UXリサーチャーにもシステム思考が有効

ここ数年間、アフターデジタルなどの著者でもある、beBit藤井保文さんや慶応SDMの白坂成功先生、山崎真湖人先生と一緒に、
より自由で豊かなUXを企画するための基盤を目指す「一般社団法人UXインテリジェンス協会」という組織の先進事例研究分科会を運営しています。
この分科会で、先月は、藤井さんによる「ユーザー理解」についてお話いただきました。
そのなかで特に印象的だったお話を、少しだけご紹介。

藤井さんは、ユーザー理解には4つのレベルがあるといいます。

ユーザー理解 4つのレベル beBit 藤井さん資料より

ユーザー理解レベル3までは従来のユーザーリサーチの概念の中のお話だったのですが、ユーザー理解レベル4 が、「状況を構造化できる」という内容だったのが印象的でした。(構造、因果関係を把握するという点で、非常にシステム思考的だと感じました。)

最近、「メタ認知能力」の重要性について話す人が増えている印象があります。
また、もともと組織開発界隈でよく聞かれていた「システム思考」にフォーカスが当たることも増えている印象があります。

今回のお話は、UXやユーザー理解(調査)でも「システム思考」的な考え方が活用されるようになりつつあるということだと感じました。

視点を少し変え、社会課題解決観点では、
書籍「社会変革のためのシステム思考実践ガイド」や「システミックデザイン」などでも、システム思考のエッセンスが取り入れられています。

「システム思考」の適用範囲が増えていることから、
かつての「ロジカルシンキング」のように、「システム思考」が
仕事をするうえでの必須の考え方となることもそう遠くはない。
リサーチャーも、「システム思考」を取り入れる時期にあるといえるのかもしれない。
と思ったのでした。

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