トライアスロン界でドーピング発覚   インタビュー書き起こし日本語版  Colin Chartier / How They Train podcast with Jack Kelly

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Collin Chartier - The Exclusive “Tell All” E.P.O Doping Interview

日本時間の4月25日、トライアスロン界に衝撃のニュースが駆け巡った。ロングディスタンスのプロトライアスリート、コリン・シャルティエによるEPO使用が発覚し、本人もそれを認めたというものだ。ポッドキャスト 「How They Train」のジャック・ケリーによるシャルティエ独占インタビューの日本語版文字起こしをここに緊急掲載する。誤訳などもあるかもしれないが、大目に見ていただけると幸いである。

Jack Kelly (JK) 今日はトライアスリートのコリン・シャルティエを迎えてお届けします。今年3月27日、コリンはアンチドーピングエージェンシーのITA(International Testing Agency)から、2月10日に行った抜き打ち検査においてEPO陽性反応が出たと通知を受けました。今日はコリンにすべての質問をぶつけたいと思います。コリン、最初にEPOを使うという判断をしたのはいつのこと?

Collin Chartier (CC) まずは心から謝罪をしたい。トライアスロンを汚したことを。そして友人、家族、僕を信じてこれまで支えてくれた人たちに。本当に申し訳なかった。

11月中旬にオンラインでEPOをオーダーした。それが最初だった。そこに至るまでにいくつかのステップがあった。コナでの最悪のレースの後、かなり落ち込んでいて、精神状態は最悪だった。サポートしてくれた人たちを失望させたと感じ、大きなプレッシャーを感じた。同時にこれからがんばって2023年は世界のトップ選手たちに勝ちたいと思った。故障もしていた。足と股関節の腱を痛めていた。11月にはコロナにもかかった。ずいぶんと遅れをとってしまっていると思った。EPOがなければ今年の目標に届かないと思った。

JK  去年あなたは世界4大レースの1つ、PTO USオープンで優勝しました。これはアイアンマン(IM)世界選手権とアイアンマン70.3世界選手権、PTOカナディアンオープンに並ぶ大きな大会だ。これにもドーピングが関わっているのではないかと疑っている人は大勢いる。IMモントレブランの優勝も含めて。でもあなたは今、去年11月にドーピングをしようと考えた、つまり優勝した2つのレースの後だったと言いました。本当ですか?

CC   私は正直に真実を話しています。あの時のパフォーマンスはクリーンです。今となっては信じてもらうのは難しいかもしれませんが。もうみんなの信頼を裏切っているわけですから。あのレースは、私の人生最高のレースでした。ライオネル(サンダース)と一緒にトレーニングをして、ライオネルとエリンの家にステイしていました。彼らが私のドーピングに関わっていると示唆しているわけではまったくありません。彼らは素晴らしい人々で、その時示してくれた友情と親切には本当に感謝しています。あの時期は私にとって唯一、幸福を感じられる時間でした。だからこそ最高のパフォーマンスを出せたのです。そうとしか言えません。あの時はクリーンでした。大会側が持っているサンプルを再テストしてもらってもいい。信じるかどうかはあなたの選択ですが。

JK  教えて欲しい。嘘偽りなく。なぜドーピングを?なぜEPOを? どうしてそこに至ったのかを。プレッシャーがあった、レースに勝ちたかったといいますが、あなたがすべてを語っているとは思えない。洗いざらい話してください。なぜ?

CC  わからない。自分でも。プレッシャーとしか言えない。今年どうしても勝ちたかった。そしてつまるところは、彼らがクリーンだと思えないから。彼らに勝ちたいと思ったら・・・トップ選手たちもドーピングをしているから、この結論に至ったんです。トップ選手たちがドーピングをしているという証拠は持っていません。でもそう信じていたから、結局自分もドーピングをする選択をしました。

JK  多くの人が言ってますが、ドーピングは1人ではやらない。ドーパー1人の後ろには、見えない多くの人々、コーチやチームメイトやチームが関わっていると。あなたは本当に1人で決断したのですか? 他にも関わった人はいますか? 今、多くの人があなたのコーチに注目しています。ミカル・イデン。その周辺のトレーニング環境にも。あなたのトレーニングパートナーにも。これは純粋にあなた1人だけで決めたことなんですか?

CC  これは私自身がひとりで下した決断です。ひとりでやり方を学んでやりました。成功はしなかったけれども。この決断をした時、私は孤独を感じていました。私を支えてくれた人たちを巻き込みたくはなかった。コーチのミカルもそうだし、ノルウェー人選手たちもそうだし、一緒にトレーニングしてきたサンダースも。誰も無関係です。本当に、誰も巻き込みたくない。自分ひとりでやったことだから。

JK  ひとりでやったということは、購入も自分ひとりでやって、自分ひとりで使ったということになりますが、これについては納得できない部分が多い。疑問は増えるばかりです。コリン、この半年はときどき話もしたし、自分はあなたという人間を比較的よく知っている立場だと思っています。その観点でも、あなたがこれを1人でやったとは考えられないのです。多くの人がこのポッドキャストを聞いて「信用できない」と言うはずです。だから聞きます。1人でやったとしたら、いつリサーチをして、どのようにして使い方を学んだのですか?

CC 何年か前、『イカロス』という映画を見て、インターネットで簡単に買えるとわかった。リサーチに関しては単純にグーグル検索です。どのように、どんな分量を摂取するのかを調べました。実はここ2-3年、いや、1年半ぐらいの期間、私はグレー領域のL-カルニチン注射を使っていました。これはWADA禁止薬物ではないですが、違反ぎりぎりのことではありました。そしてそこからは、一線を越えることは簡単でした。

JK  インターネットでEPOを注文して、家に配送されてきたということですが、摂取方法に関しては、2000年代にランス・アームストロングがやっていた昔ながらの手法でやっていたということですか?

CC ランスや他の人たちと同じやり方で使っていました。オンラインでその手順を調べてそれに従ってやっていました。

JK  どうやってそれが正しい方法だと確認したんですか? 自分でいろいろ試行錯誤して、いろんな量を試してみてどうなるのか、ということをしたということ? あなたのような賢い人がとる手法としては、非常にリスキーなやり方だと思いますが。

CC その時は失うものは何もないという状況でした。ネガティブな精神状態に陥り、いちかばちかという気持ちになっていました。リスクを冒してでもやろう、そしてきっと見つからないと思っていました。そうはなりませんでしたが。

JK  グレーエリアにはすでに手を染めていて、ある程度の実験はしていたわけですね。Lカルニチンで。それからすぐにEPOに行った?それともその間に他の何かを試したりは?EPOだけですか?他には?

CC 禁止物質はEPOが最初で、それ以外はありません。

JK EPOが抜き打ち検査で検出されたわけですが、そしてEPOを最初に使ったのは11月だとのことですが、初めて使ってから、最後に使った時までの間、何回ぐらい打ちましたか?

CC 何回かはわかりませんが、1週間に3から4回という頻度で打ちました。

JK 当時あなたは故障していて、精神状態もどん底だった。EPOによって生まれ変わった気分になりましたか?

CC そうですね。まず故障の回復が早くなりました。赤血球が増えたことによって。コナ後2、3ヶ月休んでいたことを考えると、練習で出していたペースとパワーは非常に高いものでした。休養期間直後にそのような状態になることは普通あり得ません。

JK セバスチャン・キーンルがあなたのインスタ投稿にコメントを寄せています。あなたのあの短い投稿の意図は、まずはこのことを公表するためだったと思いますが、キーンルは皮肉なコメントを書いています。「つまりこういうことだ。君はそれをインターネットで買って使い方もインターネットで学んで - 全部インターネットだったと。誰も君を手伝ってないし、誰も知らないと」。これはみんなも思っていることです。あなたは嘘をついている、と彼は示唆しているわけです。この件はさきほど一度質問済みですが、やはり信じられません。信じられない人たちに対して、どのような説明をして信じてもらおうと思いますか? それとも信じてもらえなくてもいいと思っていますか? 好きに解釈してもらって構わないと思いますか?

CC 信じない人を説得しようとは思わない。私はただ真実を話すだけです。ITAは徹底的に調査しました。これが大きな問題だと考えていたからです。そして私だけでなく私に近い人たちに聞き取り調査もしました。そしてITAの結論も、私が単独でやったというものでした。それがすべてです。他の人たちの考えをコントロールする気はありません。ただ真実を語るだけです。そして新しい章へと移るのです。私は間違いを犯しました。そしてこれ以上間違いを犯したくありません。これを過去のこととし、前へ進みます。品位を持って誠実に生きていきたいと思っています。私に不信感を持つ人は多いと思います。でもやりなおすには遅くないと思っています。

JK いくつかとても辛い質問をしなくてはなりません。先ほども話に出たミカル・イデンのこと、そしてノルウェーのトレーニング環境のことです。あなたが彼らは関係ないとどれだけ言っても、多くの人は疑っています。あなたの言葉を信じていません。彼らが今回のことを本当に何も、少しも知らなかったと、どうやって私たちに信じさせますか?彼らはまったく関与せず、購入や使用にあたって幇助していないと。

CC 答えることは困難です。私が一番避けたいのは、トライアスロンというスポーツにダメージを与えることです。信じて欲しい。彼らはクリーンです。私はそう信じることを選択しました。グスタフとクリスチャンとのつながりはありません。ミカルはグスタフにプロテストもしています(訳註:何の件かは不明。シューズ?)。 この2つのグループを勝手に関連づけないでください。ノルウェー人は全員一緒と一般化しないでください。私はグスタフともクリスチャンとも関係がない。私がこれを使ったのは彼らのようなトップ選手に勝つためで、私が勝ったPTO USオープンは彼らがいないレースだったから勝てた。自分の力を証明するために、本当のトップ選手に勝とうと思った。多分、自分はそれに値しない選手、勝てる実力を持っていない選手だとどこかでわかっていたのでしょう。これまでの人生で私はずっとこういうプレッシャーを感じて生きてきました。どれだけ成果を上げても、満足したことはありませんでした。それが、今回のことにつながったのだと思います。私が言えるのは、クリスチャンもグスタフもこれには関わっていないということ。そう言う以外、証明する手立てはありません。このようなことになった理由は、私がトライアスロンをやっていて信じられないほどアンハッピーだったからです。自分の人生に対してアンハッピーだったから。ノルウェー式のトレーニングメソッドはありえないほど退屈で時間がかかるもので、それをやっていくうちにトライアスロンに対して自分がかつて持っていた情熱を失っていきました。とても長くて退屈なセッションばかりで。クリスチャンとグスタフのライフスタイルを真似てみました。それは、友情や恋愛やガールフレンドとの関係を否定することで、それを続けていけばいくほど孤独に、そして不幸になっていった。今回3年の資格停止となり、それが明ける頃には32歳になっています。まだまだ全盛期の年齢ですが、もうここに戻る意志はないです。この世界は犠牲にするものの方が、得るものよりも大きいと思ったから。普通の職業についている人のように、恋愛もしたいし、楽しみたい。私はそれをこの15年間犠牲にしてやってきた。こんな形で去ることは悲しい。このように去ることしかできなかったのか。このようにやめることしかできなかったのか。これだけの犠牲を何年も払ってやってきたのに、すべてをかけてきたのに、やりすぎた。そしてすべてを失った。

JK もう少し辛い質問を続けます。多くの人が、PTO USオープンの賞金を返還すべきと言っています。100,000ドルです。それから、2022年シーズンに獲得したスポンサー料も返還すべきだと。どうコメントしますか?

CC PTO USオープンですが、あの時はクリーンでした。サンプルを再検査してもらってもいい。スポンサー料も同じです。100%確信があります。2023年のスポンサー料に関してはもう話をしていてすべて返金することになっています。正しい行動をとるつもりです。私の代わりに他の選手にそのお金が回るよう、スポンサー料は返還します。

JK ノルウェー人たち、ミカル コーチとグスタフ・イデン、クリスチャン・ブルンメンフェルト、アレクサンダー・ブーなど他のコーチに関して、彼らはまったく関係していないし、彼らは何も知らないし、彼らはクリーンだと信じたい、と言いましたね。彼らだけでなく、他のトライアスリート、一緒にトレーニングしていた他のアスリートとの会話で、直接の会話やソーシャルメディアなどを通した会話でドラッグの使用について話したことは? 現在、または過去に、他の選手でやっている選手を知っていますか?

CC 他の選手とこのことについて話をしたことはありません。トライアスロンに限らずあらゆるハイパフォーマンススポーツは、常に疑惑にさらされています。すべての選手がクリーンだと信じたくても、疑いというものは常にある。こうした矛盾は常にある。疑いがあるからやっているとは限らないし、過去20年のスポーツの歴史をみれば、サイクリングでのランスとか、・・・・スポーツはクリーンで楽しくてピュアだったらいいけれど、それがあるべき姿だと思うけど、でもわからない。わからない。僕はもう壊れた世界にいる人間だ。

JK トライアスロン界を去ると言いましたね。それは、大会に出ることのみならず、ソーシャルメディアやユーチューブやポッドキャストといったものも含めて、このインタビューが最後になるということ?

CC トライアスロンコミュニティーに関してはこれきりだと思っています。トライアスロンへの愛は冷めた。こんなことをしてしまって、今その報いを受けている。君とのポッドキャストに関しては続けていきたいと思っている。ITAに協力して同様の状況に陥っている選手を助けたいと思っている。何か教育的なセミナーをポッドキャストでやるとか、自分がスポーツに与えたダメージを少しでも回復するために、そういうことをしたいと思う。

JK  家にはまだEPOや注射器などの道具はある?それとも処分した?

CC すぐにすべて処分しました。知らせを受けてすぐに。

JK この知らせを聞いた時、正直ホッとした? もうこのスポーツが嫌になって、それももうやめられるんだと。それともショックや悲しみ、そして周りの人たちの心配をした?どんな感情だった?

CC 一番最初は絶望。そして悲しみ。それからすぐに、大きな肩の荷がおりたという気持ちになった。いい結果を出さなければ、期待に応えなくては、という重荷からの解放は、多分12歳の時以来感じたことがなかった。そしてその後、自分がトライアスロンというスポーツにしたことを考えた。うまく言えないけど、私にとってトライアスロンはただの仕事になっていました。喜びは失われていた。

JK  発覚した時、トライアスロン界の誰かに助けを求めたり、援助を求めたりした? このことに関して誰かと話をした?

CC 最初に話をしたのはアンドリュー・メシック(訳註:IRONMANのCEO)でした。その時点ではIRONMANとITAという2つの団体しかこの状況を知らなかったから。どうしたらいい?と問い合わせました。彼はたくさんのアドバイスをくれました。やったことはやったこと。ここからどう行動するかが今後の自分をつくることになると言われました。当初はまず検査結果を否定して戦うことを考えて弁護士に連絡しました。Bサンプルをとって、それで戦うとか、サプリメントが汚染されていたという言い訳をするとか、誰かがくれたものだとか。でも自分が選んでやったことで、ひどい間違いだったけど自分がやったのだから、これからよりよい人生を、正直な人生を送りたいと思ったら、それはここから始まるのだと考えたんです。

JK 次のステップは? どこへ行って、このインタビューを終えてた後の数週間は何をしますか?

CC わからない。その答えはわからない。

JK 他にここで話したいことは? 私の考えを話すと、今回のインタビューは私にとっても辛いもので、知り合ってからのこの半年間、君を友人としてみてきたけれど、一方でトライアスロンというスポーツ、特にロングのトライアスロンに対しての深い想いも私にはある。このポッドキャストでインタビューをする時はいつも最後にドーピングについて何か知ってるかと聞いているのだけれど、誰もそれについて話さない。でもそれがあることだけは知っていると言う。そして本当にショックなことだけれどそれは本当にあった。それは君がやっていた。悲しく、本当に悲しく、トライアスロンに対しても悲しいことだ。こうなるとトップレベルでは他の選手もやっているのかもしれないという疑惑を抱かざるを得ない。このスポーツのトップレベルでこんなことが起きているという事実がひどく悲しい。君は個人レベルでこれをやったと言ったけれど、私は疑問を抱かずにはいられない。君が私に言ったすべてのことも同様だ。ここに座って、君が言うことすべてを信じたかった。君のことをよく知っているから、君は真実を話しているのだと心では思いたいけれど、それでも信じることは難しい。これを聞いている人の多くは同じ気持ちだと思う。君は正直にすべてを話してくれたようにも見える。でも、本当にそうだろうかと。半分は本当でもあとの半分は他の人を庇っているのじゃないかとも考えるだろう。ドーピングは蔓延していて、誰かが、EPOの入手方法や使い方を指南していて、これをやる意義を選手に売り込んでいて、プレッシャーをかけている人間がいる・・・そいうことを考えざるを得ない。君が本当に真実を話してくれていて欲しいと思うよ。友人として。トライアスロン界に今、真実を伝えていると。難しい選択だが、自分は君を信じることにするよ。懐疑的になる方が簡単だ。信じない方が簡単だ。それが僕の最後にいいたかったことだ。最後に聞きたいのは、この私の言葉を聞いて、どう感じたか。友人として私に何を言いたい?

CC 言えるのは、申し訳ないということ。君に対してこんな話をすること。トライアスロンに対してこんなことをしたこと。深く、心から、申し訳ないと思っている。何千回こう言っても、人は自分の感じたようにしか感じないだろう。それでも前に進んでいきたい。

JK 何か言い残したことは?みんなに言いたいこと、何かある?言うなら今だよ。

CC 以上だ。

JK もし真実を話しているというなら、それを尊重しよう。もし事情があって真実を話せないのだとしたら、トライアスロン界はいつでも真実を知りたいと思っている。これ以上何も言えないなら、それはそれでいい。君は出てきて話をして、自分のしたことを否定するようなこともなかった。でももし言い残したことがあるのなら、今ここでじゃなくても、1ヶ月後でもいい、半年後でもいいし、12ヶ月後でも、2年後でも5年後でもいい。君がその気になってここに出てきて真実を話してくれるなら、みんな君の語る真実に耳を傾けるだろう。これ以上何もない。もう何も出てこない。それが君の真実だというならそうだろう。でもそうでなければ、これからいつでも、それを聞くプラットフォームはここにある。トライアスロンコミュニティは真実を洗いざらい聞きたいと思っている。それを今、君に伝えておくよ。今、どうしても事情があって真実を話せないのなら、それは辛い状況だと理解する。君の準備ができたら、いつでも聞く用意はあるよ。

CC ジャック、ありがとう。真実を話す機会を与えてくれて。このストーリーを語る場をくれて。最後にもう一度謝罪したい。PTOシリーズに対してもダメージを与えてしまった。

JK Arron、Fred、MikaそしてTomと話したのだけど、この1ヶ月間、君はあきらかにおかしかったと言っていた。何かあったことは明らかだったと。私はドーパーを憎んでいる。君は間違ったことをした。それは許されることじゃない。君が言う真実によると、君はEPOを使い始めてからレースに出ていない。それはラッキーだった。それが嘘だったとしたら、ドーピングしてレースに出ていたら、それは最悪の間違いだ。

これは本当に酷い事態だ。君はこれから自分自身もいたわって欲しい。ヘイトの嵐にさらされることになる。オンラインで痛烈な批判を浴びるだろう。君はトライアスロン界に提供すべき価値あるものを持っている。世界を見切りをつけないでほしい。ひどく間違ったことをしたかもしれないけれど。メシックが君に言ったように、男として、よき人間として、品格を持ち、自分自身へのリスペクトを持ち、やるべきことをやり、我々と共にいて欲しい。姿を消してしまわないで。この償いは、トライアスロンコミュニティに貢献することだ。学びを得て、よりよき人間になることだ。君は悪人ではない。善人だけど、ひどい間違いを犯した。それに伴う判断を間違えた。いい未来はここから作れる。

CC ありがとうジャック。最前を尽くすよ。結局、自分でコントロールできるのは自分の行動だけ。今となっては。みんなは自分の思うことをすればいい。僕は次へと人生を進めないと。簡単じゃないと思う。これから数週間は試練が続くだろう。

JK  ひとりで立ち向かおうとしないで欲しい。君を愛する人たちに助けを求めて欲しい。95%のインターネット民が君を憎むだろう。95%のトライアスロンコミュニティが君を憎むはずだ。でも君の人生に存在している人たちに頼って欲しい。馬鹿な決断をしないで。ひとりで引きこもったりしないで。家族や友人に頼って。この最悪な状況をポジティブなものに変えて欲しい。我々トライアスロンコミュニティにできることは少ししかない。自分を見つめなおして、立て直して欲しい。もうインタビューというより個人的な会話になっちゃったけど。言いたいのは、君はEPOを使ってキャリアを台無しにしてしまって、トライアスロンというスポーツを裏切ったけど、この件にはメンタルヘルスという側面もある。もう出てくるな、ドーパーの顔などもう二度と見たくないと言われるかもしれないけれど、それに耳を傾けすぎないで。自分に価値がないとは思わないで欲しい。

CC ありがとう。励ましてくれて。前に進めるようにがんばるよ。

JK じゃあこの辺で。最後はただの個人的な会話になっちゃって、全然まとめになってないけど、僕は質問すべきことはすべて質問したし、君は言うべきことはすべて言ったというから、ここから先は、これを聞いたみんなの判断だ。聞き手は自分で判断し、自分の意見を持つだろう。このトライアスロン界のドーピングに関してはこれからも語り続けていかなければならない。今回わかったのは、トライアスロン界にドーピングは存在しているということ。ドーピング選手で表彰台を独占するようなことにならないようにしなければ。「サイクリングはダーティーだ、ランニングもダーティーだ、でもトライアスロンはクリーンだ」とはもう言えない。他よりましかもしれないけれど、クリーンじゃない。「このポッドキャストからドーパーのコリンを追い出せ。ドーパーはここにいるべきじゃない」という意見も出るだろう。だがそれこそが問題だ。プロのトライアスリートなら、そしてエイジグルーパーであっても、疑いを持とう。語り合いを続けよう。選手がドーピングに手を染めづらくなるようにプレッシャーをかけ続けよう。我々のスポーツにドーピングはいらない、ドーパーはいらないという意志をトライアスロンコミュニティとしてはっきりと示そう。そのために、このことについての話をし続けていこう。そうしなければメッセージを届け続けられないのだ。だからコリン。トライアスロン界に戻ってこようと決断することがあれば、君がそのメッセージを広めることができるはずだ。それが僕のまとめだ。この会話を続けていこう。ドーピングを見て見ぬふりするのはやめよう。コリン、君はその生き証人だ。これは非常にシリアスな問題なのだ。


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