(Channel Fireball)

https://www.channelfireball.com/articles/sultai-krasis-deck-guide-and-sideboard-guide-and-video/

 イゼットドレイクの話はどこへいったんですかメングッチ先生。もともとゴルガリ大好きとは言っていましたが。
 あと、今回の記事から「ゴルガリ混成体」じゃなくて「スゥルタイ混成体」(原文:Sultai Krasis)になったので修正しました。

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Sultai Krasis Deck Guide and Sideboard Guide (And Video)
By Andrea Mengucci // 8 Feb, 2019

デッキリスト:スゥルタイ混成体

lands 24
4《草むした墓/Overgrown Tomb》
4《湿った墓/Watery Grave》
4《繁殖池/Breeding Pool》
4《森林の墓地/Woodland Cemetery》
2《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》
2《愚蒙の記念像/Memorial to Folly》
4《森/Forest》

creatures 27
4《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》
2《培養ドルイド/Incubation Druid》
4《マーフォークの枝渡り/Merfolk Branchwalker》
4《野茂み歩き/Wildgrowth Walker》
4《翡翠光のレインジャー/Jadelight Ranger》
2《貪欲なチュパカブラ/Ravenous Chupacabra》
1《人質取り/Hostage Taker》
2《破滅を囁くもの/Doom Whisperer》
4《ハイドロイド混成体/Hydroid Krasis》

spells 9
1《喪心/Cast Down》
2《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》
3《ビビアン・リード/Vivien Reid》
3《採取/Find》 // 《最終/Finality》

sideboard 15
1《再利用の賢者/Reclamation Sage》
2《真夜中の死神/Midnight Reaper》
1《殺戮の暴君/Carnage Tyrant》
4《強迫/Duress》
3《否認/Negate》
1《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
2《喪心/Cast Down》
1《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》

 スゥルタイ混成体は現在のメタゲーム上で極めて人気の高いデッキですから、私が今更このデッキの詳細について事細かに解説する必要はないでしょう。ただ1点、上記リストのうち《破滅を囁くもの》についてだけ解説しておきましょう。

■《破滅を囁くもの》について

 このカードはミラーマッチでは活躍できないため過小評価されている1枚です。ただし白単、赤単、イゼットドレイクといったデッキに対しては最高のブロッカーとなります。クロックが必要な時もキルターンを早めてくれます。

 コントロールデッキに対しても脅威となります。必ずすぐに倒さなければなりませんし、(起動型能力によって)貴重なサイドボードカードを探すことができるため、潜在的なアドバンテージ源にもなるのです。

 ミラーでは《喪心》《ビビアン・リード》に引っかかるため良いカードとは言えませんが、それでも相手が対処しなければならない脅威であることに変わりはありませんし、《ハイドロイド混成体》や《採取//最終》を探しに行くこともできます。

 よく「なぜ《殺戮の暴君》よりも《破滅を囁くもの》が優先なの?」という質問を受けますが、それに対してはこう答えています――どちらかが優れている、ということではなく、二者には明確な役割の違いがあるのです。《殺戮の暴君》は以前ミラーマッチのキーカードでしたが、その役割は《ハイドロイド混成体》に譲る形になりました。

 一方、《破滅を囁くもの》はアグロ戦略に対する壁、そして他のマッチアップで脅威になる、という役割があります。

 忘れていましたがもうひとつ、《真夜中の死神》はジェスカイの《轟音のクラリオン》に対抗するためのカードであり、今はエスパーの《ケイヤの怒り》に対して採用するカードになります。

 以前はミラーでも強いカードでしたが、今はそれほどの効果はありません。それでも、デッキに入れれば気に入ってもらえると思いますよ。

 さて、本命のサイドボード・ガイドをお届けしましょう! これこそがBO3の醍醐味ですからね。

サイドボード・ガイド
■スゥルタイ混成体

OUT:4《野茂み歩き》
IN :2《真夜中の死神》1《殺戮の暴君》1《軽蔑的な一撃》

 私が良く見かけるのは、ミラーで《野茂み歩き》を残していることです。どこに魅力を感じているのか分かりませんが、私が3ヶ月間も言い続けているように、ミラーマッチでは《野茂み歩き》を全抜きしましょう。

 クリーチャーで2:1交換を取りたい気持ちも分からなくはありませんが、《野茂み歩き》が提供してくれるのは数点のライフだけなのです。確かにライフを得ることで反撃を気にせず全軍攻撃に行けるのは利点かもしれませんが、そこは気にする必要はありません。そもそもこのマッチアップはライフではなく、カードアドバンテージで勝敗が決まるからです。

 終盤に《野茂み歩き》をトップしたときの弱さ、そしてどれだけ大きくなっても《貪欲なチュパカブラ》で倒されてしまうのは大きな欠点と言えるでしょう。

■エスパー/ジェスカイコントロール

OUT:4《ラノワールのエルフ》2《培養ドルイド》4《野茂み歩き》1《喪心》1《人質取り》
IN :1《再利用の賢者》2《真夜中の死神》1《殺戮の暴君》4《強迫》3《否認》1《軽蔑的な一撃》

 スゥルタイにとってメインボード戦は最悪です。1戦目は勝ち目薄と分かった時点で潔く投了しましょう。前シーズンのジェスカイ戦もそうでしたが、サイドボード後は相性が劇的に改善します。

 エスパーはジェスカイと違い、必殺兵器《絶滅の星》も持っていません。ゲームを支配できればそのままゲームに勝つでしょう。

 それぞれのカードを活用し、《ハイドロイド混成体》で勝ちにいきます。誘発型能力に対してエスパーは無力ですので、なるべくXを大きくプレイできるように心掛けましょう。

■イゼットドレイク

OUT:4《ラノワールのエルフ》2《培養ドルイド》
IN :4《強迫》2《喪心》

 このサイドボードプランは、対象をつくらない、という形で《ショック》を無駄牌にしようとしています。

 《強迫》はリアクティブなカード全般、特にサイドボード後に有効です。相手の《ドレイク》を根絶やしにして、《野茂み歩き》や《ハイドロイド混成体》でゲームを決めましょう。

■赤単アグロ

OUT:4《ラノワールのエルフ》2《培養ドルイド》
IN :1《再利用の賢者》1《殺戮の暴君》2《強迫》2《喪心》

 このマッチアップは非常にシビアです。積極的に相手のクリーチャーと1対1交換をとっていき、相手の除去を有効活用させないようにします。もし《野茂み歩き》+《マーフォークの枝渡り》が同じターンに展開できてライフを得られる場面があるなら、展開はそれまで待ってください。

 《強迫》はいい働きをしますが、あまり枚数を多く入れると無駄になります。

 《肉儀場の叫び》は有効な盤面もありますが、かゆい所に手が届きません。相手は《宝物の地図》+《絶滅の星》プランへシフトしてきますので、それに合わせて《殺戮の暴君》を入れ、マナクリを抜きます。

■青単テンポ

OUT:2《破滅を囁くもの》3《採取//最終》3《ビビアン・リード》
IN :1《再利用の賢者》1《殺戮の暴君》4《強迫》2《喪心》

 このデッキにはまさに悪夢のようなマッチアップです。相手の手札が良ければ何もできずにゲームが終わります。

 重いカードをデッキから抜き、行動回数を増やすことで相手の打ち消し呪文の働きを悪くします。

 サイドアウトするカードは一見強そうに見えますが、重要なのはプランです――大きなマナ域のカードを解決して勝つのではなく、緑の小型クリーチャーで積極的にライフレースを仕掛け、相手のカードアドバンテージとカードバリューを潰す戦略を取ることが勝つための条件です。

 《殺戮の暴君》と《ハイドロイド混成体》はベスト・カードです。(少なくとも部分的には)打ち消されず、確実にクロックを展開しつつ、相手の打ち消し構えを無駄にできます。

■白ウィニー

OUT:4《ラノワールのエルフ》
IN :1《再利用の賢者》2《喪心》1《肉儀場の叫び》

 以前1枚採用していた《黄金の死》に代わり《肉儀場の叫び》が加入しましたが、そこまで枚数を入れる必要はありません。

 《再利用の賢者》は《打ち壊すブロントドン》より優れていて、《ベナリア史》や《議事会の裁き》を壊しつつブロッカーとしても機能します。求めていたものはこれです。

■ターボフォグ系

OUT:4《野茂み歩き》2《貪欲なチュパカブラ》1《人質取り》1《喪心》3《採取//最終》
IN :2《真夜中の死神》1《再利用の賢者》4《強迫》3《否認》1《軽蔑的な一撃》

 メインは相性最悪ですが、サイドボード後は劇的に改善します。エスパーやジェスカイよりも多い全除去があるならマナクリーチャーはサイドアウトしますが、このマッチアップでは素早い展開によって相手の《テフェリー》や《荒野の再生》に対して打ち消しを構える必要があるため、デッキに残します。
 
 
 
 私の中ではスゥルタイ混成体がBO3でのベストデッキだと思いますが、BO1では《テフェリー》デッキとの対戦が多く選ぶべきはないデッキであることは明白です。これらのマッチアップを改善する手立てがあまりないこともあり、BO1においては何か別のデッキを選ぶべきでしょう。

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