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「ツウ」なファンの声価、観劇のススメ…

 なかなか良いニュースが無い今日この頃…皆様どの様にお過ごしでしょうか?先日、星組の全国ツアー公演を観劇いたしました。とりあえず、幕が開いている事に感謝(その時点では…)。そんな時代になるなんて誰が予測したのか…タカラジェンヌのキラキラした笑顔に癒されずにはいられない。どの作品でも、彼女たちの弾けるエネルギーに何故か感動してしまうのは私だけでは無いでしょう?それは生きる事の瑞々しい輝きなのか…
急な出来事が起こり得る、こんな時だからこそ、後悔の無い観劇にしたい。

 そんなタカラジェンヌだった私が語る「ツウ」な観劇とは?について今日は解説していきたい。

  お稽古と言うのは40日と言われていて、そこからお休みを引いて、最後の2日間の舞台稽古とお稽古場での通し稽古3日間を引くと、実際のお稽古は30日とちょっとしかないと思う。そして芝居とショーがある時はそれを半分に分けるので、15日位ずつしかないのである。その限られた日数の中で、1時間35分の芝居と55分のショーの台詞と振りを覚えて、そこに役の感情の流れを肉付けしていく。役を与えられるのは、スターさん以外殆ど集合日が初めてだから、時代の資料はかろうじて集合日前に集められたとしても、役の情報やイメージを創る為の資料はお稽古が始まってからになる。そんな忙しいお稽古の中、お衣裳合わせや鬘の飾り制作、CS放送の番組収録、アクセサリーの買い出し、歌劇やグラフの撮影や取材等をモリモリこなしてきた我ら。

 つまり何が言いたいかと言うと、大劇場のお稽古は一番忙しい(笑)つまりその初日は余裕なんてほぼ無いのである。ただ幕が開いた喜びと初めてお客様の前で披露する高揚感がある。そしてお客様もまた緊張をしている事を生徒もひしひしと感じて、よりハクハクする。そんなドキドキが観たい方、是非初日をご覧下さい。私は初日を観たい派ではありません。観たら生徒と一緒にドキドキするから(笑)

 大体において大劇場の公演は一か月と長くて十日程である。三週間目の火曜日に新人公演があり、それが終わると一気に二週間ほどで千秋楽になる。私がいつも観るのは二週間目か四週間目が一番良いと思っている。叶うならどっちも観ると最高の「ツウ」な観方。一回目と二回目の違いを見つけて一人ニヤニヤしたい。新人公演は自分の役を客観的に観るので、意識せずともその後の公演で自分の役が少し変わってしまう所がある。だから新人公演前と新人公演の後に観ると芝居に違いが出て面白いのである。また新人公演が終わるとどことなく千秋楽ムードになるので(退団者の飾りつけや次回公演の出演者発表等)気分も盛り上がってくる。

生徒は微妙な気持ちと身体の波を感じながら、公演をこなしている。毎日同じクオリティで舞台に立つのがプロ?いやいや、違います。大きな感情の波を感じながらも、その波を上手く利用して舞台に立つ…心の波が無い舞台人などつまらないと私は思う。そんな姿に胸打ち、また乗り越えられない事に苦しんでる姿もまた美し…「ツウ」なファンはそれを踏まえて応援してみて欲しいなと思う。今までと違った気持ちで推しが見えて来る様な…

大劇場は今日も幕があいた。
小さな事にホッとする、私の心…

すーさん

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