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英語ができなくても国際コミュニケーション学科で学べますか?

 コミュニケーション学部の光岡です。本学では8月に4日間、万全の新型コロナウイルス感染予防体制のもと対面でのオープンキャンパスを実施しました。数多くの高校生の皆さん、そして御父母の皆さんと直接お話する機会をもつことができ、ホッとしています。

 さて、これから高校生の皆さんは志望校の選択をされるわけですが、僕が対応していて気になった質問に一点、学部の一教員としてアドバイスを。それは、「私/僕は今英語が出来ないんですけど、国際コミュニケーション学科に入って海外に行けるでしょうか?」という質問です。複数回聞かれたのですが、ここには二つの不安があるのだと思います。一つは、英語の力が今十分ではないが、学科の勉強についていけますかという不安。もう一つは、十分ではない英語力で異文化体験(海外研修)は可能なのかという不安です。

 一点目については、「問題ありません」と僕は答えています。というのは、語学というより言語というコミュニケーションの核になるツールは、高校3年間だけで固まるようなものではないからです。言い換えれば、一生磨き続けるしかないものなので、これから勉強する意志さえあれば、十分に伸ばせます。僕自身、20代後半に1年半ぐらいロンドンで留学生活を送った経験があります。それでも、現在国際学会やその際の研究者とのやりとりは英語で行うものの、大抵帰りの飛行機では自分の英語のできなさ具合に落ち込み、反省し、日本に帰ってから英語の勉強を継続するということを10年以上繰り返しています。このように、ご自身が英語を生活のなかで使いたいという気持ちがあって、勉強に取り組む意欲があるのであれば、国際コミュニケーション学科をきっかけに英語と付き合っていくことを我々としては歓迎します。

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留学時代に住んでいたSurrey Quaysの様子。岸辺のベンチでこの風景を眺めながらフラットメイトと何気ない会話を交わす時間が、僕にとっての生きた英語学習でもあった。

 二点目については、中長期の留学については難しさはあるかもしれません。というのも、ご本人にとって十分な成果が得られるか、また、留学中の安全性という二つの観点から中長期留学については最低限の英語力が求められる可能性があるからです。ただ、それ以上に国際コミュニケーション学科で重要だと考えているのは、20歳前後の多感な時期に、自身と異なる文化や習慣を持つ人々の生活を実際に体験し、その経験を4年間の学びのなかに反映させることです。短期の海外研修であれば、多少英語に自信がなくても十分に楽しめると思いますし、実は英語で上手く話せなくてもコミュニケーションが成立してしまったり、言語の運用能力以上に「伝えたい/知りたい」という意志がコミュニケーションの原体験であるという実感を得ることもとても大切だったりします。

ということもあり、国際コミュニケーション学科の出願にあたって英語が「今」できないことを過度に気にする必要はありません。それが自覚できていること自体は前向きに取り組むための第一歩ですし、今後の受験にあたって、そして入学後も継続的に英語と付き合える感覚があれば、是非受験を検討して頂ければと思います。そういった意欲を持つ高校生を、私たちも楽しみに待っています。

(光岡寿郎)

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