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大学生×考える 食品情報トレーサビリティについて学ぶ

 東海学院大学管理栄養学科の1年生です。今日は『食品情報トレーサビリティ』について農林水産省東海農政局消費・安全部消費生活課 課長 川上昭彦先生、松久 真先生からお話をお伺いしました。

食品トレーサビリティって?

 英語の「Trace(追跡)」と「Ability(能力)」の2つを組み合わせた言葉trace-abilityで、日本語では「追跡可能性」という意味になるそうです。製造や加工の工程、荷物の受発注などについて追跡記録を取ることおよび追跡可能な状態にすることを指しているそうです。各事業者が記録を作成し保存しておくことで、 食中毒などの事故等が発生した際に、問題のある食品がどこから来たのかを調べ、追跡することができ、原因究明や商品回収等を円滑に行うことができる仕組みだそうです。

牛トレーサビリティ法と米トレーサビリティ法

 コーデックス委員会によれば、食の安全とは「予期された方法や意図された方法で作ったり、食べたりした場合に、その食品を食べた人に害を与えない保証」のことだそうです。お話をお伺いし、牛トレーサビリティ法や米トレーサビリティ法が誕生した背景には、2001年に国内で発生した狂牛病や米の産地偽装事件、食品の遺物混入事件など、食品の安全性を揺るがすような事件が発生したことをきっかけとしてトレーサビリティの重要性が高まったのだと知りました。

HACCPとトレーサビリティについて考える

 先日、食品衛生学の授業でHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)について習いました。HACCPとは、宇宙食開発で生まれた食品製造における安全管理手法のことでコーデックスのHACCP7原則に沿って管理を行い、2021年6月には改正食品衛生法が完全施行され、すべての食品等事業者に一般衛生管理に加えHACCPに沿った衛生管理の制度化されたとか。
 食品のトレーサビリティのお話をお伺いしながら、どちらも食品の安全を守る仕組みなのですが、HACCPとトレーサビリティの違いはなんだろう?と考えました。お話をお伺いし食品トレーサビリティは「問題が起きた時に対応できる仕組み」で。HACCPは「問題が起きないように未然に防ぐ仕組み」だと理解しました。

みんな真剣に聞いています

お話をお伺いした感想です。

「何か問題があった場合、小売業者から消費者を追跡するのは困難だと思うのですが、どのように購入者を特定するのだろうかと思いました。」
「HACCPの衛生管理記録に合わせたプラスワンの対応でトレーサビリティの対応ができるようなトレーサビリティの新たな推進方策について詳しく知りたいと思いました。」
「あるブランド米が、生産量の何十倍の量が不正に流通しているという報道を昔見たことがあるのですが、米のトレーサビリティで品種ごとの対応はされないのか知りたいと思いました。」
「トレーサビリティにより食品の移動を把握できることで、問題や原因をすぐに対処でき、健康被害などを最小限に減らせる仕組みについて、学ぶことができ、興味を持ちました。勉強になりました。」


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