#211 システマティックトレード
ロバートカーバーによるシステマティックトレードへの完全ガイドと銘打った本書は、クオンツ投資のみならず、トレードを行う全ての人へおすすめの本。戦略のアイデアの出し方、検証方法、そしてポジションサイジングに関してどのような道のりを辿れば良いかというトレードにて0 to 1へ成果を出すために必須な要素を網羅してくれている。以下本書から要点の抜粋。
・データよりもアイデアを重視すべき。
・ほとんどの人は損切りをしたがらないのは、自らの誤りを認めたくないというのがあるから。これがディスポジション効果。逆に価格が上昇すると、すぐに利食いしたがるのは自分の判断が正しかったと思いたいから。
・心の中で独り言を言ってトレードルールを妨害するのが干渉と言われるものであり、自信過剰から来ているわけだが、これが最大の認知バイアスとなる。
・トレードシステムへの干渉をやめるには、コミットメントメカニズムが必要で、早くはオデュッセウスの話に登場する。
・オーバーフィッティングとオーバーベッティングが最も避けるべきこと。
・アイデアファーストの形で条件を作り上げられるかどうか。一方でデータマイニングをしても恒常的にリターンの出る方法も見つけられるかもしれない。
・トレンドフォロールールは、プロスペクト理論によって説明できるとする。
・持続性のあるリスクプレミアムかどうかを考える。
・トレンドフォローはコツコツ負けるがドカンと勝つポジティブスキュー、キャリートレードは、コツコツ勝つがドカンと負けるネガティブスキュー。どちらもポートフォリオに組み込むと良いのではないか。
・トレードルールの中には、コストや利益を実現させるために行われなければならない投資といった形で参入障壁が存在する。機会を得るための多大な労働が必要な場合それに見合ったリターンを得ることになる。
・トレンドフォローで早めに損切りをすることで得られる利益はプロスペクト理論からくる物ではないか。
・トレードルールをボラティリティで標準化したリターンに適応することができれば、異なる資産に同じトレードルールを適用することができる。
・最適化をする際には、拡大ウィンドウを使用して(nステージに分けて、少しずつ学習して次の期間で試すというアプローチ。)アウトオブサンプルでの統計量を最大化するようなアプローチか、CPCVによるアプローチが非常に優れた結果をもたすか。
・あるルールが他のルールよりも良いという確証は数十年の検証期間を経なければいけない場合もあるのでパラメーターを調整したものを置く必要がある。
・市場の振る舞いに関して自分が考えているアイデアを生かすようなトレードルールをシンプルな形で選び、バリエーションを選び、シャープを考慮しながら予測値ウェートを割り当てる。
・予測値はリスクリターンに、スケーリングした連続値で表すことができればよくて、一定のスケールに収まるようにしたい。例えばプラスマイナスで25の範囲などはどうかと本書は示唆。
・ボラティリティターゲット✖️予測確信度/ボラティリティを用いてポジションを調整する
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