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シェフ達の戦声 ~宝塚ホテル「朝月希和MS」より~

 2022年 11月21日 月曜日 宝塚ホテルにて「朝月希和ミュージックサロン」が開催されました。本番直前の中止発表から一転。奇跡的に開催。この様な前例のない状況の中、出演者は勿論、それに携わるスタッフは流石!と唸らせるような早業で全ての段取りを組み直していました。やるべき事の日程を変更したまで…と申すなかれ、3回公演全てのチケットを払い戻し、1回分の超プレミアチケットを改めて販売し直し、新しい日程のメニュー表を期限までに作り直し、お料理の材料を再注文。急遽入ったイベントとそれまでに受注していたイベントとの入れ替え作業を調整する為、舞台セットの搬入は夜中から行い、準備から本番までの予定が空いているスタッフを急遽かき集め、遠方からのお客様の宿泊キャンセルと新しい予約を取り直していました。
 この非常事態に全スタッフがお客様のMS(ミュージックサロン)を観たい!という想いに最善を尽くす為に奮闘していました。全ての事柄の中に人間ドラマがある筈ですが、今回は1回のショーで200人以上のお料理を作り出す、シェフ達に焦点を当ててみようと思います。
 私が宝塚ホテルに来て驚いた事の一つにディナーショーで振舞われる料理提供の技術があります。一晩に200人以上の料理…2回公演なら400人以上のお料理を作る。シェフ達は、綿密な打合せとシュミレーションを重ねて本番に挑んでいます。

 お料理提供に大切なのは、「美味しい」は勿論ですが、その前に「安全に」ということを考えなくてはなりません。その為にはまず、様々なセクションと協力し合い、「安心・安全」なメニューを申請致します。
 本番の前々日までには注文した材料が入荷されます。下処理をして、前日にはカットしていきます。当日の朝は、事前にオードブルとデザートをお皿に盛り付け。

オードブルの盛り付け
デザートの盛り付け

隣ではショーのリハーサルが行われています。
髪の毛1本入る事は許されないので、異物が混入しない様に
写真の様に列になって順番に行われます。
 
本番前、ここには200人分のお料理が並びます。

食事スタート前に、お料理が整然と陳列しているのは何となく芸術的。

先ずはオードブルの配膳。どんなに素敵に仕上げてもお届けするまでに盛り付けが崩れたり、慌ただしく運んではショーを観る前の特別な気分が失われてしまいます。

 配膳サービスはこの様に順番に並んでお料理を受け取る。

その後、パンとメイン。この2つは温かい状態で提供する事が大切。「味」は勿論大切ですが、「温かい事」が何より美味しいと感じさせます。

パン
メイン

ホテルではこの写真の様に、ホットウォーマーで提供直前まで温めています。温かいものは温かく・冷たいものは冷たく、そのお料理を最適な状態で提供すること。 
最後はデザート!!デザートになると、そろそろショーが始まる!とお客様はそわそわし始めます。

デザート

この様にして、皆様の前にお料理はやってきます。
「ホテルで一番怖いのは、火事と食中毒です。」ホテリエ達は口を揃えてそう言います。料理を作る途中に何かが紛れ込んだり、調理中に思わぬところで事故に繋がる可能性もあります。そして、どんな準備をしていても、段取りが狂うと上手く提供出来ません。

ショー終了後、
「あー、楽しかった!」
「最高でした!!」
「お料理美味しかったです!!」
「希和ちゃん素敵だった!」
この一言の為に…
貴方の目の前にお料理が運ばれてくる。それは、何か月も前から熟考され、沢山の人が関わりながら、作り上げたシェフ達の逸品です。
ショーの前にお食事をいただく。食事の時間が素敵でないとショーの感動は半減してしまうでしょう。全ての時間を特別に…それはなんて時間と準備と工夫と経験と集中力の必要な作業だろうか…
そこに合わせて夢や理想も…
今回は突然の出来事だったけれど、無事終了!
ありがとうございました。
また、お待ちして下ります!! 

すーさん

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