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高円寺~新宿のルパン幻想

※「さらば愛しきルパン」のネタバレを含みます。

東京・環七を走っていて高円寺あたりを通り過ぎるたびに、「ルパン三世」第2シリーズの最終回を思い出します。

偽ルパンたちは「葉桜」の看板のあるビルをアジトにしていました。

現実には「美酒 爛漫」と書かれたビルが目に入り、しばらく進んで青梅街道を曲がって走っていくと新宿へと至ります。

首都高から飛び立ったラムダは新宿へ向かい、自衛隊の戦車と鉢合わせたのちに高円寺方面へ逃げていきます。

思えば現実の街、しかも東京都心を破壊しまくるアニメってそれまでなかったはずです。それがこのアニメのとんでもなさの一つなんだと思います。銭形がやたらとかっこいいと思っていたら、中身はルパンだったというオチも含めて。

最も印象的だったのが、高円寺のビルを爆破した後に飛び立ったラムダが上昇する背景に、新宿の超高層ビルの夜景が広がるシーンでした。そこで初めて本物のルパンと小山田マキは顔を合わせます。

小6でこの作品を初めて見た私は、似たような漫画を描いてみようと挑戦したのですが、2つの壁に突き当たりました。

まずは魅力的な女性が描けませんでした。まあそれは当然です。
そしてもう一つ、街を立体的に見ることができなかったのです。
東京のようにごちゃごちゃと上から下までコンクリに囲まれたような都市を描こうとしても、想像力が追い付かなかったのでした。せいぜいゴジラが街を踏み潰すような光景が精いっぱいです。

その時、宮崎駿っていう人は立体感覚がものすごく優れているんだと子ども心に思いました。この作品は世界が徹底的に3次元なのですね。宮崎作品にあるような飛行機や空の描写は、この感覚がないと描けないと思ったものです。

いずれにしても都市の美しさが伝わってくる作品でした。

その後で見たナウシカは、3次元を超えて4次元的にいろいろなことが起きましたがこれは余談です。

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