網様体脊髄路について
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網様体脊髄路について
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網様体脊髄路は、前回の「先行随伴性姿勢調節とは?」でお伝えさせて頂きたように…
”主運動によって生じるであろう身体動揺(外乱)を、あらかじめ(0.1秒前に)予測して姿勢調節を行う”
という働きを担ってくれている、下行路となります。
その網様体脊髄路は、腹内側系(昔でいう、錐体外路)の下行路となり、
主に…
・両側の頭頚部や体幹
・上下肢近位筋
の運動制御に関わる下行路となります。
その為…
・姿勢保持
・歩行
に関与するということになります。
シンプルに捉えていくと、網様体脊髄路を含めた腹内側系の活動を促していくことで、端坐位や立位などの姿勢保持が改善したり、歩行能力が改善していく可能性があるとも捉えれます。
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網様体脊髄路の特徴
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①皮質からの投射を受ける
つまり、網様体脊髄路はおおまかに、皮質‐網様体までの軸索と、網様体から脊髄(α運動ニューロン)までの軸索とに大別できる。
なので、脳卒中の好発部位である、被殻や視床の近接にある内包後脚が損傷されると、皮質-網様体間での軸索が損傷する可能性があります。
が、皮質-網様体の投射は両側の脳幹網様体に投射されるといわれています。
②同側性の線維が多い
網様体脊髄路は
1)延髄網様体脊髄路:両側性の線維
2)橋網様体脊髄路:同側性の線維
脳卒中後、体幹や四肢近位部の筋力低下を認め、座位や立位姿勢が不安定になる方の介入を皆様一度は経験したことがあるかと思います。
その方は、おそらく…皮質-網様体での軸索が損傷し、体幹や四肢近位筋への出力を司る、網様体脊髄路の機能低下が生じたとも考えられます。
しかし、今回お伝えさせて頂いたように、網様体脊髄路は両側性であり、麻痺側の体幹や四肢近位筋への出力を完全に断たれたわけではありあません。
なぜなら、両側性であるからです。
なので、介入方法により、網様体脊髄路の機能低下を改善していける可能性はあるのではないかと考えられます。
介入の手かがりになることは、またどこかのタイミングでお伝えできたらと思います。
少し難しい話になってしまいましたが、今日はここまでにしたいと思います。ではまた。
作業療法士 平松裕也
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