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東海道珍道中Day 10 藤枝宿→掛川宿~江戸と令和のデュアルディスプレイ~

2022年4月16日。藤枝宿から掛川宿の道のりは、旅人を泣かせた大井川、風光明媚な茶畑の広がる小夜の中山、宿場町の風情が残る日坂宿と、東海道の縮図のような区間。
芭蕉や西行といった日本史に華を添えたエース達も歌いまくった区間を、令和に泥を塗る俗物2人が歩くのだった。

登場人物:
田内(仮名):私。実際の徒歩旅と記事の更新タイミングの差が開き、だんだんと記憶が薄れつつある。
中山(仮名):東海道旅の考案者で会社の同期。そつがないタイプ。さわやかの待ち時間に備えて桃鉄持ってきたのは三苫並のファインプレー。

【前回の記事はこちら】

藤枝宿~島田宿(8.1km)

「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」で名高い大井川を擁する花の区間。そしてその大井川にかかるのは、世界ふしぎ発見!の東海道特集でも放映された、世界一長い木造橋・蓬莱橋。

蓬莱橋を楽しみに、藤枝駅でサッカーパネルの前でチェックインを済ませていざ出陣。

藤枝駅~島田駅の間の二駅分の区間は生活感のある現代の普通の道路。歴史と風情ある蓬莱橋への前フリはこれくらいの日常感がいいだろうと思って歩き進む。

黒塗りの箇所何があったんだろう。あんま旅の看板で黒塗りしないよ。

しかし、一向に蓬莱橋が見えてこない。
三種の神器の地図本を開くと、なんと東海道のコースは全く蓬莱橋をかすりもせず、別の普通の橋で普通に大井川を超える羽目に。おうおうなんでやなんでや。
蓬莱橋はしれっと東海道の一部感出してくるのやめてほしい。

東海道の旅人の食事と言えばそばかうどんと相場が決まっているが、やけになって島田駅でカレードリアを食べて一矢報いた。

その先にある島田宿は、大井川を越える旅人の川越えサポートや、雨で川を越えられない時の川留で潤った宿場町。
大井川の東詰には今もその宿場の跡が残っていて、なんだかんだ楽しかった。

なんだかんだ楽しい写真
川越は4人がかり
川越の屈強な人足

島田宿~金谷宿(4.4km)

歩けど歩けど対岸にたどり着かない目の錯覚のような大井川橋

蓬莱橋のイップスから立ち直り、東海道三大難所・小夜の中山を擁する金谷宿へ。
金谷宿につながる石畳は、ただでさえ難所なのに、前日に雨が降って石畳がとてもスリッピーになっていた。
しかしもちろん用意周到な田内·中山が何も対策しなかったはずはなく、道中のすべらず地蔵尊にお参りに行って、すべらないように万全の準備の上でトライ。
なのにすべりまくって、すべらないことに特化してるのにとか思いながら、この世の不条理を嘆く。

不条理の石畳

パミール高原くらい急峻な石畳を登り、間の宿菊川を越えると、一面の牧ノ原台地の茶畑を左右に眺めながら歩ける風光明媚な景色が広がっていた。

この絶景の前には昔の人も一句したためなければ気がすまなかったようで、芭蕉や西行、紀友則や壬生忠岑など、有名な俳人の句碑も乱立していた。

一面の茶畑見てるとのど乾いてくるよね

俳人もトランス状態になるのもわかるコースで、中にしれっと広重の絵碑もあったけど、冷静に絵碑って何なんだろう。

島田宿~金谷宿は江戸の時の流れと現代の時の流れを同時に楽しめる区間で、それを象徴するかのような広重の絵碑の前でチェックインをした。

しかし写真を撮ってから気づいたが、絵碑は確実に背後の風景とセットで佇んでいるから良さが出るもので、絵碑の横でその絵のコピー写真撮ってもなんにも成らない。
江戸と令和のデュアルディスプレイがあったとして、使うべきなのは「拡張」であって絶対に「複製」ではない。

極めて愚かな行為

金谷宿~日坂宿(6.5km)

小夜の中山を下るとすぐ日坂宿の街並みが待っていた。
日坂宿も江戸からの宿が残る名スポットで、ガイドブックとかで取り上げられるのは富士山とか箱根とか目立つ所だけど、日坂宿もそれに劣らないよさがあった。
実際田内も中山も五十三次の名宿場町ランキングで、二人とも日坂宿をあげたくらいよかった。

高札場

松重豊とか小日向文世のような名バイプレーヤーの手練れの雰囲気がある街だから、アウトレイジとかアンナチュラルとか孤独のグルメとか好きな人はぜひ日坂宿を訪れてほしい。

日坂宿を抜けると、願いが意のままに叶うという事任八幡宮❨ことのままはちまんぐう❩があるが、もちろんこの八幡宮をドラえもんのどくさいスイッチみたいに悪用してはいけない。

本陣の跡地

日坂宿~掛川宿(8.6km)

あまり知らなかった日坂宿が実はいいところだったことでいい気分になり、その勢いでこの日泊まる宿のある掛川まで進む。

掛川に付いたのは夜で、ライトアップされた掛川城を背にチェックアウト。

いきなり掛川城の写真が出てきたことから勘のいいひとは察したかもしれないが、日坂宿~掛川宿の途中はあまり記憶がない

夜とはいえその後やることなくて暇だったから、ウイニングランとしてちょっと先の西掛川駅まであるき、静岡2回目となるさわやかへ。
さわやかはどこも人気で、西掛川店も待ち時間が1時間あった。

こちとら1時間待つほど暇じゃないから、その間蚊に刺されながら、中山と桃鉄3年決戦でバトルして有意義な時間を過ごす。
3年決戦なのに2回冬眠カードが出るという強運に恵まれ、全くためらわず2枚とも使って大雨の大井川のように中山の足を留める。
これでことのままかと思いきや、鬼畜の所業に罰が当たったのか、スリ銀にあって持ち金をなくし、痛恨の最下位に。

東海道の旅人の食事と言えばそばかうどんと相場が決まっているが、やけになってげんこつハンバーグのスープセット食べて一矢報いてこの日は終了した。

一矢報い定食

次回:Day11 掛川宿→浜松宿


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