書く習慣 Day16 | あなたの1番大切な人
一緒に暮らしている母、東京で暮らす友人たち、職場の仲間たち。
みんな私の大切な人たちだ。
全員同じくらい大切だから。このなかで「1番大切な人」は決められない。順位なんてつけられない。
ただちょっと視点を変えてみたら、ある答えが出た。
私は自分がいちばん大切かもしれない。
正直なところ、自分より大切な存在はいない。
これからも現れないんじゃないかと思っている。
小学生のころ、金曜ロードショーか何かで映画「タイタニック」を観た。物語の終盤、タイタニック号が沈没していくなか、ジャックとローズの有名なあのシーン。私はなぜか「もし自分がジャックだったら」と考えながら観ていた。
いくら愛する人のためとはいえ、自ら死を選ぶことができるだろうか。
このとき「私には無理だ」と思ったんです。その瞬間、ああ自分はなんて薄情な人間なんだ、と悲しくなって泣きました。そんな私を見ながら、隣にいた父は「ふたりとも生き残ってほしかったなあ」なんて言っていたけれど。
以来、親子でも親友でも恋人でも、いわゆる「バディ」「コンビ」「ペア」と呼ばれる関係性が描かれた物語に、何ともいえない尊さを感じるようになってしまった。
「こどものためなら自分の命などいくらでも差し出してやる」も尊い。「こいつには俺しかいないから」も尊い。「私はあなたのために生きる。だからあなたも私のために生きて」も尊い。
この尊さは「私にはできない生き方をしている人」への憧れなのか、はたまた妬ましさの裏返しか。自分でもよくわからない。
*
だからと言って、身近にいる親子やカップルを否定しているわけではない(と自分では思っている)。
こどもたちのために家事と仕事の両立をする同僚は尊敬するし、友人たちの結婚式は毎回感動で泣いてしまう。恋人のために一生懸命おしゃれをする友人も愛しい。
ただ、自分にも同じことができるかと言われたら、答えはNO。
相手をないがしろにしたり、傷つけたりするのはもちろんNGだけど…… うまく言えないな。
なんか書いてて切なくなってきた。私も一度でいいから、「あなたは私の1番大切な人だよ」って言ってみたい。自分以外の誰かに。
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