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大学生×伝統野菜 飛騨美濃伝統野菜『堂上蜂屋柿』を学ぶ

 東海学院大学管理栄養学科の伝統野菜プロジェクトチームの学生です。今日は大学のある岐阜県各務原市から東に40分ほど行った岐阜県美濃加茂市に飛騨美濃伝統野菜『堂上蜂屋柿』の生産者の方を訪問し、お話をお伺いすることになりました。
 飛騨美濃伝統野菜に柿が3つ認定されています。『南飛騨富士柿』『伊自良大実柿』は以前に訪問させていただいたので、今回の『堂上蜂屋柿』が最後の3つ目となります。とても楽しみです。

堂上蜂屋柿の畑

非常に長い歴史のある高級な献上柿『堂上蜂屋柿』

 『堂上蜂屋柿』の歴史はなんと千年以上前にさかのぼるそうです!「蜂屋柿由来略書」によれば、朝廷や幕府への献上品で、「堂上」という称号は朝廷への昇殿が許された者だけに与えられる栄誉ある地位を意味しているのだとか。さらに献上することで「年貢米の代わりに納められた」「諸役免除の特権を与えられた」という記録もあるそうです。
 『堂上蜂屋柿』は、1枝1粒に管理して、250g~350g以上の大粒になるように育てるため、非常に大きな干し柿になるそうで、最低でも1個2千円以上の価格がつくそうです。3個で10万円をこえる高値となるものもあるそうです。現在60軒の生産者で6万個が生産され、販売開始の12月1日には電話がつながらないほどの大人気で、なかなか入手することができないほどの人気だそうです。

お話をお伺いしています

 『堂上蜂屋柿』は、収穫後に手作業で皮をむき、硫黄燻蒸、かげ干し・天日干しにより乾燥させるそうです。乾燥工程で「手もみ」を行いながら、伝統的に引き継がれる「ニオボウキ」と呼ばれる稲わらのホウキで優しく掃くことで、柿の表面に細かな傷をつけ、そこから水分が抜けることで、白く果糖が浮き上がり美しく仕上がるのだとか・・・大切に作られているのですね。

岐阜県民でもなかなか食べることができない

 『堂上蜂屋柿』は、その歴史と伝統から、岐阜県民の私もまだ一度も食べたことがありません。なかなかお店でも見かけることもありません。お話をお伺いすると12月1日からのネット通販で入手するのが一番いいとか。。。多くの方に求められているのだと知りました。
 2007年には「食の世界遺産」認定(2007年にイタリアに本部があるスローフード協会が推進する「味の箱舟プロジェクト」に認定)、2010年には「本場の本物」(財団法人食品産業センターから認証)、認定2018年には「地理的表示保護制度(GI)」認定されているそうです。

『堂上蜂屋柿』

2017年から輸出されている『堂上蜂屋柿』

 2017年から『堂上蜂屋柿』は台湾にも輸出されていて、台湾でも旧正月の人気商品になっているそうです。日本の人口が減少し国内マーケットが縮小する中で、海外にマーケットに飛騨美濃伝統野菜『堂上蜂屋柿』が輸出されていることは、伝統野菜を守り伝えていくためにもとても大切なことだと思いました。
 『堂上蜂屋柿』は、クリームチーズとよく合い、ワインとも相性うが良いとのお話をお伺いしました。輸出拡大に向け、こういった新しい食べ方なども生まれてくるのだと勉強になりました。


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