雪が降る3日前の話
明日も早いし、今日は飲まない。
お昼まではそう思っていたのに、珍しく親友が約束時間通り、本当ぴったりに待ち合わせ場所に現れた。
きっと雹でも降るんだろう。
そんなことを思っていたら、週明け早々雪が降った。
あながち、間違っていなかったみたい。
金曜日の仕事終わり。
20:30集合、22:30解散。
3ヶ月〜半年に一度のこの定例会が僕にとっては本当にありがたい時間だ。
彼は歩みを止めたら死んでしまうまるでマグロのような人間で、でもだからこそいろんな景色を見ることができるすごい人だ。
それは今日、3か月ぶりに会っても相変わらずで、この期間に起きた出来事を聞いても、それを3か月でやったのか、と思うほどアクティブに動いていた。
数ヶ月前はワーカーホリックと化して目が虚になっていたのが心配だったけど、ステップアップのために転職して、自身でも会社を起こし、引っ越しをしたらしい。
環境を変えることで頭の中を自分ごととして物事を考えられる余裕も少しは出てきたようで、これまでは出来なかったこと、新しいアイデア、笑い話等々、話のネタがたくさんあったようだ。
彼は僕にアウトプットをすることで頭の中を整理し、僕の言葉から新たなインプットのネタを探す。
僕は彼の話の中から新たな知識や視点をインプットして、感想をアウトプットすることで頭の中を整理する。
雑談でも仕事の話でもお互いに笑い合いながら良い部分を学びあえる関係は、なかなか出会えるものではないだろう。
学芸大学近くの路地裏のお店で熱く語り続ける彼の話を聞いていたら、2時間なんてあっという間に過ぎてしまった。
僕がメニューを眺めながらスプモーニを飲んでいるのにもお構いなく永遠と喋り続けてる彼の目が輝きを取り戻しているのを見ることができて、心底ホッとしている。
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とある就活中の学生に「社会人も悪いものじゃないよ」と伝えたら、きょとんとした顔をしていた。
仕事=辛いこと。
そんなイメージが先行しすぎると、就活をしている意味がわからなくなるものだ。
もちろん、仕事は楽しいことばかりじゃないし、辛いこともたくさんある。
何のために働くか、その定義は人それぞれあるだろう。
お金を稼ぐため、自己成長のため、やりがいのため、生活のため、子どものため、自分が信じた意義のため。
いろんな価値観があって、いろんな考え方があって、いろんなモチベーションがある。
何が良くて、何が悪い、という話ではなく、自分なりの優先順序があって、答えがある。
学生の頃は真っ直ぐ何かを信じて進めばよかったけど、今は分岐点がたくさんあってその中から自分で考えた答えに進まなくてはならない。
ありがたいことに僕の周りにはいろんな価値観を持ちながら否定しないでいてくれて、それでいて各々が持っている価値観をシェアしてくれる親友たちがいるので、いろんな視点をもらえるようになった。
2024年は、いろんな価値観を学びたいなと思う。
学び直しって、MBAとか英語とかプログラミングとか、スキルに繋がる学びがフォーカスされると思うけど、
どんなことを考えているのか、なぜそう思ったのか。
同じ事象を見ていても感じることが違うように、自分以外の誰かが考えているプロセス部分を学ぶことが、自分自身の幅を広げてくれるんじゃないかと思うから。
そんなことをふと考えた、雪が降る3日前の話。
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