#139孫子の兵法「勝者に学ぶ絶対法則」

孫子の兵法において語られているエッセンスを現代の経営者及び戦国将軍に当てはめて解説してくれる本書。ビジネスが現代の戦争であり、兵をどのように展開するか、正しい機会をどのように捉えるか、軍律をどのように保ち続けるか、今にも活きる勝ち残るための示唆を与えてくれる本でした。

・疾きこと風のごとく、静かなること林のごとく。経営に当たっても、責める時、守る時、動じずにいる時をうまく使いこなす必要がある。

・大難にあっても激情に駆られることなく、徐かなること林のごとくであり、本当に目指すべきことを淡々と目指していくことが求められる。

・智者の慮は必ず利害にまじう。藤田田さんは、当時空輸をする際に納期をなんとしてでも間に合わせるために、損を出してまでもボーイング707をチャーターして行ったことがある。

・己を知るというのは、鮮やかな戦績や興奮する戦いを通してではなくて、じっとして基盤を固めることにある。西武初代創業者は二代目に10年待機を命じて土台固めをした。ようやく財務基盤を含め企業の全貌を掴めるようになったといっている。若さや才覚に任せていては、長い成功は得られない。

・兵とは詭道なり。

・情報の速さと、行動の速さが成功を決める。江戸で大火災があった際に木曽の木材を江戸の情報が広がる前に買い占めたことで財を築くということがあった。

・卒を見ること嬰児のごとし。部下には規律を守るように律すると同時に、何を持ってしてでも守るという姿を見せること。

・最上の戦は、戦わずして勝つこと。戦えばお互いに兵力を消耗することになる。いかにして相手の戦意を削がせ、兵站をつかせるかということ。

・正を以って合い、奇を以ってかつ。稲盛さんは、自身の商品が日本という伝統を重んじる市場では認められなかったが、アメリカのより大きな生産者に使用されることで日本に逆流させることに成功した。一方で奇策も大元の土台がなければうまくいかない。優れた技術力、商品力があってこそのものである。

・明君賢将が戦えば必ずかち、優れた成功を得るのは、情報の収集と事前の調査で他に先んじているからである。野村徳七は、自分の足で納得が得られるまで調査したこと、交通も電信もまだ不便な時代において情報収集をしっかりと行ったことにあるとしている。

・勝利を収める軍は、勝利の条件を整えてから戦う。始める際にどのようにしたら勝ちを得られるかを考えた上で戦にのぞむ。

・戦いに勝つ為には、指揮系統を一糸乱れぬ形で編成する必要がある。岩崎さんは三菱発足の際に、商会にて恩を受けてきた先輩に対しても自分が主人であることを宣言し、指揮系統を整えることでどんな厳しい状況でも超えられる組織の礎とした。

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