#182テクニカル投資の基礎講座

長年に渡り投資家やトレーダー向けにアドバイスしてきただけでなく、自分自身もトレードしてきたスタンウエインスタインによる本書。指標やアイデア自体はシンプルであるが、ここでもいかにリスクをコントロールするのかと言う観点からどのようにストップロスを置くかを検討している点は有意な点であろうか。エントリーもそうであるが、どのようにポジションを解消するかと言う点にこそエッジが生み出される点を再度教えてくれる本書。

・自分自身の貪欲と恐怖心を制御し、マーケットが投げかけてくれる明らかな手がかりを見つけ出し、判読する。

・大局を見るには、30週や10週移動平均線が使用するに当たっては非常にロバストな尺度になる。この下で推移している銘柄に関しては買わない。

・ブレイクアウトに関しては、株価がレジスタンスの下にある時間が長ければ長いほど、そのブレイクアウトはモメンタムを伴って上昇する傾向にある。出来高が大きければ大きいほど良い。

・一方でブレイクダウンはそれほど大きな出来高を伴わなくても良い。価格自体の重さで下落する傾向にあるため。

・強い弱気は、横ばいからの一段の下げ。鋭角に価格が上昇している中での一時的な下げは、弱い弱気。逆も然り。一時的なプルバックはそこまで気にしなくても良い一方でブレイクした際には要注意すること。

・外的な要因を受けて変化することもあるが、底固めをするステージ(このステージの末期には出来高は細り始める)と、取引高を伴ってブレークする段階(30週移動平均線のブレイク)、高値圏にある段階(Exitとしては複合的な要素を用いる必要がある。移動平均線からの乖離が大きくなったときは順次利確すると良い)と、下にブレイクする段階とがある。

・買い時としては、出来高を伴うブレイクと移動平均線までプルバックしてきたタイミングが良い。(後者は弱い弱気になる。)

・レジスタンスが少ない方が良い。またレジスタンスは直近になる程強く、時間が経つにつれて薄れていく傾向がある。(一年前のレジスタンスと、1週間前のレジスタンスには明白な効力の違いが存在する。)

・ヘッドアンドショルダーに関しては、ヘッド、ショルダーにおいて大きな出来高、またネックラインを上に下に上回るときに出来高を伴っていることを確認しなければならない。

・大統領選周期という意味では、選挙年に上がり、選挙の翌年、その二年後は弱くなり易く、その三年後は回復に向かうことが多い。

・季節性としては、11,12,1月が非常によく、2,5,6,9月があまり良くない月である。

・売却するかどうかの判断時においては、税金対策を考慮してはならない。

・30週移動平均線のあたりが投資家としての利確ラインになるのではないかとしている。

・株価の崩壊スピードが上昇時のそれよりはるかに早いのは、貪欲がギリギリまで高まるには時間がかかるのに対して、恐怖心はパニック的反応を引き起こすから。

・薄商い銘柄を空売りしてはならない(急にやられることがあるから)

・株で言うと、RSIやセクターが強い銘柄は空売りしてはならない。

・市場の騰落ライン(プラスの銘柄数-マイナスの銘柄数)に関しては、市場の天井でピークをつけ、底近辺では反発していることが多い。ダイバージェンスとして見ることもできる。(ダウ構成銘柄とダウ平均自体の動きを比べて判断する。)この指標の移動平均を取ることで良い指標になる。

・ほとんどの人が見失っている常識を働かせることができれば、マーケットにおいて非常にうまくやることができると言うことを肝に銘じる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?