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真井 とうか
2022年11月27日 16:50
「しかしこのご時世に『犯行予告』とはな。馬鹿にしやがって」「まあまあ、落ち着いてくださいよ先輩。確かに、今どき変装が得意で神出鬼没の怪盗、なんて、冗談にも程がありますよねぇ」「まさか都内で三件も被害が出てるとはな。警察のメンツ丸つぶれだ」 私の背後で、二人の男が話し込んでいる。どうやら、この二人は刑事であるらしい。「先輩」と呼ばれた低い声の男は、四十路の半ばといったところか。もう一人は若い
2022年11月27日 14:55
今日もまた、クラスメイトの女の子たちが「あの日」の話をしている。 「あの日」というのはもちろん、月に一度やって来る、女の子特有の「例の一週間」のことだ。 例えば、女の子の一人が、朝から浮かない顔をしているとする。どうしたの、と問うと、彼女はひそひそとこう言うのだ。「今日『あの日』でさ。お腹痛いんだ……」 そんな時は、できる限り痛ましそうな顔をして、「大変だね」とか「辛いよね、アレ」とか言