【拙訳】エスパーコンが環境初期のマイベストデッキだ! by Mike Sigrist(Channel Fireball)

 https://www.channelfireball.com/articles/esper-control-is-my-early-pick-for-best-deck-in-standard/

 オケチラ=スカラベ説を唱えているメングッチ先生を尻目にMike Sigristがエスパーの記事を書いていたのでふんわり訳します。ふんわりね。
 サイドボードガイドもあるので参考にしたい方はどうぞ。ただご本人も「まだ試行錯誤中」とのことなので、何を採用するかを含め、自分でどう考えるかが大事でしょう。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

Esper Control Is My Early Pick for Best Deck in Standard
By Mike Sigrist // 10 May, 2019

 ミシックチャンピオンシップと共にいよいよ「灯争対戦」がリリースされて、スタンダードのデッキをいくつかプレイする機会が待ち遠しくて仕方ありませんでした。《龍神、ニコル・ボーラス》を使いたい!と思って、デッキを組んでみたところからスタートしました。

Esper Control(Grixis Controlのタイプミスだと思われます)
Mike Sigrist

lands
4《湿った墓/Watery Grave》
4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》
3《蒸気孔/Steam Vents》
4《硫黄の滝/Sulfur Falls》
4《血の墓所/Blood Crypt》
4《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》
3《沼/Swamp》
creatures
4《リックス・マーディの歓楽者/Rix Maadi Reveler》
4《正気泥棒/Thief of Sanity》
4《破滅の龍、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, the Ravager》
spells
4《思考消去/Thought Erasure》
4《龍神、ニコル・ボーラス/Nicol Bolas, Dragon-God》
2《戦慄衆の将軍、リリアナ/Liliana, Dreadhorde General》
4《魔性/Bedevil》
1《シヴの火/Shivan Fire》
3《興行/Carnival》 // 《叩打/Carnage》
2《喪心/Cast Down》
2《溶岩コイル/Lava Coil》

sideboard
2《強迫/Duress》
1《否認/Negate》
1《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》
3《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》
1《煤の儀式/Ritual of Soot》
2《永遠神の投入/Enter the God-Eternals》
3《戦慄衆の侵略/Dreadhorde Invasion》
2《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》

【《魔性/Bedevil》】
 このデッキで私が学んだことのひとつは、《魔性》ははるかに良くなったカードだということ。環境にPWが溢れかえっていますから、《英雄の破滅》がデッキにあることはいいことです。《ボーラス》のバックアップがあれば、PWを巡る争いで負けることはないでしょう。
 しかし、このデッキは《アズカンタの探索》のようなカードに弱く、このデッキで《探索》に対処することは難しいのです。先週末のSCGのデッキをいくつか見た上での想定では、2マナの除去枠に1~2枚の《豪奢+誤認》を採用すべきだと思います。《アズカンタ》に対抗する数少ない手段であり、同時に《正気泥棒》にも対抗できます。《魔術遠眼鏡》で《アズカンタ》と《テフェリー》をまとめてシャットアウトする方法もありますが、(封じられてない方の《テフェリー》で)バウンス後に出し直す際に打ち消されたり、バウンス後に手札からたたき落とすなど、相手は柔軟に対処できてしまうのです。

【《人知を超えるもの、ウギン/Ugin, the Ineffable》】
 このデッキにおいては《戦慄衆の将軍、リリアナ》よりも《人知を超える者、ウギン》のほうがいい選択肢だと思います。《ウギン》は直接、《アズカンタの探索》のようなパーマネントに触ることができますが、《リリアナ》は《殺戮の暴君》の対処に利があるだけです。今は《ウギン》のほうがよい選択肢でしょう。6マナのPWを2枚採用するなら、《アズカンタの探索》を採用してサーチ手段を増やすならば、1枚ずつ採用することに意味はあります

 このデッキの強みは、1対1交換を強制し、お互いのリソースを枯らした状態で《龍神、ニコル・ボーラス》の着地をバックアップすることです。土地であれ手札であれ、相手のリソースが少なくなればなるほど、各起動型能力は強力になります。《ニコル・ボーラス》は想定通りの強さです。

 しかしこのデッキにも弱点があります。高速アグロにとても弱く、また青赤フェニックスのような、クリーチャーによる一斉攻撃を仕掛けてくるデッキにもとても弱いのです。赤単のようなデッキは非常に厳しく、ライフゲイン手段を仕込んでおきつつ、早めのクロックが必要不可欠です。《破滅の龍、ニコル・ボーラス》でゲームに勝つしかありません。また、高性能な全体除去がなく、緑系デッキに《ケイヤの怒り》のようなカードが使えないのが弱点です。

【《リックス・マーディの歓楽者/Rix Maadi Reveler》】
 《リックス・マーディの歓楽者》もこのデッキにとってはひどいカードです。このデッキはリソースが多く必要となり、かつマナカーブも後半に寄っており、ダメージ源も多くありません。その目的からすると、このデッキには非常に悪いカードだと思います。この枠は《航路の作成》や《発見//発散》に入れ替えました。相手の手札が減ってくれば《発散》が有効活用できるため、《発見》も悪くない選択肢だと思います。とはいえ、クリーチャーを入れておくことは、このフォーマットにおいてPWにプレッシャーをかけるためには重要です。多くの新加入PWが私の想像の上を行くパフォーマンスでした。その中でも最上位は《時を解す者、テフェリー》です。
 
 
 
 グリクシスデッキを色々試すうちに結構なものを失いましたが(笑)、それでも同じようなスタイルのデッキを使用したいと思い、エスパーコントロールに乗り換えることにしました。

 エスパーコントロールは前環境でのベストデッキの1つでした。《ケイヤの怒り》《ドミナリアの英雄、テフェリー》はピーナッツバターとゼリーのように相性抜群で、この事実は環境が変わった今も変わりません。それよりも気分がいいのは、《時を解す者、テフェリー》の能力で、相手のエンド・ステップに《ケイヤの怒り》を唱えられることです。

Esper
Mike Sigrist

lands
1《沼/Swamp》
4《神無き祭殿/Godless Shrine》
1《島/Island》
4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》
4《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
4《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel》
4《氷河の城砦/Glacial Fortress》
4《湿った墓/Watery Grave》
spells
2《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
2《喪心/Cast Down》
2《ドビンの拒否権/Dovin's Veto》
4《思考消去/Thought Erasure》
1《渇望の時/Moment of Craving》
4《吸収/Absorb》
2《屈辱/Mortify》
1《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》
2《薬術師の眼識/Chemister's Insight》
3《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》
3《ケイヤの怒り/Kaya's Wrath》
1《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
2《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
4《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》
1《人知を超えるもの、ウギン/Ugin, the Ineffable》

sideboard
1《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
2《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》
3《正気泥棒/Thief of Sanity》
2《永遠神の投入/Enter the God-Eternals》
2《渇望の時/Moment of Craving》
3《強迫/Duress》
2《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》

 私がグリクシスを諦めたとき、エスパーに興味津々でした。エスパーは自然と有利なマッチアップが多いように見えたのです。《時を解す者、テフェリー》が刷られたことでその位置付けに傷が付いた気もしますが、そのカードを上手く使えるのもまた、エスパーに他ならないのです。

 最終的に私が認めるところでは、確かに《テフェリー》デッキと対戦することは大きな頭痛の種であり、サイドボード後にどう戦うかを考えている最中です。

 私が最初に気付いたのは、ミラーマッチやエスパー・ヒーローのようないくつかの対戦相手に対しては《正気泥棒》が強そうに見えて、その実《小テフェリー》に対しては弱いカードでしかないということです。《時を解す者、テフェリー》は《正気泥棒》の前に出すこともできるのです。《正気泥棒》をプレイするということは、相手の3忠誠度を引き換えにしかならず、しかも相手にカードを引かせてしまうのです。

【《戦慄衆の侵略/Dreadhorde Invasion》】
 私はサイドボードに《戦慄衆の侵略》をテストしてみました。このカードはミラーでは単純に強かったのですが、《時を解す者、テフェリー》をプレイしつつ、ライフにプレッシャーを掛けてくるデッキ(エスパーヒーローやバントフラッシュ)には不十分です。とはいえ、《正気泥棒》はシミックネクサスのようなデッキに対しても抜群の強さです。このため私は《正気泥棒》にサイドボードを戻しましたが、他のプランを練り込めるほど考えがまとまっていません。まだ思いついていないし、ひょっとしたらそんなプランはないのかもしれません……。

 問題は、このフォーマットでは多種多様なPWがいるということで、特にサイドボード後はプロアクティブな戦略が重要です。エスパーコントロールは、以前の環境と同じく、相手が無駄牌を引いている間にメインボード戦を勝つ、という設計思想です。しかしサイドボード後には、その枠にPWや《強迫》《ドビンの拒否権》などといった妨害カードや対抗策が取られてしまい、脅威に対処している間にこちらのPWを倒そうとしてきます。

【《薬術師の眼識/Chemister's Insight》】
 私は《時を解す者、テフェリー》を優先して《薬術師の眼識》を減らしました。このカードはソーサリーとして考えるとかなり悪い部類のカードで、メインでプレイするアドバンテージカードが必要なら《アズカンタの探索》、もしくは最も優れたPWの1つである《覆いを割く者、ナーセット》をプレイしたほうがいいと思います。
 《ナーセット》はこのデッキにとって重要な5枚目の土地を供給してはくれませんが、ゲームが進むにつれて、ゲームを牽引する力が生まれます。メインデッキに2枚は入らないと思いますが、1枚は必須でしょう。ナーセットの常在型能力は、《大テフェリー》や《ハイドロイド混成体》といった今まで不利な戦いを強いられた要因を封じ込めることができます。

【《戦慄衆の将軍、リリアナ/Liliana, Dreadhorde General》】
 私は最初《戦慄衆の将軍、リリアナ》をフィニッシャーに据えていました。着地と同時に相手のクリーチャー2体を葬り去り、勝ちに向かって盤面を固めてくれます。しかし《リリアナ》の最大の問題点は、最も問題のあるカードタイプ:プレインズウォーカーに触れないことです。PWデッキは序盤、得てしてクリーチャーを展開しないことがあります。プレインズウォーカーに干渉でき、フィニッシャーになり得る《ウギン》が昇格しました。

【《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》】
 《時を解す者、テフェリー》は基本的に、ほぼすべての対戦相手に適しています。赤単や白単アグロには意味を為しませんが、他の全てのマッチアップで驚くべき活躍をします。メインデッキで採用が2枚未満になることはあり得ないと思います。サイドボードにもう2枚採用していますが、調理場に対してコックが1人多い気もしています。

 メインデッキの残りの部分は前環境と変わりません。
 
 
 
 サイドボードについて言及するなら、プロアクティブな動きを求めて《強迫》を多めに採用しました。この環境では、特に《時を解す者、テフェリー》が入っているなら、PWやアドバンテージカードを定着させ、雪だるま式にアドをとっていくことが必要です。
 《強迫》や《思考消去》を1~2ターン目に打つことで、相手の3TのPW着地を妨害し、また《ドビンの拒否権》によるこちらの3T《小テフェリー》妨害を防ぎます。《強迫》は《小テフェリー》使用時にも相性がよく、+1能力で相手のドローステップに打ち込み手札を叩き落とすことができますし、対応して除去を打とうとしても《小テフェリー》の能力はそれを妨げます。《思考消去》でも同じことができます。
 サイドボードに多くの打ち消しを積んでしまうのは悪手です。確かに《ドビンの拒否権》は強力ではありますが、《テフェリー》前提で考えてサイドボードを行う必要があります。最初の1枚を打ち消せたとしても、その後もし1体でも《テフェリー》を通してしまえば、手札に死に札が多くなってしまうのです。

 《時を解す者、テフェリー》に対抗するひとつの手段は、サイドボード後は打ち消し呪文を減らし(1~2枚《吸収》を抜く)、ソーサリースピードでプレイできるカードで固めておくことです。1~2枚の打ち消しを手札にキープしておくことはいいことなのですが、《時を解す者、テフェリー》に相対した時に戦場に触る手段がなければ、そのゲームは雪だるま式にアドバンテージ差が開き、手札に打てない打ち消しを抱えている間に勝負が決まってしまいます。

 私のリストは赤単対策に重きを置いています。《永遠衆の投入》の代わりに《マガーンの鏖殺者、ヴォーナ》を採用しているリストがありますが、私が思うに、ライフを得るためにターンをまたぐ必要があるのは問題です。戦場に何もなくても唱えられるのは利点ですが、5マナ域を唱える頃にはあと1~2枚の火力で倒されるぐらいにライフが減っていることがほとんどです。4点のライフを即座に得られず、かつ《吸収》のためのマナをタップアウトするのは危険極まりないです。
 
 
 
 エスパーコントロールは今のところメタゲームでは非常に堅実な選択だと思いますが、デッキには弱点があります。出て即座にアドバンテージを生み出すPWが一番の弱点です。当然その中には《時を解す者、テフェリー》自体も含まれていますので、このことを忘れないでください。PWに対抗するためにはプロアクティブな戦略が必須であり、エスパーヒーローが従来のエスパーより優れたバージョンである理由はそこにあります。

【エスパー・サイドボード・ガイド】

■赤単
out
1《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
1《人知を超えるもの、ウギン/Ugin, the Ineffable》
2《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
2《薬術師の眼識/Chemister's Insight》
in
2《永遠神の投入/Enter the God-Eternals》
2《渇望の時/Moment of Craving》
2《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》

 サイドボード後に《強迫》を1~2枚入れるかどうかを決めかねています。後手の時は時々《ドミナリアの英雄、テフェリー》を《強迫》に1枚差し替えますが、必ずそうしているというわけではありません。《実験の狂乱》がないと分かれば、《屈辱》を削ることも考えます。

 基本的には、クリーチャーとの交換のためにPWやドローソースを削ります。クリーチャーに殴られるのを防ぐことができれば、高いライフ水準を維持することが出来、フィニッシャーによる勝ちが狙えます。

■白単
out
2《薬術師の眼識/Chemister's Insight》
2《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
1《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
1《人知を超えるもの、ウギン/Ugin, the Ineffable》
in
2《渇望の時/Moment of Craving》
2《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》
2《永遠神の投入/Enter the God-Eternals》

 《ウギン》を残して《アズカンタの探索》を削ることも考えました。《一番砦、アダント》に対応するためには《ウギン》が必要だからです。とはいえ《アズカンタ》はデッキに残せるもっとも軽いアドバンテージエンジンのため、デッキから抜くことはほぼあり得ません。《ウギン》を抜くプランを載せておきますが、サイドボード後に《ウギン》を試してみることもいいでしょう。ただし、マナカーブは必然的に高くなりますのでご注意を。

■エスパーヒーロー
out
2《薬術師の眼識/Chemister's Insight》
2《ドビンの拒否権/Dovin's Veto》
3《ケイヤの怒り/Kaya's Wrath》
2《吸収/Absorb》《吸収/Absorb》
in
3《正気泥棒/Thief of Sanity》
2《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
2《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》
1《渇望の時/Moment of Craving》
1《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》

 このマッチアップは《時を解す者、テフェリー》を巡る争いになり、いかに打ち消されずに通すか、という展開を求めてきます。このアプローチは打ち消しをカットし、《テフェリー》を巡る争いをしない、という選択肢です。《肉儀場》は《ケイヤの怒り》のアップグレードバージョンのように使えます。《正気泥棒》は信頼に値するカードかどうか怪しいですが、いくつかのマッチではこのカードで圧倒的に勝つことができます。後手番で試験的にそれらを削ってみたり、もしくは打ち消しをすべて抜いて《強迫》を入れ、《正気泥棒》の攻撃を無理やり通すなどのプランを試しています。今のところまだ、このアプローチを継続しています。《時を解す者、テフェリー》はメインボードでは信頼に足るカードですが、サイドボード後のゲームを非常にややこしくします。

バントフラッシュ
out
2《ドビンの拒否権/Dovin's Veto》
1《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》
2《薬術師の眼識/Chemister's Insight》
3《吸収/Absorb》
in
1《渇望の時/Moment of Craving》
1《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
2《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
3《正気泥棒/Thief of Sanity》
1《強迫/Duress》

 このマッチアップではサイドボードで打ち消し呪文を完全に抜き去ります。《野獣の擁護者、ビビアン》と《時を解す者、テフェリー》の2枚により打ち消しを機能させることは難しくなります。コントロールプランを取る際は、打ち消しをいくつか持って置きたくなりますが、それに頼ることは非常に難しいです。このため、完全にタップアウトコントロールとして振る舞い、自らの《時を解す者、テフェリー》によって相手の行動を縛り、相手の《エリマキ神秘家》や打ち消し呪文を無効化します。

 《強迫》は多かれ少なかれ欲しいと思うかもしれません。上記プランでテストした結果、悪くはなかったのですが、《強迫》を積極的にプレイしようとは思いませんでした。理想は3マナPWを抜いたり、《ドビンの拒否権》を抜いて《ケイヤの怒り》を通すことです。しかし相手のデッキはクリーチャー主体で、《強迫》に過度の期待をすることはしたくないでしょう。それでも確実に打つタイミングはあり、ゲーム中盤~終盤であっても必要な場面を見つけることができるでしょう。

 全体的にこのマッチアップは接戦になります。メインボードはやや有利に感じることがあるかもしれませんが、サイドボード後はややトリッキーな対戦になります。ゲーム全体は接戦となりますが、私は今のところ、若干ですが、エスパー側がプレイしやすいと感じています。

ミラーマッチ
out
2《渇望の時/Moment of Craving》
3《ケイヤの怒り/Kaya's Wrath》
2《喪心/Cast Down》
1《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》
1《吸収/Absorb》
in
3《正気泥棒/Thief of Sanity》
2《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
1《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
3《強迫/Duress》

 後手の際に《正気泥棒》を活用したい場合は、《吸収》の代わりに《喪心》を削ることができます。《時を解す者、テフェリー》は《正気泥棒》への非常に良いフォローで、特に後手の際は《正気泥棒》では悠長すぎます。《時を解す者、テフェリー》と《屈辱》はどちらも《戦慄衆の侵略》に対応できますが、2マナと小さなクリーチャーを戦場に残すことで、大きな違いが生じることがあります。

 《人知を超えるもの、ウギン》と4枚目の《吸収》のどちらを抜くべきかははっきり言えませんが、《ウギン》はマナコストが高く《強迫》や《思考消去》に対して弱く、その点《吸収》は早期のゲームで守備的に使うことができます。ただ、後手の際は《ウギン》が許容され得ます。6枚目の土地までストレートに伸ばすことはできますし、《吸収》は相手の《時を解す者、テフェリー》で死に札になりがちなためです。もう一度言いますが、このマッチアップは雪だるま式に決着がつきます。通常は《時を解す者、テフェリー》を最初に定着させた方が勝ちます。

シミックネクサス
out
2《渇望の時/Moment of Craving》
2《喪心/Cast Down》
1《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》
1《人知を超えるもの、ウギン/Ugin, the Ineffable》
2《ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt》
1《ケイヤの怒り/Kaya's Wrath》
in
2《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
3《正気泥棒/Thief of Sanity》
1《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
3《強迫/Duress》

 最後の2~3スロットは相手の構成に依存します。もし相手が《殺戮の暴君》を入れてくるようなら、《ケイヤの怒り》を抜いて耐性をなくすようなことは避けてください。こちらは《思考消去》で相手の脅威をコントロールすることができますが、こちらもリソースの回復手段が必要です。《ウギン》はフィニッシュ手段としては遅く重いため必要ありません。

 相手が《殺戮の暴君》を入れていないという確信があるなら、《侮辱》は《伝承の収集者、タミヨウ》への回答として残しておきます。もうひとつの争点はこのカードで、《タミヨウ》の常在型能力によってハンデスを受け付けなくなる事態を防ぐために、サイドボードに《強迫》に代えてもう1枚の打ち消しを用意しておきたいとも思います。

 《タミヨウ》を警戒するのであれば、《ヴラスカの侮辱》をサイドボードにもう1枚用意しておく余地を作ることもできます。その場合は素直に《強迫》を削りましょう。
 
 
 
 
 


 このスタンダード環境を解読するのは非常に楽しいのですが、多くの強力なカードを含むセットが追加されたことで、最高のデッキが何なのか、そしてその理由についてはまだ確信が持てないでいます。エスパーコントロールは確かに強力な候補ではありますが、もっと好きなデッキを見つけようと日々コツコツと努力しています。私の場合は《龍神、ニコル・ボーラス》が一番のPWだと思い環境の考察を始めましたが、今となっては誤解だったと思います――《時を解す者、テフェリー》がさらに強力な、現環境で最も強いPWだと言えるでしょう。


原則、全記事全文無料で公開していますが、モチベーション維持や更新頻度の向上、家族サービス費用、コンテンツ精度の確保等のため、あなたからのサポートを随時お待ちしております。たとえ少しずつでもご支援いただければ、これほど嬉しいことはありません。よろしくお願いします!