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後輩指導と価値観の押し付け

最近、職場の後輩とのやり取りの中で、いろいろと考えました。
それについて、わたしの失敗とともに書きつづります。

後輩指導には2種類あると思う

後輩指導は仕事です。上司や先輩は、会社のために部下や後輩を指導しなければなりません。

わたしは、後輩指導には2種類あると思っています。

ひとつめは、「仕事のやり方」を教えること。これは、正解がある仕事のやり方を教えることです。
たとえば、会社で決まっている事務処理の仕方を教える、というのが、正解のある仕事のやり方に当たります。これはまさに、先輩が教えるべき仕事です。

ふたつめは、「仕事に取組む姿勢」を教えること。これには正解がありません。後輩指導の多くが、これに当たるかと思います。
たとえば先日、わたしは後輩Aに「仕事に取り組むときは、その仕事の目的を考えるといいと思うよ」と言いました。

これに対しAは「オレまだ仕事の目的とか考えらんないっす」と。

仕事の目的を考えることの意味は、Aも理解しています。つい2〜3日前、上司が話していたからです。

後輩に言い返されたとき、「仕事の目的を考えることは大切さ」を伝えようとしたけど、やめました。それが価値観の押し付けになると思ったからです。(人間関係をこじらせたくなかったのもあります。)

仕事をする上で、仕事の目的を考えなければいけないわけではありません。「目的を考えたほうがいい」という人もいれば、「考えないほうがいい」という人もいるでしょう。

わたしは仕事の目的を考えるべきと思っていますし、Aにも考えてほしいと思っています。
だけど、「目的を考えたほうがいい」と指導できません。それが「正解」とは限らないからです。

このようなとき、先輩としてできるのは、「種をまくこと」と「議論すること」の2つだと思います。後輩の中に無かった「仕事の価値観」という種をまき、後輩自身で考えてもらうこと。また、お互いの仕事の価値観を議論し、よりよい仕事の進め方を模索すること。これが、先輩としてできる後輩指導なのだと思います。



求められてもいないのに、人にものを教えようとするのはおこがましい


先日、後輩Bに「人生の先輩」として偉そうに語ってしまった経験をつづります。

Bは「大卒→就職」というルートを歩んで、この会社に来た新卒です。Bにとっては、その「大卒→就職」という道が「当たり前」だったのです。

そんなBを見て、まるで昔の自分を見ているような気分になり、つい「人生の先輩」として自分が大切と思っていることを語ってしまいました。

「働く理由を考えたほうがいい。」
「なんのためにお金を稼ぐのか考えたほうがいい。」

いやぁ、恥ずかしい。価値観のゴリ押しですね。

そもそも、アドバイスを求められてもいないのに、人にものを教えるというのは、非常におこがましいです。わたしは何様なんでしょうね(笑)これからは身の程をわきまえます。

数年早く社会に出たからと言って、自分が「こうしたほうがいい」と思っていることが、Bにも大切なことだと、勝手に思っていました。

別の言い方があったなと、今は思います。「こうしたほうがいい」と、自分の考えを押し付けるのではなく、「なぜそうなのか?」「わたしはこう思うけど、あなたはどう思うか?」と疑問をぶつけ、本人に考えてもらうやり方が良かったなと。

この方法もちょっとおこがましいですが、どうしても後輩にお節介したくなったら、このようなやり方で、後輩自身で答えを見つけてもらうのがいいと思いました。




ここまでつらつらと書いてきて、他人に「こうしたほうがいい」と言わないように気をつけようと思いました。「絶対なんて絶対にない」ので、自分がどんなに「そうすべきだ!」と思っていても、それを押し付けてはいけないのだと。

そうはいっても、後輩指導ではどこまで教えてどこから教えないか、の線引がむずかしい。後輩と議論を重ねることが、結果的に良い指導になり、自分自身の成長にもつながるのだろうと思いました。

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