【拙訳】ボロスフェザーでGPカンザスシティのTOP8に入賞した件 by Brian Boss(Channel Fireball)

 https://www.channelfireball.com/articles/taking-boros-feather-to-the-top-8-of-grand-prix-kansas-city/

 もはやハゲの入っていないデッキというだけで好感が持てますね(投げやり)。覚前プロが台北でTOP8入賞したのもボロスフェザーだったような。環境初期から細々と存在し続けるデッキでありながら、解説記事もなかなか出て来なかったので、いつも通りふわっと訳してみます。
 個人的にも(カードは安いので)組んでみましたが、カード同士の相互作用が非常に複雑で、使いこなすのは難しい印象です。この記事よりも詳細な使用ガイドの登場を望みます。

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Taking Boros Feather to the Top 8 of Grand Prix Kansas City
By Brian Boss // 10 Jun, 2019

 正直に告白します――私は、ボロスフェザーが先週のGPに持ち込むべき良いデッキだとは思いませんでした。早くカタが付くし、楽しいし、、、そもそも私はモダンをメインで楽しんでいるため、メインイベントはほどほどに、サイドイベントに精を出そう――なんて考えていたのです。そんなわけで早々に負けてドロップ、なんて期待をしていましたが、望外のラッキーが重なって、対戦相手もツキが悪い、などが重なり、なんだかんだで1日目を無敗で駆け抜け、TOP8まで転がり込み、準決勝まで駒を進めることができました。

【デッキリスト】

Boros Feather
Brian Boss
lands
4《断崖の避難所/Clifftop Retreat》
4《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
5《山/Mountain》
8《平地/Plains》

creatures
4《アダントの先兵/Adanto Vanguard》
4《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist》
4《第10管区の軍団兵/Tenth District Legionnaire》
4《贖いし者、フェザー/Feather, the Redeemed》
3《ブリキ通りの重鎮、クレンコ/Krenko, Tin Street Kingpin》

spells
4《果敢な一撃/Defiant Strike》
4《戦いの覚悟/Gird for Battle》
3《無謀な怒り/Reckless Rage》
2《サムトの疾走/Samut's Sprint》
3《防護の光/Sheltering Light》
4《ショック/Shock》

sideboard
2《治癒の恩寵/Healing Grace》
1《無謀な怒り/Reckless Rage》
1《防護の光/Sheltering Light》
3《溶岩コイル/Lava Coil》
4《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》
1《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》
2《軍勢の戦親分/Legion Warboss》
1《軍勢の切先、タージク/Tajic, Legion's Edge》

 私のデッキ構築の方向性は「早くて危険」です。多くの人が《購いし者、フェザー》を機能させようとしていましたが、私はデッキの安定性でなく、貪欲な構築を目指しました。《門》をカットすることでマナトラブルは起きやすくなりますが、土地のタップインはなくなりました。土地は21枚まで削り、切り詰めたマナでもキャストできるようマナカーブのトップは3マナにしました。《サムトの疾走》との相性がいい《クレンコ》、また《ギデオン》を加えています。

 望外の結果に、欲はすべて吐き出されました。《クレンコ》はこの週末に対戦相手を圧倒し、対戦相手が立て直せない盤面優位を築きあげました。《疾走》は予想外の角度から攻撃が飛んでくるため、相手のPWはことごとくこちらの速攻クリーチャーに倒されました。3枚目の土地を置けない、もしくは3ターン目までマグロだった対戦相手は完全にお咎めを受けていました。


 私のマッチはどれも一瞬で決着がつきました。平均して大体30分ぐらいはマッチの間に休憩できたのではないでしょうか。時間をかけたのはマリガン判断です。このデッキがどのようにできているのかを考え、何が起こるのかをいろいろと考えました。私のマリガン判断方程式を紹介しましょう。

1)赤マナと白マナが両方生み出せる組み合わせの2~4枚の土地が手札にある。

2)最低1枚キャストできる脅威(クリーチャー等)がある

3)最低1枚、非クリーチャー呪文がある

4)上記1~3を満たすまで、トリプルマリガンまでは許容する。

 何回もマリガンし過ぎてMTGAが恋しくなりました(笑)。トーナメント上では、2回ほど初手が4枚、何回も5枚になりましたが、大体は6枚でキープしていました。貪欲になるとこうなります。よろしく!

【デッキ別プレイ指針とヒント】

 対戦相手がこちらの脅威に対抗できるかどうかでマッチが決まります。《フェザー》や《秘儀術師》が早めに戦場に定着したなら、ほぼ勝ちです。相手が単色ならほぼ勝ちです。実際に当たったのは赤単だけでなく青単(Round4)や緑単ランプ(Round12)もありました。

 各種《戦慄衆の指揮》系やゴルガリ土地破壊も例にもれずデッキの初動が遅く、PWに頼り切りなため、ボロスフェザーにとっては与しやすい相手です。グルールアグロやバントランプは速度をある程度コントロールできるため、接戦となります。エスパーヒーローは構築に幅があり、相手の構成次第といったところです。相手のクリーチャーが多いほど、こちらには有利になります。

 詳細な記録は取っていませんでしたが、マッチアップごとの結果は下記の通りです。

・赤単:3-0

・《戦慄衆の指揮》:3-0

・バントランプ:3-0

・エスパーヒーロー:1-1

・ゴルガリ土地破壊:1-0

・緑単ランプ:1-0

・青単テンポ:1-0

・グルール:0-1

・ジェスカイPW:0-1

 おそらく赤単への最高の回答は《治癒の恩寵》でダメージを軽減しながらライフを回復し、《フェザー》で毎ターン使いまわすことだと思います。赤単に苦しんでいるならお試しあれ。このデッキは赤単に強く、この日は相手の《実験の狂乱》が振るわなかったこともあり、3戦で6-0のパーフェクトレコードを記録しました。

 デッキの最大のブン回りは、2ターン目の《戦慄衆の秘儀術師》から3ターン目《第10管区の軍団兵》+《戦いの覚悟》と繋ぎ、3ターン目に9点クロックを叩き出し、おまけに占術を行うことです。私の試合のうち2ゲームは3ターン目のブン回りが決まりGGでした。40分も残っていたので、ランチ休憩が取れました(笑)。

 緑系デッキに対して5回以上《無謀な怒り》を使いまわして勝ったこともあります。緑系相手には数回、相手の戦場を空っぽにしてから攻め込んで勝つようなこともありました(相手の《世界を揺るがす者、ニッサ》でクリーチャー化した土地も含みます)。このシナジーは単なるギミック以上の強さがあり、私の気に入っている妨害要素のひとつです。

 準々決勝でのバント戦の3ゲーム目、《クレンコ》+《疾走》の組み合わせをキープしました。4ターン目までに相手のマナクリーチャーに《ショック》を2回打ち込み減速させ、4ターン目をあえてパスしたところ、相手は《テフェリー》を守らずにクリーチャーで攻撃を仕掛けるミスを犯しました。《クレンコ》の攻撃で《テフェリー》の忠誠値が1になり、加えてトークンの群れが生まれましたが、相手の《拘留代理人》はトークンよりも《クレンコ》を対処せざるを得ず、《拘留代理人》は倒されてしまいました。

 《トカートリの儀杖兵》はこの週末大活躍でした。探検パッケージを機能不全に陥らせることから、《拘留代理人》《人質取り》《殺戮少女》といった除去手段を封じこめるということまで、かなりうまく機能しました。この日もおそらく4ゲーム程度は、相手の《人質取り》《代理人》をおとなしくさせておくことで、盤面をコントロールさせないようにして勝っています。

【もうちょっと欲張りなリスト】

lands
4《聖なる鋳造所/Sacred Foundry》
4《断崖の避難所/Clifftop Retreat》
2《ボロスのギルド門/Boros Guildgate》
4《山/Mountain》 (343)
7《平地/Plains》 (331)

creatures
4《戦慄衆の秘儀術師/Dreadhorde Arcanist》
4《第10管区の軍団兵/Tenth District Legionnaire》
3《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》
4《贖いし者、フェザー/Feather, the Redeemed》
3《ブリキ通りの重鎮、クレンコ/Krenko, Tin Street Kingpin》

spells
4《果敢な一撃/Defiant Strike》
4《戦いの覚悟/Gird for Battle》
4《防護の光/Sheltering Light》
3《ショック/Shock》
3《無謀な怒り/Reckless Rage》
2《サムトの疾走/Samut's Sprint》
1《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》

sideboard
3《治癒の恩寵/Healing Grace》
3《溶岩コイル/Lava Coil》
2《強撃/Thrash》//《脅威/Threat》
2《黒き剣のギデオン/Gideon Blackblade》
2《軍勢の戦親分/Legion Warboss》
1《軍勢の切先、タージク/Tajic, Legion's Edge》
1《トカートリの儀仗兵/Tocatli Honor Guard》
1《無謀な怒り/Reckless Rage》

 インターネット上でメイン《トカートリ》が議論されていますが、どうか最後まで読んでください。《アダントの先兵》はこのデッキには合いません。すべてのマッチアップでサイドボード後は何枚か減らしていました。能力によって除去から守れるといっても、大型クリーチャーや《第1管区》のトークンには無力なままです。とはいえデッキにフィットする2マナ域が必要で、後半引いても腐らないクリーチャーが求められます。4~6ターン目には、とにかく複数回行動が重要ですが、3マナ域を絡めるには重すぎます。《トカートリ》が必要ないマッチアップも十分にありますが、それ以上に必要なマッチも多くあり、その中には彼の能力でこちらのクリーチャーを除去から守ることができるマッチもあります。このデッキの《防護の光》は非常に強力ですが、それでも《クレンコ》や《フェザー》を《代理人》や《人質取り》から守る方法は必要なのです。

 残りの変更点は簡単なものです。2枚の《ギルド門》でマナベースを改善、4枚目の《ショック》を《防護の光》に戻し除去への耐性を改善、メインとサイドに《ギデオン》を増量。大型クリーチャーを対処するための除去を数枚加えているリストもありますね。私がGPで使ったリストは反省点が多いものでした(TOP8に残りはしましたが、それでもいいリストとは思えません)が、このリストですら既に時代遅れになりつつあると感じています。

【ミシックチャンピオンシップの招待に関する付記】

 何人かのプレイヤーに、どういう形で招待されるのかを聞くと、プレイヤーは旅費を払わなければならないそうです。私は個人的に他のMCQイベントをプレイしませんでしたので、「優勝」に向けた意欲というのもありません。TOP8にたまたま入賞し、そのおまけとして招待を受けたわけですが、その件を問い合わせ、すぐにお断りしました。バルセロナに着いて行く予定もないですし、個人的にはその地域、地元のプレイヤーをウィザーズが招待すべきだと思いますので、そうしないことは何か奇妙に思えます。現在のウィザーズの方針により、私の「賞」はほろ苦い味となりました。もう忘れることにします。

 これが私の最初のトーナメント記録となりました。これからも書ける機会があると思います、その時にまたお会いしましょう!

 Brian Boss

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