【拙訳】「灯争対戦」スタンダード環境に最適なエスパーデッキ by Andrea Mengucci(Channel Fireball)

 https://www.channelfireball.com/articles/the-best-esper-deck-in-war-of-the-spark-standard/

 みんな大好きAndrea Mengucci先生の攻略記事だぞ。個人的にあまりエスパーに興味がないので訳がいつにも増して適当です、詳細は上記リンクからご確認ください。

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The Best Esper Deck in War of the Spark Standard
By Andrea Mengucci // 4 Jun, 2019

 「灯争対戦」がスタンダードに参入してから、エスパーデッキは環境の大きな位置を占めています。エスパーコントロール、ミッドレンジ、エスパーPWといったデッキが見られます。幾分かの練習をこなした後、私は《第1管区の勇士》入りエスパーミッドレンジがこの中でも抜きんでている、とある程度の確信を持って伝えることができます。

 そう思う期間がずっと続いていたわけではありません。かなりの回数エスパーヒーローを回しましたが、このカードを気に入った瞬間というのはありませんでした。そうですね、《正気泥棒》は時々、《触れられざる者、フェイジ》になり得ますが、《時を解す者、テフェリー》や《ゴルガリの女王、ヴラスカ》、また赤いデッキには役立たずです。そのため私は他の戦略も含めて試し続け、《戦慄衆の指揮》デッキに行きつきました。
 先週の日曜日、Martin Mueller(プラチナプロ・プレイヤーで、MC(プロツアー)で過去2回のTOP8経験があります)がArena MCQでTOP16に残りました。彼のエスパーには《正気泥棒》が1枚も採用されていませんでしたが、《覆いを割く者、ナーセット》が代わりに投入されていました。このアイデアをいたく気に入った私は早速これを試し、結果は大成功でした。

Esper Hero in Standard
Andrea Mengucci

lands
4《神無き祭殿/Godless Shrine》
4《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
4《湿った墓/Watery Grave》
4《孤立した礼拝堂/Isolated Chapel》
4《氷河の城砦/Glacial Fortress》
4《水没した地下墓地/Drowned Catacomb》
1《平地/Plains》
1《沼/Swamp》

creatures
4《聖堂の鐘憑き/Basilica Bell-Haunt》
4《第1管区の勇士/Hero of Precinct One》

spells
1《アズカンタの探索/Search for Azcanta》
1《古呪/The Elderspell》
1《灯の燼滅/Despark》
4《思考消去/Thought Erasure》
3《暴君の嘲笑/Tyrant's Scorn》
3《ケイヤの誓い/Oath of Kaya》
1《戦慄衆の指揮/Command the Dreadhorde》
4《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
3《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
4《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》
1《戦慄衆の将軍、リリアナ/Liliana, Dreadhorde General》

sideboard
1《喪心/Cast Down》
1《戦慄衆の指揮/Command the Dreadhorde》
2《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》
1《灯の燼滅/Despark》
2《強迫/Duress》
1《イクサランの束縛/Ixalan's Binding》
3《ケイヤの怒り/Kaya's Wrath》
3《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
1《古呪/The Elderspell》

 このリストが私が5日間試した結果の最終です。これに非常に近いデッキを先週のFandom Legents Tournamentで試し、TOP8に入賞しましたが、その間にバントランプに2回負けただけでした。
 今日は、皆さんも聞きたがっている疑問にお答えしたいと思います。

【なぜ《覆いを割く者、ナーセット》は《正気泥棒》より優先?】

 《正気泥棒》はメタゲーム上でいい位置にいません。シミックカラーのコンボデッキ(ランプやネクサス)には非常に効果的ですが、他のデッキに対しては役立たずになります。環境に《ショック》を使っているデッキが多すぎること(赤単、グルール、イゼットフェニックス)と、PWが環境に多すぎて、戦場に出たときにすぐ仕事をしない3マナ域に価値がないからです(《テフェリー》と《ヴラスカ》、主に君たちのせいだ)。
 一方《ナーセット》は《ハイドロイド混成体》《テフェリー》やフェニックス系デッキ(-2能力をすぐに使わずにおくことで、《稲妻の一撃》や《弧光のフェニックス》の一撃で落とされず、ハンドを締め付けることができます)に有効です。3ターン目に唱えることは青マナ源が16枚のデッキでは厳しいかもしれませんが、ゲーム後半でマナフラッドに陥っているとしても彼女は活躍できます(このデッキは往々にしてそうなります)。


【なぜ《聖堂の鐘憑き》は《精鋭護衛魔道士》より優先?】

 P/Tが一回り大きいということは、赤単相手だけでなく《ニッサ》や探検クリーチャーにも強い、ということになります。1体の《聖堂の鐘憑き》がいるだけで自軍のPWを完璧に守ることができます。《精鋭護衛魔道士》は飛行持ちとはいえ、青単テンポや《正気泥棒》が減っている現状、そこまで飛行が重要ではありません。《鐘憑き》はマナ拘束が厳しいですが、それだけの価値が確かにあります。


【なぜ《第1管区の勇士》は毎回サイドアウトするのにメイン採用?】

 《第1管区の勇士》は相手PWへの牽制、そして自軍PWの守りと攻防にわたって非常に柔軟な役割を担うこのデッキの核です。ミッドレンジにおいては、メインデッキでプロアクティブな戦略を持ちつつ、サイドボード後はリアクティブなデッキとして振る舞うのがベストな戦略だと考えています。サイドボード後にギアチェンジをすることは、対戦相手の予定を狂わせるだけでなく、確実なサイドボードやプレイの方向性が定まらない場合でも、ゲームの間にアプローチの方向性を決める助けになります。デッキリストが公開されていたとしても、相手からすれば、こちらがどういった方向性でプレイする予定なのかを決定づけることはできないのです。


【なぜエスパーに《戦慄衆の指揮》?】

 《戦慄衆の指揮》はスタンダードで最も過小評価されているカードの1枚だと思います。最初はスゥルタイでプレイする人の気がしれなかったし、4Cリアニなんてデッキは冗談がキツイと思いました。しかし、このカードは素晴らしいものでした。このデッキには《聖堂の鐘憑き》や《ケイヤの誓い》といったライフゲインが十分に詰め込まれています(そして《テフェリー》で再利用できます)ので、《戦慄衆の指揮》で一気に勝つことができるのです。《戦慄衆の指揮》はデッキの中で一番強力なカードなので、欲しいマッチアップはたくさんあります。

 Fandom Legends Tounamentでは、Sjowとのゲームでほぼ負け確盤面だったところを、ライフが20残っていたおかげで、3体のPWを更地の盤面に呼び込み掌握、そのままゲームに勝つことができました。ありがとう《指揮》!


【なぜ《ドビンの拒否権》は不採用?】

 答えは単純です:《時を解す者、テフェリー》がいる環境で打ち消しを使いたくないからです。

 《テフェリー》は普通に使うだけでも十分偉大なカードですが、《ドビンの拒否権》《エリマキ神秘家》《約束の終焉》といったカードに相対する時はいっそう輝きます。私は彼が非常に多く使われているメタでは、この影響を受けないデッキをプレイしたいと思います。私のデッキがソーサリースピードで動くカードが多いのはそういった理由です。


【なぜ《屈辱》は不採用?】

 ほとんど環境にエンチャントを見ないからです(強いて言えば《実験の狂乱》ですが、これは何を用意したところで厄介です)。私は《ケイヤの誓い》のほうがよっぽどいいと思います、なぜなら《ナーセット》や大小《テフェリー》を倒しつつライフを得られ、自身の《テフェリー》で再利用できるからです。2番目の能力はアグロデッキに対して非常に強く、私はよく3ターン目に《ケイヤの誓い》をプレイし、《テフェリー》のマイナス能力で再利用することでライフを十分得ておくことができるのです。


【サイドボード・ガイド】

■赤単

OUT
《戦慄衆の指揮/Command the Dreadhorde》
《戦慄衆の将軍、リリアナ/Liliana, Dreadhorde General》
《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
《古呪/The Elderspell》
《時を解す者、テフェリー/Teferi, Time Raveler》
《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》
IN
《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
《イクサランの束縛/Ixalan's Binding》
《灯の燼滅/Despark》
《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》
《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》
《喪心/Cast Down》

 このマッチアップは有利です。相手クリーチャーに対する十分な妨害があります。相手の強力なカードは《実験の狂乱》《無頼な扇動者、ティボルト》《チャンドラ》ぐらいのものでしょう。
 《ライラ》はゲームを速やかに終わらせてくれます。3枚入れるのは主にイゼットフェニックス対策の意味合いが大きいですが、赤単戦のマッチアップも改善してくれます。

■エスパーミッドレンジ

OUT:
《第1管区の勇士/Hero of Precinct One》
《第1管区の勇士/Hero of Precinct One》
《第1管区の勇士/Hero of Precinct One》
《第1管区の勇士/Hero of Precinct One》
《暴君の嘲笑/Tyrant's Scorn》
《暴君の嘲笑/Tyrant's Scorn》
IN:
《灯の燼滅/Despark》
《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》
《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》
《戦慄衆の指揮/Command the Dreadhorde》
《古呪/The Elderspell》
《喪心/Cast Down》

 対戦相手がどんなバージョンをプレイしているかによります。もし相手が《正気泥棒》を使っているならこんな風にサイドボードします。そうでなれば《肉儀場の叫び》は入れません。


■4色《戦慄衆の指揮》

OUT:
《聖堂の鐘憑き/Basilica Bell-Haunt》
《聖堂の鐘憑き/Basilica Bell-Haunt》
《聖堂の鐘憑き/Basilica Bell-Haunt》
《聖堂の鐘憑き/Basilica Bell-Haunt》
《暴君の嘲笑/Tyrant's Scorn》
《暴君の嘲笑/Tyrant's Scorn》
《ケイヤの誓い/Oath of Kaya》
IN:
《強迫/Duress》
《強迫/Duress》
《古呪/The Elderspell》
《灯の燼滅/Despark》
《戦慄衆の指揮/Command the Dreadhorde》
《ケイヤの怒り/Kaya's Wrath》
《ケイヤの怒り/Kaya's Wrath》

 《第1管区の勇士》+《ケイヤの誓い》パッケージは残しておきます。ゲームで引いた手札に対してプランを組み立てることが多いです。《第1管区の勇士》で攻めていくゲームがほとんどですが、探検+《野茂み歩き》の展開を《ケイヤの怒り》でまとめて流す展開も考えられます。
 《聖堂の鐘憑き》はクリーチャーに対しては強力ですが、《タミヨウ》に対して非常に相性が悪いです。ただし相手が複数の《ニッサ》を採用している場合は、土地が3/3になるため残しておきます。その場合は、4枚《勇士》をアウト、3枚《鐘憑き》を残し、3枚目の《ケイヤの怒り》を入れます。


■イゼットフェニックス

OUT:
《ケイヤの誓い/Oath of Kaya》
《ケイヤの誓い/Oath of Kaya》
《ケイヤの誓い/Oath of Kaya》
《暴君の嘲笑/Tyrant's Scorn》
《暴君の嘲笑/Tyrant's Scorn》
《暴君の嘲笑/Tyrant's Scorn》
《戦慄衆の将軍、リリアナ/Liliana, Dreadhorde General》
《戦慄衆の指揮/Command the Dreadhorde》
《古呪/The Elderspell》
《聖堂の鐘憑き/Basilica Bell-Haunt》
IN:
《強迫/Duress》
《強迫/Duress》
《灯の燼滅/Despark》
《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》
《肉儀場の叫び/Cry of the Carnarium》
《イクサランの束縛/Ixalan's Binding》
《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
《喪心/Cast Down》

 一番不利なマッチアップです。《弾けるドレイク》に対処するのは非常に難しいです。メインが不利な分サイドボード後は対策をしっかり入れていますが、それでもどうか、といったところです。相手にとって、《否認》で避けられない《ライラ》が一番の脅威になり、ライフレースを挑むことができるようになります。
 先手の際のサイドボードはこのようになります。《軍族の戦親分》は入ってこないでしょうから、相手の《サヒーリ》にプレッシャーをかけていきましょう。3ゲーム目では《勇士》の代わりに《ケイヤの怒り》を入れます。


■グルール

OUT:
《戦慄衆の指揮/Command the Dreadhorde》
《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》
《第1管区の勇士/Hero of Precinct One》
《第1管区の勇士/Hero of Precinct One》
《第1管区の勇士/Hero of Precinct One》
《第1管区の勇士/Hero of Precinct One》
《ドミナリアの英雄、テフェリー/Teferi, Hero of Dominaria》
IN:
《灯の燼滅/Despark》
《イクサランの束縛/Ixalan's Binding》
《ケイヤの怒り/Kaya's Wrath》
《ケイヤの怒り/Kaya's Wrath》
《ケイヤの怒り/Kaya's Wrath》
《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
《黎明をもたらす者ライラ/Lyra Dawnbringer》
《喪心/Cast Down》

 《無効皮のフェロックス》には注意してください。《聖堂の鐘憑き》の返しに飛び出てきます。《ライラ》がプランAですが、相手が《クロールの銛打ち》や《争闘//壮大》をプレイしてくるようであれば《思考消去》《暴君の嘲笑》が役立ちます。《肉儀場の叫び》は《茨の副官》が大流行していて《軍族の戦親分》が減った最近ではサイドインはしたくないです。

■シミック/バントランプ

OUT:
《ケイヤの誓い/Oath of Kaya》
《暴君の嘲笑/Tyrant's Scorn》
《暴君の嘲笑/Tyrant's Scorn》
《暴君の嘲笑/Tyrant's Scorn》
《戦慄衆の将軍、リリアナ/Liliana, Dreadhorde General》
《古呪/The Elderspell》
IN:
《ケイヤの怒り/Kaya's Wrath》
《ケイヤの怒り/Kaya's Wrath》
《ケイヤの怒り/Kaya's Wrath》
《戦慄衆の指揮/Command the Dreadhorde》
《強迫/Duress》
《強迫/Duress》

 《勇士》と《ケイヤの怒り》を同居させるという歪な残し方をします。なぜかというと、大型クリーチャーと《ニッサ》でクリーチャー化した土地に対抗するには全体除去が必要だからです。とはいえ相手は《エリマキ神秘家》をプレイしてくるので、《第1管区の勇士》で戦場を制圧して速やかに勝つ必要があるからです。

■ジェスカイPW

OUT:
《暴君の嘲笑/Tyrant's Scorn》
《暴君の嘲笑/Tyrant's Scorn》
《暴君の嘲笑/Tyrant's Scorn》
《戦慄衆の将軍、リリアナ/Liliana, Dreadhorde General》
《聖堂の鐘憑き/Basilica Bell-Haunt》
IN:
《強迫/Duress》
《強迫/Duress》
《古呪/The Elderspell》
《灯の燼滅/Despark》
《戦慄衆の指揮/Command the Dreadhorde》

 このマッチアップは接戦になります。《古呪》へのアクセスがゲームの鍵になります。相手の忠誠度に気を払いながら、《テフェリー》はなるべく早く戦場に定着させるようにします。先週の配信でZan SyedとJeremy Dezaniのジェスカイに勝つことができましたが、興奮する試合でした。《ナーセット》はMVPでした、彼女のおかげで《正気泥棒》よりも簡単にゲームに勝つことができたのです。

 配信ではもっとこのデッキについて教えたいと思います、なんといってもこのデッキが今一番のお気に入りですから!


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