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新任紹介/堀口剛【"教える"ことに向き合う】

この4月に東京経済大学に着任した特命講師の堀口剛です。こちらの投稿ですでに私の授業の一つ「身体表現ワークショップ」が紹介されていますが、東経大では主にコミュニケーション論や日本語ワークショップといった科目を担当しています。また、学生のみなさんのレポート・卒論のライティングのサポートも行っています。以下では、自己紹介をかねて授業でどのような内容を扱っているのかについてお話ししたいと思います。

まず、コミュニケーション論の内容から紹介していきます。これは「あたりまえ」のコミュニケーションを見直すことをテーマとしています。わたしたちは単独で存在しているのではなく、人々と関係するなかで生きています。そこでは他者とコミュニケーションを行うことが欠かせません。しかしながら、私たちはコミュニケーションについて日常的に行っており、そのことについて気に留めることはめったにありません。では、そうした「あたりまえ」のものとして行っているコミュニケーションの仕組みとはどのようなものなのでしょうか。この講義では、普段何気なく行っているコミュニケーションについて、あらためて反省的にとらえなおす視点を身に着けてもらうことを目標としています。

つづいて「日本語ワークショップ」ですが、こちらは大きく2つの内容にわかれています。ひとつがレポート・論文の書き方の基礎を身につけるもので、もうひとつが先行研究レビューの書き方を身につけるものです。

レポート・論文の書き方の基礎については、これまでに学生のみなさんが書いたレポートを持ち寄って相互検討を行うワークショップを行っています。大学生がレポートの提出を求められる機会は数多くあります。そして、そのレポートの出来は成績に大きく影響します。具体的にどのようにレポートを書いたらよいのか悩んでいる学生さんも少なくないと思います。では、よいレポートの条件とはどのようなものでしょうか。そこで大事になってくるのがレポートの「型」です。「型」に沿って書くことで、レポートの質はより良いものにできます。こうした「型」を身につけることがこの講義の目標です。

一方、先行研究レビューの書き方ですが、先行研究レビューを読んだり、実際に書いたりしていくワークショップになっています。ゼミ論や卒業論文といったアカデミックな文章を書く際に、先行研究レビューは欠かすことはできません。「巨人の肩に乗る」といった言葉がありますが、アカデミックな研究とは先人たちによって行われた先行研究の積み重ねに基づいて成立するものです。先行研究レビューでは、ただ先行する研究を並べて取り上げればいいわけではありません。これまでの研究でどのようなことが述べられてきたのかを明らかにしたうえで、それをふまえてどのような点が課題なのかをまとめていくことが必要となります。しかし、こうした先行研究レビューを書くことはなかなかに難しい作業です。そこでこの講義では、その書き方のポイントについて学んでもらっています。

 着任から半年が経過し、新しい環境でさまざまな刺激をもらいながら充実した日々を過ごさせてもらっています。私自身、これからも学生のみなさんと真摯に向き合いながら、ともに考え、高めていける関係を築いていければと考えています。

(堀口剛)


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